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如懿伝 79・80・81・82話のあらすじとネタバレ

中国ドラマ「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~79・80・81・82話のあらすじとネタバレ感想を紹介。

『如懿伝』79~82話では、凌雲徹の死と断髪を通して愛と忠義の終焉が描かれます。皇帝との決別、でもそれは如懿にとって自由を手に入れた瞬間でした。

この記事では第79話から82話までのあらすじとの見どころ・歴史的解説をまとめて振り返ります。

※この記事はドラマ『如懿伝』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

他のエピソードを見たい方は 如懿伝 あらすじネタバレ全話一覧 をどうぞ。

如懿伝の登場人物

  • 如懿(にょい)/皇后 演:ジョウ・シュン
  • 乾隆帝(けんりゅうてい) 演:ウォレス・フォ
  • 鈕鈷祿氏(ニオフルし)/皇太后 演:ヴィヴィアン・ウー
  • 海蘭(ハイラン)/愉妃(ゆひ) 演:チャン・チュンニン
  • 衛嬿婉(えい えんえん)/炩妃(れいひ)  演:リー・チュン

 

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如懿伝79話 あらすじ:凌雲徹が潔く死を受け入れる

凌雲徹は如懿との不義を疑われ皇帝の怒りを買い拷問を受ける。海蘭は如懿を守るため密かに凌雲徹を処刑する決断を下す。凌雲徹は潔く死を受け入れ、如懿の無事を願いながら息絶える。

 

皇帝の怒りと嬿婉の策略

皇帝は十二阿哥が如懿と凌雲徹の密通を目撃したと聞き激怒します。実際には嬿婉と進忠による巧妙な罠で、永璂の証言さえ操作されていました。如懿は濡れ衣を悟りますが、皇帝の猜疑を鎮める術はなく、凌雲徹は慎刑司に送られ苛烈な拷問を受けました。

海蘭の葛藤と決断

如懿は永璂を守ることを優先し、凌雲徹の救出を保留します。海蘭は如懿の窮地を察し、「彼が生きている限り如懿は救われない」と悟り、密かに慎刑司へ。凌雲徹は海蘭の意図を見抜き、如懿のために自ら死を受け入れました。

凌雲徹の最期

彼はかつて嬿婉に贈った指輪を返され、「雲」と「燕」の絆の終焉を悟ります。最期に「如懿様がご自愛くださるように」と言い残し、梅の香を嗅ぎながら静かに息絶えました。処刑法は「加官進爵」、紙で窒息させる残酷なものでした。

残された者たち

海蘭は如懿に真相を告げますが、如懿は「善意でも間違いは間違い」と静かに退けます。凌雲徹と海蘭という“心を理解した者”を失い、如懿は深い孤独と罪悪感に沈みました。

 

凌雲徹の死は如懿陣営の「最後の純粋さ」が失われた瞬間といえます。海蘭の行動は友情のためなのでしょうけど。如懿をさらに孤立させる結果となりました。皇帝と如懿の間に残るのは、信頼ではなく“沈黙”のみです。

 

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如懿伝80話 あらすじ:如懿、沈黙の南巡

凌雲徹の死から二年、如懿と皇帝の心は完全に乖離していました。二人は南巡の地・杭州に旅をします。しかし皇帝は嬿婉の仕掛けた遊女・水玲瓏に溺れ、如懿は愛の虚しさと権力の孤独を噛みしめます。

 

凌雲徹の死と静寂の二年

凌雲徹の処刑後、如懿は彼の夢に苛まれ、罪悪感に沈んでいました。容珮は永琪に命じて丁重に埋葬させましたが、如懿の心は癒えません。一方、嬿婉は突然、十四阿哥と十六阿哥を失い、母としての悲嘆に打ちひしがれました。これは運命の皮肉として、権力を得た彼女への代償のようでもありました。

南巡の決断

二年後、皇帝は久しく後宮を遠ざけたまま南巡を決定します。十二阿哥は両親の不和を自責し、如懿に随行を勧めました。海蘭の説得もあり、如懿は南巡への同行を承諾します。太后もこれを「夫婦修復の機会」と考え、同行を許しました。

