中国ドラマ「華の出陣~麗将・阿麦の仇討~」の3・4・5・6話のあらすじとネタバレを紹介。
男装のヒロイン・阿麦(陳起)の復讐と恋を描くドラマ。幼い頃に父と家族を殺された阿麦は仇の陳起を探していた。彼女は商易之と出会ったものの、お互いの目的のために別行動をとることに。
陳起の情報を求めて新たな土地にやって来た阿麦は商易之と再会。そして銀堡城では大きな争いに巻き込まれてしまいます。
登場人物とキャスト
- 阿麦 (演:チャン・ティエンアイ)…主人公。南夏の靖国公の娘。
- 商易之/斉渙(演:チャン・ハオウェイ) … 定南侯の世子、実は亡き皇太子の息子。
- 常鈺青(演:ワン・ルイチャン) … 北漠軍の将軍。
- 唐紹義(演:ガオ・ゴー) … 南夏の将軍。
さらにくわしいキャスト情報は【華の出陣】キャスト・登場人物紹介をご覧ください。
花の出陣3話 あらすじとネタバレ
3話 あらすじ
阿麦が駅館で捕らわれる
阿麦は捕吏*に捕まった知人を助けようと、こっそり駅館に潜入しました。でも縄は堅く結ばれすぐには解くことができません。手間取っている間に運悪く役人に見つかり、自分も縛りあげられてしまいました。
(*捕吏:罪人を捕らえる下級役人)
阿麦は「もう終わりだと」と思いましたが、そこに商易之が偶然駅館に泊まりにやってきました。商易之は恩人の阿麦が捕まっているのを知って「自分は定南侯府の者なので釈放するように」と見張りに言います。でも商易之は身分を隠していたので見張りは信じようとしません。仕方なく商易之は身分を証明する印を見せて釈放させました。
商易之との再会
阿麦は釈放してくれたお礼に商易之に酒を贈り二人は再会を喜びます。男装している阿麦は他の役人と一緒に休むことにしていました。商易之は2話での出来事**もあり阿麦が女だと知っています。阿麦を自分の部屋に招待しようとしますが、阿麦は商易之が高い身分なのを気にして断るのでした。
(**2話での出来事:商易之は阿麦の入浴を見て女だと知りました。)
護衛の穆白は命を狙う者が多いのに商易之が江湖の者のために身分を明かしたのが不満でした。でも商易之は自分を助けてくれた阿麦への恩義のためだと言って穆白の言葉も聞きません。
そして彼は阿麦が心配になって様子を見に行きました。二人は酒を飲みながら、お互いの身の上を話して打ち解けるのでした。
解説:駅館(えきかん)と当時の交通事情
阿麦たちが泊った駅館は仕事で移動する役人や使者のために作られた宿泊施設です。役人の移動は馬を使いますが遠方に行くときは駅で馬を交換して次の目的地に向かいました。このしくみは「駅伝制」と呼ばれ秦漢期に始まり、明清期には全国にネットワークが張り巡らされました。駅館には馬を飼う施設の他、人間が寝泊まりできる場所も用意されています。
でも役人が使用する施設なので民間人や身分を証明できない者が利用するのは難しかったり、特別な許可が必要です。
商易之がいなければ阿麦が駅館で宿泊するのは不可能だったでしょう。
また今回は商易之が身分証を見せただけで釈放されますが現実にはもっと複雑です。敵対勢力の間者の可能性も考えて数日間拘束されることもったようです。
現在の日本では鉄道の乗り換え場所を「駅」と言いますが、この駅が由来です。
花の出陣4話 あらすじとネタバレ
4話 あらすじ
銀堡城に潜入
阿麦は親の仇・陳起の情報を得るために銀堡城の入城許可証を盗んで城内に潜入しました。城を守る将軍 唐紹義は地元の人々から慕われる仁義に篤い人物でした。
阿麦は城内を探し回り鬼手の阿四にたどり着きます。阿麦は春娘から預かった指輪を渡して面会が実現しました。阿麦は鬼手の阿四から「陳起が北漠へ向かったこと」を聞かされます。そして阿麦は通行証の作成を依頼。阿四は旧友の春娘への義理から無償で引き受けたのでした。
