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恭譲王(コンヤン王)は李成桂に担がれ高麗最後の国王になった

1 高麗の国王

 

高麗の第34代国王 恭譲王(コンヤンワン、きょうじょうおう)は高麗最後の王様です。

王族とはいえ王座とは縁のない生活をしていましたが、イ・ソンゲ達に担がれて国王になりました。

しかしその王座も短期間で終わってしまいます。

高麗王朝最後の王という不名誉な立場になってしまっただけでなく、命も失うことになりました。

史実の恭譲王とはどんな人物だったのでしょうか。 

 

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恭譲王(コンヤン王)の史実

恭譲君はいつの時代の人?

生年月日:1345年3月9日
没年月日:1394年5月17日

名前:王瑤(ワン・ヨ)
諡号:恭譲大王
廟号:純宗
即位前の名前:定昌府院君

父:定原府院君鈞
母:国大妃王氏
妻:順妃盧氏

子供 男子2人

彼が生きたのは1345年~1394年。高麗王朝の末期です。

高麗王朝の29代国王・忠穆王~34代 恭譲王の時代に生きました。
日本の室町幕府 2代将軍・足利義詮(1330~1367年)。
明の初代皇帝 洪武帝 朱元璋(1328~1398年)。とほぼ同時代の人物。

おいたち

1345年3月9日 (忠穆王元年)に誕生。
父は王族の定原君 王鈞
第20代神宗 王晫の次男・襄陽公王恕の子孫です。
忠穆王は神宗 王晫の7代孫になります。

母は定原君 王鈞の妻・王氏(国大妃)。王族で高麗 17代 仁宗の9代孫です。

両親ともに王族ですが、王族とはいっても王位継承とは縁の遠い傍系の血筋でした。

即位前は定昌君とよばれました。

1374年。恭愍王が親元派の家臣に殺害されると禑王が即位しました。

1388年。李成桂(イ・ソンゲ)がクーデターを起こして、禑王の息子・昌王を即位させました。ところが、イ・ソンゲは昌王は高麗王朝の血筋ではなく、辛旽(シンドン)の血筋であると主張。正当な後継者ではないという理由で昌王とその父・禑王を殺害しました。辛旽の血筋というのはイ・ソンゲ達の謀略でした。

次の国王としてイ・ソンゲが支持したのが定昌君でした。定昌君の兄・定陽君の娘がイ・ソンゲと神徳王后康氏の息子・李芳蕃(撫安大君)と結婚していました。

定昌君は王族とはいえ、父方からは7代も王が出ていない王家とは遠い血筋でした。しかし定昌君とイ・ソンゲは親戚関係にあったため、イ・ソンゲ達に担がれて王になりました。

 

王となった恭譲王

定昌君は34代高麗国王・恭譲王となりました。

しかし恭譲王の時代は二つの派閥が争う時代でした。

激化する派閥争い

ひとつは鄭道伝(チョン・ドジョン)、程前ら、急激な改革を進めようとする強硬派。新進士太夫といわれる科挙で合格した役人の派閥です。地方出身者が多かったといいます。

もうひとつは鄭夢周(チョン・モンジュ)たち。高麗には問題もあるものの穏やかに改革を進めようという派閥でした。身分の高い役人が多かったといいます。

どちらの派閥も既存の権門勢族(特権階級)とは違う考えをもち高麗を変えようとしました。イ・ソンゲは強硬派に味方しました。

1391年。科田法が実行されました。個人の持つ土地を没収し、イ・ソンゲに好意的な新進士太夫に土地が与えられました。

高麗の存続に危機感を覚えた恭譲王はチョン・モンジュに味方します。チョン・モンジュはイ・ソンゲが負傷して休養中にチョン・ドジョンらを追放しました。しかしモンジュが李成桂の5男・李芳遠(イ・バンウォン、後の太宗)によって殺害されると穏健派の力は弱まります。

1392年。イ・ソンゲが復帰すると恭譲王は廃位させられ、恭譲君に格下げになりました。イ・ソンゲが王になりました。

恭譲王はわずか4年の在位期間でした。約500年続いた高麗王朝は終わりました。

恭譲君は追放されたあと流刑地を転々とします。追放だけではすみませんでした。イ・ソンゲと朝鮮の重臣は高麗王族を徹底的に殺していきました。生きてるだけで反乱の可能性がある。誰かに担がれて反乱の口実になると考えたのです。

1394年。恭譲君は謀反の疑いをかけられ二人の息子とともに処刑されました。妻の順妃盧氏も一緒に毒薬を飲んで亡くなりました。

 

テレビドラマ

国 KBS、1983年 演:ギム・ジンヘ
龍の涙 KBS、1996年 演:キム・ヨンソン
大風水 SBS、2012年 演:ギム・ビョンチュン
程前 KBS、2014年 演:ナム・ジホン
六龍が飛ぶ SBS、2015年 演:イ・ドヨプ

 

コメント

  1. たかし より:

    この解説の根拠、史料は高麗史なんですかね、そこが知りたいです。

    • Fumiya より:

      たかしさん、こんにちは。国内で入手できる歴史学者の書いた書籍をもとにしています。書籍の引用元には朝鮮王朝実録がありましたね。

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