中国ドラマ「華の出陣~麗将・阿麦の仇討~」の11・12・13・14話のあらすじとネタバレを紹介。
商易之の命をねらう太子は、青州軍と豫州軍の演武を実施。阿麦の知略や唐紹義の働きもあり行い青州軍は勝利に。そして阿麦は親の仇を討つため従軍を決意。
あらすじとネタバレを歴史ファンの視点でみた考察と解説を交えて紹介します。
登場人物とキャスト
- 阿麦 (演:チャン・ティエンアイ)…主人公。南夏の靖国公の娘。
- 商易之/斉渙(演:チャン・ハオウェイ) … 定南侯の世子、実は亡き皇太子の息子。
- 常鈺青(演:ワン・ルイチャン) … 北漠軍の将軍。
- 唐紹義(演:ガオ・ゴー) … 南夏の将軍。
さらにくわしいキャスト情報は【華の出陣】キャスト・登場人物紹介をご覧ください。
華の出陣11話 あらすじとネタバレ
- 阿麦は知略で演武大会の勝利を目指す。
- 商易之は阿麦と唐紹義の親しさに嫉妬する。
- 第一試合は豫州軍の勝利、第二試合は唐紹義の活躍で青州軍が勝利する。
第11話 あらすじ
演武大会(軍事演習)の準備をしていると、豫州軍の王教衛がやってきて降伏するように言いますが、阿麦は「勝負は決まっていない」と拒否。阿麦は父から教わった「力だけでなく知恵で勝つ」という教えを胸に演習に臨みます。
第一試合は豫州軍が勝利。このとき石達春は審査員席にはいませんでした。内心は太子と商易之の板挟みになり困っていたのです。
第二試合では唐紹義が阿麦の用意した馬に乗って見事勝利を収めました。勝負の行方は最後の第三試合に持ち越されました。最終試合では阿麦が参加して砂で敵の目をくらますという奇策を使って青州軍を勝利に導きました。
演習後、思わぬ知らせが届きました。北漠軍が太子を捕らえたというのです。商易之は自分を殺そうとした太子を助けるのを躊躇いますが。阿麦は「この功績があれば太子の気持ちも変わり今までの罪を帳消しにできる」と説得。
阿麦の言葉に背中を押された商易之は配下の兵士たちを率いて見事太子を救出するのでした。商易之は功績を認められ、青州軍は豫州軍と合流するのでした。
感想:板挟みになった石達春の苦労
商易之や阿麦は大変な立場ですが、石達春も苦しい立場に追い込まれていますね。石達春は商易之の父・定南侯に仕え恩があります。でも皇帝の代理人として来ている皇太子に逆らうわけにはいきません。石達春の妻も皇太子を怒らせたら大変なことになると、石達春の対応を心配してます。
石達春個人の気持ちとしては恩のある商易之を裏切りたくはないでしょうが。家族や自分に仕える部下の命も守らないといけません。難しい立場でしょうね。
解説:駿馬の価値と阿麦の思惑
唐紹義が乗った駿馬は前回の10話で阿麦がお金を出して買ったものでした。古代中国では優秀な馬は勝敗の行方を左右するくらい重要な「兵器」でした。そのぶん優秀な馬は高価なのですが。阿麦が大金を出して唐紹義のために買ったのも。唐紹義への友情だけでなく、商易之の部隊の力になると思ったからなのでしょうね。
華の出陣12話 あらすじとネタバレ
- 阿麦は商易之に北漠行きにこだわる理由を話す。
- 靖陽関が北漠軍に制圧されたことを知り阿麦は陳起を討つため従軍を決意。
- 商易之は太子救出で評価を高めたものの、逆に皇帝に警戒されてしまう。
12話 あらすじ
阿麦は北漠に向かうため商易之に別れを告げようとします。でも商易之は阿麦への想いを告白、引き留めようとしました。でも阿麦は自分の過去を話します。彼女の本名は韓麦穂、父親は盛国公でしたが陳起に裏切られ両親を殺害されました。
彼女は陳起を討つため靖陽関へ向かうつもりでしたが、すでに北漠軍に制圧されたという報告が届きます。しかもその総大将が陳起だというのです。阿麦は陳起を討つため身分を隠して兵士として従軍することを決意。
最初は反対した商易之でしたが、阿麦の固い決意を変えることはできず、しぶしぶ入隊を認め暗殺用の武器や防寒着など旅に役立ちそうな品物を贈るのでした。感謝の気持ちを込めて商易之に口づけした阿麦は軍営へと向かうのでした。
軍営で阿麦は素朴で臆病な二蛋という青年と出会い、彼と仲良くなりました。
一方、商易之は太子を救出した功績により皇帝に有能な人物と認められます。しかし皇帝は商易之への警戒心も強めていました。林相の進言もあって皇帝は商易之を都へ呼び戻し、定南侯府に幽閉するよう命じるのでした。
感想と解説:手柄をたてると逆に危険視される
商易之はせっかく太子を救出して手柄を立てたのに、逆に皇帝の警戒心を高めてしまいました。手柄を立てた人物が警戒されて粛清されるのは中国史ではよくあることです。
商易之は前の太子の息子ですし、もともと警戒されています。さらに皇帝のように猜疑心の強い人物だったり不安定な世の中だと。本人にその意思がなくても、危険人物視されて粛清されてしまうのですね。
解説:「二蛋」という名前
阿麦が出会った青年は「二蛋」という名前でした。「二蛋」は中国北東部で見られる素朴な名前です。「蛋」は「卵」を意味し、素朴で飾り気のない少しお人好しな人物の愛称に使われます。中国東北地方で二人目の息子につけられたり、純粋で単純な性格を表現するために使われたりします。
このドラマでは素朴で単純なキャラクターを伝えるためにこの名前が選ばれたのでしょうね。