一方、銀堡城は敵の度重なる侵攻に苦しんでいました。城主は朝廷の意向に従って領土を割譲して和睦しようとしていました。でも唐紹義は強く反対。彼は「真の平和は敵を力で打ち負かすことでしか得られない」と主張して城主と対立していたのです。
常鈺青との出会い
一方、阿麦は街でならず者たちに目をつけられ、銀子を使って身の安全を確保しようとします。ところが常鈺青という人物が現れ阿麦の護衛を一瞬で打ち負かして阿麦に脅しをかけます。そこに役人が現れたので常鈺青はとっさに指輪を落として逃走、その指輪を拾った役人によって阿麦は北漠のスパイと誤解され投獄されてしまうのでした。
阿麦は牢獄で弓矢職人の李二牛と出会いました。李二牛は一度に複数の矢を連射できる画期的な弓矢の設計図を持っていて阿麦はその独創性に驚きます。
常鈺青の狙い
その夜、持ち主が常鈺青だと判明。城主の命により常鈺青は捕えられますが、彼は李二牛を救出するために潜入していたのでした。阿麦は李二牛を人質にとって常鈺青に謝罪と自分を牢から出すことを要求。ところが官兵が駆けつけたので常鈺青は再び逃走。阿麦は常鈺青の仲間だ疑われ、ますます牢から出られなくなってしまうのでした。
感想と解説:銀堡城の内部対立と時代の矛盾
銀堡城の城主と将軍・唐紹義は同じ国に仕える者同士ですが考え方は全く違います。城主は朝廷の意向どおりに領土を敵に渡して一時的な和平を選ぼうとします。政治的な妥協です。
唐紹義は武人としての誇りと敵に屈しない信念から徹底抗戦を主張します。一度譲れば敵は必ず再び攻めてくると考えているからです。
目先の妥協が大きな争いのもとになるのは歴史が証明しています。領土の割譲が大きな侵略の元になった例は幾つもあります。単純に戦争か平和でもわりきれない難しい問題です。
ドラマの関係は契丹(漠北)と北宋(南華)の関係を連想しますね。歴史上でも朝廷の文官の判断(講和・割譲)と軍司令官の意見対立はありました。ただし史実では朝廷の命令に反対して現地の部隊が戦闘すると「謀反」とみなされることもあり命がけの決断でした。
ドラマでは唐紹義が堂々と朝廷の決定に反対していますが、かなり覚悟のいることです。
花の出陣5話 あらすじとネタバレ
5話 あらすじ
銀堡城防衛戦の始まり
常鈺青は銀堡城から脱出した後、銀堡城を攻撃するよう部下に命じました。
唐紹義も常鈺青が攻撃してくると予想していましたが、漠北軍の戦力は想像以上に強力でした。攻撃が始まりあっという間に兵士の半数以上が死傷してしまいます。
阿麦初陣
人手不足に陥った唐紹義は監獄の囚人たちに「戦場で敵を討てば過去の罪をすべて帳消しにする」と呼びかけました。阿麦はこれで牢獄から出られると考え、戦闘への参加を志願しました。阿麦に感化されて多くの囚人や看守たちも剣を手に取り、彼らと共に戦場へ向かいました。
しかし戦場は想像以上に過酷でした。圧倒的な人手不足と武器の不足に銀堡城は苦戦。でも唐紹義は降伏を拒否しました。城が陥落すれば城内の住民全員の命が危険にさらされることを知っていたからです。
常鈺青は唐紹義の勇敢さに心をうたれ「城内の住民には危害を加えない」と誓いますが、すでに城門が突破され多くの人々が逃げ惑っていたのでした。
設計図の処分
同じころ。牢獄では唐紹義が李二牛に剣を向けていました。李二牛は武器の設計図が敵の手にわたるのを防ぐため武器の設計図を燃やしたのです。李二牛の潔さに感心した唐紹義は李二牛とともに脱出することを決意します。
一方、阿麦は瀕死の看守に頼まれて娘の徐秀児を救出。脱出途中に唐紹義と合流します。
感想:極限状態で試される阿麦の人間性
