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サンザシ飴はどんな食べ物?発祥と歴史は?

サンザシ飴 e ドラマが分かる歴史の知識

中国ドラマを見ていると「サンザシ飴(糖葫蘆)」がよく出てきます。

夜店でりんご飴のようなものを売ってる光景をよく見ます。たいていはヒロインが買ってもらって食べてることが多いですね。

でもりんご飴とは違います。りんご飴(キャンディアップル)はイギリスやアメリカ発祥の食べ物です。

中国ではサンザシ飴(山査子飴)は昔から食べられている駄菓子です。

サンザシ飴とはいったいどんな食べ物でしょうか?

 

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糖葫蘆

サンザシ飴の本当の名前

中国ドラマの「サンザシ飴」といえばこんな感じの食べ物。

山査子飴

出典:wikipedia

 

赤くて丸いものが串につながった食べ物です。表面がテカテカしてりんご飴のようにも見えます。でもリンゴ飴ではありません。

ドラマの字幕で「サンザシ飴」となっているものは中国・台湾では

糖葫蘆(Tánghúlu、タンフールー)とか
冰糖葫蘆(Bīngtánghúlu、ビンタンフールー)

といいます。

意味は

糖葫蘆 =砂糖をまとったヒョウタン(葫蘆)
冰糖葫蘆=氷砂糖をまとったヒョウタン(葫蘆)

です。どちらも同じ食べ物です。

ヒョウタンを食べるのではありません。丸い小さいものが連なった形をヒョウタンに例えているんですね。

サンザシ飴はどんな食べ物?

糖葫蘆(タンフールー)とは山査子(サンザシ)という植物の実を砂糖でコーティングして竹串に刺したもの。

りんご飴みたいなものです。

糖葫蘆の材料は華北では大山査子(オオサンザシ)、他の地域ではややこぶりな山査子(サンザシ)の実が使われます。

山査子は中国北部原産のバラ科の植物。同じバラ科のサクランボを大きくした形によく似ています。

サンザシ

乾燥して種を除けた山査子が漢方薬として使われます。この実を料理やお菓子の材料として使うこともあります。

山査子の実は日本では江戸時代に漢方薬として使われ江戸の小石川で栽培された記録があります。

 

サンザシ飴(糖葫蘆)の歴史

 

サンザシ飴=糖葫蘆がいつごろあるのか詳しいことはよくわかっていません。

契丹(遼)時代に京津地方(北京や天津)で始まったと言われます。

民間伝承では南宋時代の話が知られています。

糖葫蘆にまつわる民話

南宋の3代皇帝 光宗 趙惇の時代。
紹熙年間(1190~1194年)。

光宗皇帝の寵愛していていた黄貴妃が病気になりました。黄貴妃の顔は黄色く痩せていて、食欲がありません。御医は高価な薬をたくさん使いましたが効果はありませんでした。光宗皇帝は愛する側室がどんどんやせ細っていくのを見て、一日中心配していました。そこで皇帝は治療できる者を募集。

すると江湖朗という医者がやってきて黄貴妃の脈を診たあと。「砂糖と赤サンザシを煮て、毎食前に5~10個食べれば、半月で治ります」と言いました。最初はみんな半信半疑でしたが、この食べ方は黄貴妃の好みにもあってので食べ続けました。

すると医師の言った通り黄貴妃の病気は治りました。皇帝は大喜び。やがてこの食べ方は民間にも広まり。砂糖を付けたサンザシを串に刺した物が「冰糖葫蘆」として売られるようになりました。

というもの。

黄貴妃は紹熙2年(1191年)に死亡(皇后李氏によって殺害された)しているので、この話が本当だとしたらかなり年代は限られますね。

日本では源頼朝が征夷大将軍になったのが1192年。だいたい鎌倉幕府ができたころです。

燕京(北京)の食べ物だった?

糖葫蘆は京津地方発祥といわれます。南宋時代の北京や天津は金の領土になっていました。

南宋の話が有名ですが残念ながら発祥の地は南宋ではなさそうです。

黄貴妃を治療した医師は京津地方でそのような食べ物があるのを知っていたのでしょう。

燕京(北京)で食べられていたサンザシの砂糖漬けが南宋(首都は臨安)に伝わって串刺しの形になったのかもかもしれません。

 

清では北京名物だった

清朝時代に書かれた「燕京歳時記」にもサンザシやブドウの実を砂糖漬けにしたものが紹介されています。燕京は北京の古い言い方です。燕京(北京)の名物なのでまだ地方では珍しかったのかもしれません。

清朝時代の北京では糖葫蘆を売る露店がたくさんあったようです。

中華民国時代になってさらに人気が上がり地方に広まりました。今では中国各地や台湾でも食べられています。

歴史上はサンザシ飴=糖葫蘆(タンフールー)が誕生したのは北宋から南宋時代の京津地方(北京や天津)。当時の京津地方(北京や天津)は遼(契丹)や金の領土なので宋で生まれたものではなさそうです。

清朝時代には北京で流行りました。北京ではいたるところにサンザシ飴(糖葫蘆)を売る露店があったようです。

なので唐の時代やそれ以前にはサンザシ飴はないのですが。中国ドラマではどの時代でもわりと普通に売ってたりします。中国ドラマは時代考証無視なので気にしていないのでしょうね。ドラマではヒロインが買ってもらって食べてることが多いですね。

でもそのくらい中国では人気があって人々に知られている。ということなのでしょう。

現代でも中国や台湾では人気です。

現代ではオオサンザシの他にイチゴ、プチトマト、マンダリンオレンジ、ブドウ、など様々な果物が使われているようです。

 

日本でも楽天などのネットショップで購入ができます。

 

 

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