華の出陣13話 あらすじとネタバレ
- 阿麦は男たちと暮らすため体中に悪臭がする薬草を塗り近づかせないようにする。
- 商易之は阿麦が入浴させられそうになっているのを知って救出に駆けつける。
- 阿麦と商易之の親しい関係を見た伍長は、自身の立場が危うくなることを感じ、阿麦を追い出そうと画策する。
あらすじ
入隊した阿麦はさっそく軍営の過酷な暮らしを経験することに。夜の当番中に唐紹義と酒を酌み交わして銀堡城を失った悔しさを分かち合いました。
阿麦は男たちと雑魚寝することになりました。そこで自分の正体がばれることを避けるため、ある奇策を思いつきます。それは全身に悪臭のする薬草を塗りつけることでした。周囲の兵士たちは彼女に近づかなくなり、伍長も布団を風通しの良い場所に移動させます。阿麦はこれで安心して眠れるようになりました。
一方で、厳しい訓練は続いています。商易之は阿麦が厳しい罰を受けているのを見て心配しますが軍師に「特別扱いすれば阿麦が孤立する」と言われ見守ることに。そんなある日、阿麦は悪臭を理由に無理やり入浴させられそうになっていました。阿麦は正体がばれるのを防ぐため慕白に助けを求めます。それを聞いた商易之は急いで駆けつけて彼女を救い出すのでした。
しかし阿麦と商易之の親しそうな様子を見た伍長は、自身の立場が脅かされると感じて阿麦を軍営から追い出そうとするのでした。
感想・見どころ:阿麦の機転と「女の兵士」という苦境
男装ものだと女なのがバレる危険が必ず出てきますが。阿麦がとった作戦は悪臭を出す薬草を体に塗るという奇抜な方法でした。
昔は一般人が風呂に入る習慣はなく軍営ならなおさらですが。それでも服を脱ぐ機会がゼロではありません。とはいえ、悪臭がするなら周囲の者がなんとかしようと思うのは当然かもしれません。
解説:「沙袋(シャーダイ)」は筋トレ道具
阿麦は劇中でバツとして沙袋(シャーダイ)を背負わされていました。沙袋は砂の入った袋のこと。筋力を鍛えるために沙袋を身に付けて筋トレするのは中国の武術や軍の訓練でも行われました。石や鉄の塊でもできますが、砂は中身が動き重心が変化するので体幹やバランス能力を鍛えるのに効果的です。
華の出陣14話 あらすじとネタバレ
- 阿麦は軍律違反で捕まるが、功績をたてて罰が軽くなる。
- 阿麦の作戦図に戸惑う商易之は彼女の励まして覚悟を固めて出陣を決意。
- 皇帝の出陣停止の勅命が届くが、商易之は無視して戦場へと向かう。
あらすじ
唐紹義は北漠軍の潜伏先を探す任務を受けて出発。阿麦もこっそり同行、幼い頃に父から教わった戦術を応用して見事に敵の隠れ場所を発見しました。
しかし軍営に戻った阿麦は伍長に見つかりって軍律違反で捕らえられてしまいます。伍長は日頃の恨みもあって阿麦の父母を罵倒、激怒した阿麦は伍長と殴り合いになるのでした。
阿麦と伍長は商易之の大本営に連行されましたが、軍師の機転で軍律違反と喧嘩の罪を別々に裁かれる。北漠軍の潜伏場所を発見した功績が認められ、二人は杖罰二十回の罰で済まされした。商易之は阿麦が痛がる声を聞いて気の毒に思うものの、慕白が手加減して打ったので大きな怪我はしませんでした。
その夜、商易之は初めての大戦を前に不安を漏らします。阿麦は自分が描いた作戦図を見せて、敵の物資を奪って自軍の補給とする「以戦養戦」の奇策を提案。大胆な作戦に商易之は戸惑いますが、阿麦の言葉に励まされて覚悟を固めます。
翌朝、出陣の準備が整ったところに商易之の帰京を命じる皇帝の勅命が届きました。しかし商易之は勅命を無視して出陣。石達春の機転もあって、勅命を携えてきた宦官は追撃を諦めて商易之は無事に出陣します。
感想:皇帝の「聖旨」に背く商易之の覚悟
商易之は皇帝の命令が届いたのに出陣を強行しました。今出陣しないと勝つチャンスがなくなるという。司令官としての判断からしたのですが。皇帝の命令に背くのは死罪を意味します。商易之もそれは知ってると思いますが。自分の使命と兵士たちの命を守る立場にある。という責任感がそうさせたのでしょうね。でも彼の立場がさらに悪くなってしまいそうです。
解説:「以戦養戦」
阿麦が提案した作戦は「以戦養戦」(いせんようせん)。中国の兵法では古代からある作戦。敵を攻撃してその物資や食料を奪って自軍の物にするという戦術です。
商易之は驚いていましたが、実際には奇策でも大胆な作戦でもなく古代にはよくある戦い方でした。
この作戦は成功すれば最小限のコストで勝利を収められますが、失敗すれば自軍は壊滅。常に行っていると占領地も疲弊させるというデメリットもあります。あくまでも
華の出陣11~14話まとめと感想
阿麦の軍隊生活が始まりました。阿麦の男装がいつばれるのかヒヤヒヤですが。うまく知恵を使って切り抜けていますし。商易之が知ってるというのも大きいですね。
でも女で軍の訓練についていくのは大変でしょう。そんな中でも阿麦は父から教わった戦術を使って手柄を立て、商易之を支える存在になっていってるようです。
でも商易之は皇帝の命令に逆らって戦場に向かいました。たとえ勝てても皇帝からの追及がありそうで心配ですね。
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