陰妃は唐の２代皇帝 太宗 李世民の妃です。
皇后の次に地位の高い四妃の一人です。
ドラマ「武則天-The Empress-」では「殷徳妃」
ドラマ「大唐流流」では西妃として登場します。
陰妃は隋の将軍・陰世師の娘でした。
李淵が反乱を起こし長安を占領。長安を守っていた父や隋の武将・大臣たちは処刑されました。
陰妃は幼い弟と一緒に捕まりました。その後、陰妃は李淵の息子・李世民の側室になります。
息子・李祐的と弟が謀反を起こして処刑。陰妃は嬪に降格になってしまいsます。
史実の陰妃はどんな人物だったのか紹介します。
陰妃の史実
いつの時代の人？
生年月日：不明
没年月日：不明
姓：陰
名：不明
称号：陰妃？→陰嬪
父：陰世師
母：不明
夫：唐太宗・李世民
子供：李祐的
彼女は唐２代皇帝 太宗の側室です。
日本では飛鳥時代になります。
隋の時代
陰妃の祖父・陰壽（いん・じゅ）は隋の建国に功績のあった将軍でした。
父の陰世師（いん・せいし）も 驃騎将軍 という地位にいました。
616年。皇帝・煬帝が江都に移動。
隋の末期。陰世師は衛文升とともに隋の都・大興城（長安）を守りました。
617年。李淵（り・えん）が太原（晋陽）で挙兵しました。李淵の長男・李建成と三男・李元治は太原に逃げましたが。五男・李智雲は幼い（13歳）ので逃げることができまず、隋軍に捕まります。
李淵の裏切りに怒った隋の朝廷は李智雲の処刑を決定。陰世師が処刑を実行しました。京兆郡にあった李淵の祖父・李虎、父・李昞の墓を掘り起こし。李家の霊廟（代々の祖先を祀る施設）を破壊しました。
李淵は大興城を攻め落とし、大興城を守っていた陰世師や隋の大臣たち処刑しました。
陰氏と弟・陰弘智（いん・こうち）は李淵に捉まりました。弟の陰弘智は幼かったので処刑は免れました。
唐の建国
618年。李淵は皇帝を名乗りました。（唐の建国）。
時期はわかりませんが陰氏は李世民の側室になりました。
621年。李祐（り・ゆう）を出産。李世民の五男、陰氏にとっては長男です。
625年。李祐が宜陽王になりました。
太宗・李世民の時代
626年6月。李世民がクーデターに成功（玄武門の変）。
8月。李世民は父に譲位させ皇帝になりました。
太宗・李世民は長孫氏を皇后にしました。
陰氏は「妃」になりました。
唐の後宮には 貴妃、淑妃、徳妃、賢妃の地位があります。
陰妃がどの称号をもつ妃だったのかは分かっていません。
韋貴妃がいたので貴妃でないのは確かです。
賢妃には燕賢妃がなりました。
不明な妃は他に楊氏がいましたが。楊氏は煬帝の娘なので地位は楊氏の方が上。
となると、楊氏が淑妃、陰氏が徳妃の可能性が高いです。
636年。李祐が斉王になりました。
弟と息子が謀反
638年。李祐は病気を理由に長安にとどまりました。
陰妃の弟（李祐の叔父）陰弘智は斉王・李祐も「王には兄弟が多いのでこの先、自分を守るために兵が必要です」と言い、陰弘智の妻の兄・燕弘信を李祐に紹介。兵を集めるように進言しました。
641年。李祐は斉に帰りました。
643年。李祐と陰弘智が反乱を起こして鎮圧されました。陰弘智は処刑。李祐は長安に連行されて賜死になりました。李祐は皇族の地位を剥奪され庶民にされています。
嬪に格下げ
時期はわかりませんが陰妃は「嬪」に格下げになってしまいました。
644年。燕賢妃が燕徳妃になりました。
これは想像になりますが。
李祐と陰弘智の謀反の後、陰徳妃が嬪に降格になり。
代わりに燕氏が徳妃になったのではないでしょうか。
陰妃がいつ亡くなったのかは分かっていません。
記録にない陰嬪の墓がみつかった？
陰妃の埋葬場所は歴史書には書かれていません。
ところが李世民と妃たちを埋葬した昭陵を発掘したところ「陰嬪」の墓が発見されました。墓碑には「陰嬪」には息子が一人いたことが書かれています。
「陰氏」は珍しい姓です。李世民に同じ姓の側室がいてその人にも息子がいたとは考えられません。「陰妃」以外に陰姓の側室がいたという記録もありません。
「陰妃」が格下げになって「陰嬪」として埋葬されたようです。
楊妃もそうですが。称号のよくわからない妃は息子が何らかの理由で処刑されています。
息子が謀反を起こしたしたので、歴史書には詳しい記録を書かなかったのかも知れません。
太宗の妃の中でも楊妃と陰妃は境遇が似ています。
隋朝で地位が高い人を親に持ち、李世民の妃になり、息子が生まれ、息子が謀反（楊妃の息子は冤罪ですが）で処刑され。妃の詳しい記録がない。
隋から唐に王朝が変わったことで大きく人生が狂ってしまった人だといえます。
ドラマの陰妃
武則天 2014年、中国 演：張彤 役名：殷徳妃
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