杭州への旅

杭州に到着した如懿と皇帝は、かつての幸福な旅を思い出します。孤山の梅を見ながら如懿は「断橋は断たれずとも、肝腸は断たれ」と呟き、愛が過去の残響にすぎないことを悟ります。皇帝の沈黙は、かつての信頼を失った夫婦の距離を象徴していました。

嬿婉の誘惑策

皇帝が退屈を漏らすと嬿婉は進忠に命じて美貌の娘・水玲瓏を献上しました。西湖の夜、琴の音と舞の中で皇帝は魅了されます。翌朝、嬿婉はその成功を聞き、さらに数人の美女を選抜させました。この事件は密かに隠蔽されましたが、民間にまで噂が広まり傅恒もその異変を察知します。

如懿の知る真実

如懿は街で講談師が皇帝と水玲瓏の艶聞を語るのを耳にし、全てを悟ります。皇帝への信義を裏切るこの行為に激怒し、炩貴妃(嬿婉)を呼び出して厳しく糾弾しました。

「私は皇帝の妻として、あなたの罪を見逃さぬ」と宣言し、三宝に命じて炩貴妃を幽閉。皇后としての威厳を保ちながらも、如懿の瞳にはすでに愛の温度はありませんでした。

 

杭州での旅は仲直りではなく永遠の別れの始まりでしょう。如懿の心すでに冷え切って死んだも同然。皇帝も過去の幻を追うだけになっています。

 

 

如懿伝81話 あらすじ:如懿の断髪

皇帝が遊女・水玲瓏を寵愛したことで如懿はついに限界。御座船上で皇帝と決別、断髪します。それは愛の死と尊厳の宣言でした。皇帝は怒りに任せて如懿を幽閉し、嬿婉を皇貴妃に昇格させるのでした。

 

炩貴妃の罪と如懿の決断

如懿は炩貴妃(嬿婉)を閉じ込め、皇帝の裁きを待たせます。だが、皇帝が再び船上で遊女・水玲瓏と戯れているとの報告を受け、激怒。炩貴妃の仕業だと確信し、その場で死罪を命じようとします。進保は冷静に皇帝への上奏を勧め、如懿は御座船へ向かいました。

愛の終焉

船上では、皇帝が民間の女性らと遊興にふける姿がありました。如懿は全員を退かせ、二人きりで対峙します。皇帝は「宮廷外の自由に惹かれただけ」と弁解しますが、如懿は「それは帝王の放縦」と切り捨てます。彼女は中宮として皇帝の名誉を守ろうと訴えるも、皇帝は「威圧的で孝賢皇后にも及ばぬ」と非難。愛と尊敬の残滓が完全に壊れた瞬間でした。

断髪と 夫婦の終り

激論の末、皇帝は如懿を打ち、皇后廃位を宣告。如懿は冷然と髪飾りを外し、その場で自らの髪を切り落とします。
「断髪をもって弔う――かつての青櫻と弘暦に」
髪は満洲族にとって命と忠誠の象徴。自ら切ることは“死”と同義でした。如懿は、もはやこの愛も、生も、名も捨て去ったのです。

後宮の動揺

如懿の断髪は謀反に等しい行為でした。皇帝は怒りの勅を下し、如懿を翊坤宮に蟄居させ、嬿婉を皇貴妃に封じました。皇太后はこれを厳しく咎め、「清朝百年で皇后廃位は一度きり。再び行えば徳を失う」と戒めました。一方、嬿婉は功績を口実に進忠を絞殺し、己の罪を隠します。
如懿は宮に戻り、海蘭の声にも応じず、静かに沈黙の中へと歩みました。

 

様々な解釈のある断髪をここでは愛の終わり。二人の縁を切るという意味に解釈。この断髪によって如懿は皇帝から二度と埋められない距離を取り、「青櫻」に戻り自分を解放します。
一方、皇帝は愛を失い、権力と孤独の牢獄に閉じ込められます。

 

如懿伝82話 あらすじ:皇帝が世継ぎを決定

翊坤宮に幽閉された如懿は海蘭との別れを告げ、過去の絆を一つずつ手放していきます。一方、皇帝は五阿哥・永琪を栄親王に封じ密かに世継ぎに定めます。愛と忠義が枯れゆく中、如懿は枯れた緑梅を見つめ、ついに心の自由を悟ります。

