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白東脩(ペクドンス)伝説的な護衛武官の生涯と家系図

6 李氏朝鮮の人々

白東脩(ペク・ドンス)は、朝鮮王朝後期に活躍した伝説的な武官。正祖と純祖に仕えました。

武官の地位が低かった李氏朝鮮では珍しく現代でも名前が伝わっている人物。ペク・ドンスは朝鮮の武人の代名詞ともいえる存在です。

剣術や武芸に秀でた人物として知られています。正祖の治世下で護衛武官として功績をあげたものの、純祖時代には流罪に遭うという不運な目にもあっています。

彼の生涯は半ば伝説化された部分もありますが、後世に残した功績は大きく、彼の生涯を描いたドラマ「ペク・ドンス」では、王を守る忠実な護衛武士としての姿が描かれ人気になりました。

この記事では、白東脩(ペクドンス)の生涯や功績、そして彼を題材にした映像作品について紹介します。

 

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白東脩(ペク・ドンス)の史実

プロフィール

名前:白東脩(ペク・ドンス)
本館:水原白氏

生年月日:1743年
没年月日:1816年

父:白師宏
母:不明
妻:晋州柳氏

子供:白心鎭、白性鎭

 

彼は朝鮮王朝(李氏朝鮮)の主に22代正祖~23代純祖に仕えました。

日本では江戸時代の人になります。

白東脩(ペクドンス)の家族

白東脩(ペクドンス)の曽祖父は辛壬士禍(しんじんしか)で拷問を受けて命を落とした白時耇(ペク・シグ)。死後、戸曹判書に追封されました。

白東脩の祖父は白尚華(ペク・サンファ)。庶子だったので身分は低いです。

白東脩両班ではありません。

 

辛壬士禍(しんじんしか)
20代 景宗の時代に起きた事件。景宗を支持する少論と延礽君を支持する老論が対立。老論側の多くの臣下が粛清されました。

白東脩(ペクドンス)の家系図

ペクドンスの家系図

ペクドンスの家系図

 

白東脩(ペク・ドンス)のおいたち

 1743年(英祖19年)に誕生。

父は折衝将軍で行龍驤衛副護軍の白師宏。

母は不明。

名人から剣術を教わる

白東脩(パクムンス)は「剣仙」といわれた金体乾(キム・チェゴン)の息子・金光澤(キム・グァンテク)に剣を習いました。

金体乾(キム・チェゴン)はドラマ「テバク」に登場。主人公のペク・デギルに剣術を教えた人物。

ドラマ「ペク・ドンス」でも金光澤(キム・グァンテク)は登場。てペク・ドンスに剣術を教えています。

道家的な内丹術や、治療術も学びました。

若いころは武術に夢中で勉強は好きではなかったようですが、友人に後に学者になる朴趾源(パク・ジウォン)や李徳懋がいたので教えてもらっていたようです。李徳懋は親戚にもなります。

成長してからは学問にも力をいれるようになりました。

 

科挙に合格しても役職がもらえない

1771年(英祖47年)。白東脩(パクムンス)は科挙の武科に合格しました。

しかし肅宗のころから科挙が頻繁に行われ合格者の数が増えすぎて空いた役職がなかったこと、身分の低さが影響して役職につくことができませんでした。

1773年(英祖49年)。漢城を出て江原道基麟峡(現在の江原道麟蹄郡)に行き、農業や牧畜をして暮らしました。

正祖の時代に武官になる

1776年。正祖が即位。

正祖は王宮を守る荘勇営を創設しました。白東脩は正九品・副司勇武官として採用されました。

1787年(正祖11年)。集春営の哨官になりました。

1788年(正祖12年)。御営庁(資金護衛軍)哨官になりました。

1789年(正祖13年)。分守門将になりました。このころ「新しい武芸書を作成するように」と命令を受け、李徳懋や朴斉家とともに武家遺書「武芸図譜通志」を完成させます。

このころには訓錬主簿に昇進。

その後も武官を勤め、1792年には忠清道の県監を勤めました。県監は地方の役人です。現代の市長のようなものです。

1795年(正祖19年)。恵慶宮洪氏の生誕60年祭の年に荘勇営哨官に復帰。

1796年(正祖20年)。長興庫(紙や紙製品を取り扱う部署)の主簿に任命されました。

純祖の時代

1802年(純祖2年)。平安道博川の役人となります。

1806年(純祖6年)。領議政の李秉模(イ・ビョンモ)が汚職があったと主張、白東脩(ペクドンス)は流罪になって監視下におかれました。

1810年(純祖10年)に許されて軍器副正に任命されます。

1816年(純祖16年)。死去。享年74歳。

武官にとってはつらい時代

白東脩が本当に汚職をしたのかはわかりません。手柄をたてて有名になる武官がいると、たいていは濡れ衣を着せられて失脚させられます。

李氏朝鮮では武官の地位は低いので、あまり目立つような活躍をすると重臣たちから疎まれました。

朝鮮では民を守ることより反乱を防ぐことが優先されます。現代の日本みたいに文民統制が効きすぎて有能な武官が活躍しづらいのです。

また、純祖時代は正祖時代の政策をことごとく壊していった時代。正祖が育てた人材も潰されていきました。白東脩も濡れ衣の可能性が高いですね。

 

白東脩(ペクドンス)の登場するテレビドラマ

イ・サン

  2007年 MBC 演:キム・ソンシル
ラスト近くには護衛武官としてのペク・ドンスが登場。

ドラマ冒頭から登場するパク・テスもペク・ドンスをヒントに作られたキャラクターです。

ペク・ドンス

2011年 SBS 演:チ・チャンウク
ペク・ドンスを主人公にしたアクション時代劇。
正祖を守る護衛武士と正祖を暗殺しようとする刺客の戦いを描き人気になりました。

 

 

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