阿麦は行動は今まで男装してまで復讐のために生きてきました。でもこの戦いで阿麦は瀕死の看守の願いを聞いて、戦いの中でも見ず知らずの子供を救うために奔走しました。味方は総崩れで自分もいつ死ぬかわからない状況です。普通なら一目散に逃げるところでしょう。阿麦はただ復讐のために生きる殺伐とした人物ではない、人間らしい心を持った人物ということですね。
もしかすると彼女は今後、個人の復讐心を超えてもっと大きな目的のために戦う人物になるのかも知れませんね。
花の出陣6話 あらすじとネタバレ
6話 あらすじ
常鈺青の要求
銀堡城を占領した常鈺青は、鞭箭(べんせん)の設計図を持つ李二牛の引き渡しを要求。しかし李二牛はすでに設計図を燃やしていました。阿麦は設計図を渡すわけにもいかないし、かといって李二牛の遺体を渡せば常鈺青は激怒して住民を殺害するかも知れません。
阿麦たちの脱出計画
そこで彼女は自分たちが城を脱出したことを常鈺青に知らせて民への虐殺を止めさせようと決意するのでした。阿麦は共に逃げることになった唐紹義と李二牛、そして徐秀児の4人を率いて行動を開始。彼らとともに逃げるはずだった鬼手阿四は、出発直前に大切な指輪を家に忘れたことに気づづいて取りに戻りました。でも北漠の兵士に見つかり殺害されてしまいます。
阿麦は鬼手阿四が作った本物そっくりの偽装鎧を唐紹義に着せて彼を「偽の常大人」に仕立て上げ、周囲の兵士に「常大人が深夜に城を出て敵を討つ」という偽情報を流して唐紹義たちを騙しました。
李二牛の最後
城門から脱出に成功した阿麦たちですが、多くの兵が追ってきました。その中の一人が遠ざかる李二牛の顔を見て弓を放ちました。矢は李二牛の胸を貫いて彼はその場で息絶えます。
こうして連弩の設計図を唯一知る李二牛は志半ばで命を落としました。設計図はすでに燃やされていて、その技術はアマイの記憶の中にしか残っていません。
常鈺青は李二牛を生け捕りにするよう命じていましたが。配下の将軍は彼の技術が敵国に渡ることを阻止するため射殺しました。李二牛の死を知った常鈺青は激怒するおのの、将軍の行動は仕方ないと理解して死刑にはしませんでした。
感想:鬼手阿四と李二牛の死
多くの命が奪われる中、主要人物たちも次々に倒れていきました。
鬼手阿四は大切な人の形見を守るために命を落としました。中国韓国ドラマあるあるの「用があって戻ると言い出す→死亡」という王道展開。でも彼の作った偽鎧が唐紹義の脱出計画の重要な要素になり、彼は死んでも印象は強く残りました。
そして常鈺青が攻める原因にもなった李二牛も命を落としました。自分の技術が悪用されることを恐れて設計図を燃やしたのですが。その技術のために自分の命を失うという皮肉な結果になってしまいました。彼の命とともに失われた鞭箭の技術は今では阿麦しか知りません。もしかすると彼女の復讐や戦いに影響を与えるのでしょうか?
華の出陣3~6話まとめと感想
5~6話では絶望的な防衛の戦いから脱出劇へと話が進んだものの、多くの犠牲が出ました。
看守は家族を思いつつ、鬼手阿四は個人の思い出を守るために、李二牛は技術を守るために命を失いました。でももはや死ぬことに意味は見いだせない、過酷な現実だけが重く感じられます。
阿麦は今までは個人の復讐のために生きてきましたが、見ず知らずの人のためにも命をかけて動くようになりました。李二牛の技術の継承者ともいえるだけに、阿麦が今後どのような選択をするのか?再び個人の復讐のために生きるのか?人々のために戦うことになるのか気になりますね。
華の出陣の他のエピソードを知りたい方は 華の出陣 あらすじネタバレ 全話まとめ もぜひチェックしてみてくださいね。
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