 

翊坤宮の孤独

幽閉から月日が流れ、如懿は海蘭との面会を拒みます。かつての友情を守るため、あえて距離を取る。それが如懿の最後の優しさでした。容珮に香袋を返し、「十二阿哥と五阿哥を頼む」と言い残します。
宮中では嬿婉が権勢を強め、如懿の侍従たちは次々と追い払われ、翊坤宮は荒涼とした廃宮のようになっていました。

海蘭の来訪と友情の終焉

永琪の嘆願により、皇帝は一度だけ如懿の見舞いを許します。
海蘭は如懿の前で涙を堪え、「あなたが私を忘れても、私は一生あなたを忘れません」と告げます。
如懿は静かに「私たちは隔たってなどいません。ただ、それぞれの道を歩む時が来たのです」と答え、手を握りしめます。
二人の友情は、涙ではなく“沈黙の理解”によって結ばれました。

芸角の葛藤と嬿婉の毒

一方、嬿婉は病弱な五阿哥を利用しようと画策。侍女の芸角に毒薬を渡し、五阿哥の命を奪えば母の仇が討てると唆します。芸角は迷いながらも、看病を続けるうちに愛と憎しみの境界を見失い、ついには毒を地に捨てました。
この場面は、復讐が愛に溶けて消える“心の救済”を象徴しています。

枯れた緑梅と如懿の悟り

翊坤宮で如懿は、皇帝がかつて贈った緑梅の枯枝を見つめます。
「この梅が生き返ることはない。けれど、私はようやく自由になれた」
夢に現れた叔母に、「家の栄誉より、心の安らぎを選ぶ」と答え、過去の執着をすべて断ち切ります。
その頃、五阿哥は如懿を気遣い、三日ごとに花と白檀を贈っていました。

世継ぎの密詔

政務の場では、皇帝が永琪の功績を称え、栄親王に封じます。
そして「正大光明」の額の裏に、密かに永琪を皇太子と定める詔書を隠しました。
愛する者を遠ざけ、信じる者を疑い続けた皇帝が、ようやく“次代”に自らの運命を託した瞬間でした。

この回は大きな激突がほとんどなく静かな展開でした。如懿が「愛・家・名誉・友」を手放すことで、ほんとうの意味で自由になる過程の描写です。それが如懿にとっての心の救いだったのかもしれません。

 

歴史・文化の解説

南巡と乾隆帝 

乾隆帝は実際に六度の南巡を行いました(最初は1751年)。目的は江南の富裕層・文人との融和と治世の安定を誇示することでした。康煕帝も清朝の統治の安定のために巡幸を行っています。

しかし乾隆帝の南巡は過去の皇帝よりも贅沢な旅になっていて、『清実録』によると、各地の行宮では宴席・詩会・民情視察が行われました。莫大な経費を使い、後に「名誉の浪費」とも批判されました。

ドラマでの杭州滞在はこの贅沢な旅を舞台に皇帝の精神的な虚しさを表現しているようです。

 

満洲族の髪と断髪の禁忌

清朝では「薙髪留辮(ていはつりゅうべん)」前髪を剃り辮髪を結うことが民族的誇りとされ、
髪を切る行為は“忠誠を絶つ”あるいは“死者に殉ずる”意味を持ちました。

『大清律例』では断髪は「大喪時のみ可」とされ、それ以外は不敬罪に問われます。つまり謀反も同じ。如懿も満洲人ですからもちろんこの決まりは知っています。そのうえでの断髪ですから。死をも覚悟しての行いだったのでしょう。

歴史上の継皇后がなぜそこまでの行いをしたのかはわかりません。でもドラマにあるように、長年の不満や苦労が重なり、この南巡でついに切れてしまったのかもしれません。

 

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執筆者:フミヤ(歴史ブロガー)
京都在住。2017年から韓国・中国時代劇と史実をテーマにブログを運営。これまでに1500本以上の記事を執筆。90本以上の韓国・中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを史料(『朝鮮王朝実録』『三国史記』『三国遺事』『二十四史』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。類似サイトが増えた今も、朝鮮半島を含めたアジアとドラマを紹介するブログの一つとして更新を続けています。

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