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貞聖王后徐氏・英祖の最初の妃、イ・ソンの義母は朝鮮一在位期間の長い王妃

2 李氏朝鮮の妃・側室

貞聖王后は英祖の最初の妃。33年間、王妃の座にいました。

李氏朝鮮史上、もっとも在位期間の長い王妃です。

世子嬪や大妃の期間を含めればもっと長い人はいますが。王妃として33年も過ごした人はいません。

それだけ安定した立場だったのかもしれません。

史実の貞聖王后徐氏どんな人物だったのか紹介します。

 

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貞聖王后徐氏(チョンソン王妃ソ氏)の史実

いつの時代の人?

生年月日:1693年1月12日
没年月日:1757年 4月3日

本貫:達城徐氏
称号:貞聖王后(チョンソンワンフ)、達城郡夫人
父:徐宗悌
母:
夫:英祖

子供:なし

彼は朝鮮王朝(李氏朝鮮)の主に12代仁宗~13代明宗の時代です。

日本では江戸時代の人になります。

おいたち

父は徐宗悌、儒学生の資格はありましたが科挙には合格してません。

1704年。11歳のとき。徐氏は粛宗の息子・延仍君と結婚。達城郡夫人の称号が与えられました。徐氏は1歳9ヶ月年上。1月生まれなので2歳年上の感覚です。

父・徐宗悌は蔭敍(推薦)で思陵參奉になりました。娘が王族と結婚したことで特別に役人にしてもらったのです。

結婚式当日。徐氏の手をとって見た延仍君は「なぜこんなに手がきれいなのか」と質問しました。徐氏は「苦労をしなかったので、水に手をつけなかったのです」と答えました。それを聞いた延仍君は母・淑嬪崔氏を見下しているのかと怒り、その後二度と徐氏のもとを訪れなかったという逸話が伝えられています。

当時はまだ子供だったのでそのような行動をしたのでしょう。英祖は愛情が深い反面、怒りやすい人物だったといわれます。これは父の粛宗や息子の思悼世子にも共通する性格です。気難しい一面がでてしまったのかもしれませんね。

ただし実際には淑嬪崔氏は水くみのムスリではなく針房の宮女でした。たしかに両班のお嬢様に比べると手はあれていたかもしれませんが「水を使ってないから手があれていない」と王妃が言う逸話は作り話の可能性があります。

しかも結婚式当日の延仍君は10歳。初夜があるはずありません。幼くして結婚した場合は成人するまで床を一緒にすることは出来ないのです。

確かに延仍君と貞聖王后の間には子供はいませんでした。

側室には子供がいたのに王妃にはいないということで、様々な噂はたてられたかもしれません。二人は特別仲がいいというわけではなかったかもしれません。英祖は貞聖王后を大切に思っていたようです。

1721年(景宗1年)。延仍君を世弟にするかどうかで老論と少論が対立しました。

最終的には世弟になりましたが、老論派が処分される事件がおきました(辛壬士禍)。この事件で兄の徐命伯が流罪になりました。延仍君側の一族ということで少論派からの攻撃もあったようです。

世弟嬪になりました。

 

皇后になった徐氏

1724年。延仍君は即位。21代国王・英祖です。
徐氏は王妃に成りました。貞聖王后です。

流刑になっていた兄の徐命伯は英祖即位後に釈放されました。

貞聖王后はこころの広い優しい性格だったといいます。靖嬪李氏の産んだ孝章世子や暎嬪李氏の産んだ思悼世子を我が子のように接し大切にしました。側室の産んだ子供でも、世子は王妃の子として育てられるからです。

1757年。昌德宮の大造殿で死去しました。66歳でした。

義母の仁元大妃(粛宗の3番めの妃)が亡くなったのと同じ年ですが、1ヶ月だけ早く亡くなってしまいました。

貞聖王后が亡くなった後、英祖は父の粛宗の墓の近くに、貞聖王后の墓を作りました。英祖自身も後で入れるように隣の場所を開けていました。

英祖は死後も一緒にいたいと思っていたのですから、貞聖王后を嫌っていたわけではないようです。むしろ苦楽を共にしたパートナーのような存在だったのかもしれません。

ところが英祖の死後、正祖は別の場所に英祖の墓を作ってしまいました。英祖の継妃・貞純王后を意識して、貞純王后と英祖が一緒に入れるように墓を作ったのです。

そのため貞聖王后の墓の隣は空いたままになってしまいました。このような正祖の判断も「手があれていないから嫌われた」という話ができる原因になったのかもしれません。英祖が貞聖王后を疎ましく思ったことにすれば、同じ墓に入れなくてもいい名分になるからです。

在位期間が長い割にはドラマに登場する回数が少ない王妃です。貞聖王后が関わった事件が少なく、これといったエピソードも伝わっていないせいです。

とくに問題もなく無難に王妃として過ごしていたのでしょう。

 

テレビドラマ

1998年 MBC 大王の道 演:ムン・イェジ
2010年 MBC トンイ 演:チョン・レ
2017年 MBC 仮面の王イ・ソン 演:キム・ソンギョン

 

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