展昭(てん・しょう)とは中国の小説に登場する架空の人物。
三俠五義(さんきょうごぎ)という清朝時代に書かれた小説に登場します。
武術の達人。正義感が強く、持ち前の武術で悪人を倒し困っている人を助ける「任侠」です。劇中世界では有名な三俠のひとり「南俠」と言われました。
宋時代の名裁判官として有名な包拯(ほうじょう)と出会い。何度か彼を助けました。展昭を気に入った包拯から誘われ開封府で働きます。
もともとは清朝時代の小説「三俠五義」に登場する人物でしたが。人気になって様々な作品に登場するようになりました。
現在でも小説・ドラマ・映画など実在の人物に混ざって登場。展昭が実在したと思ってる人もいるかも知れません。
この記事では小説「三俠五義」に登場する展昭の本当の姿について紹介します。
展昭の元ネタ 三俠五義(さんきょうごぎ)とは
三俠五義(さんきょうごぎ)とは清朝時代に石玉崑が書いた小説。
北宋の役人・包拯(ほうじょう)と彼とともに悪を倒す任侠が活躍します。包拯による裁判の部分と任侠たちが活躍する武侠物をあわせたような内容。というより、三俠五義から古典的な武侠小説が始まったといわれます。
3組(4人)の侠客と5人の義士が登場するから三俠五義といわれます。
後に追加されて「七俠五義」になりました。
正確に3人や5人でないこともあり、吉数の3、5や7に合わせているだけでとくに数に意味はないです。
展昭とは
名は展昭(てん・しょう)
字は熊飛(ゆうひ)
北宋時代(真宗から仁宗の時代)の人物。
出身は 常州府武進県遇傑村(現在の江蘇省)
という設定。
三俠五義(七俠五義)の登場人物。
三俠のひとり。「南俠」
宋の開封府の責任者・包拯を助けて活躍します。
展昭は若いころ、正義のために各地で剣を振るって戦う侠客でした。江南に長く住んでいたため「南俠」と呼ばれました。
成長した展昭は役人になる前の包拯と出会い、一緒に金龍寺の悪僧を倒しました。その後、包拯が役人になった後も何度か包拯を助けました。感動した包拯は皇帝に紹介。展昭は御前四品帯刀侍衛に任命されました。
(ただし、御前四品帯刀侍衛は清朝時代の役職。名前通り皇帝直属の警備隊。清朝ドラマではニ等侍衛と呼ばれることもあります。御前四品帯刀侍衛という役名は宋時代にはありません。似たような役目はあります)
開封府に所属して「展護衛」と呼ばれることもあります。
後に 丁月華 と結婚。
展俊という兄と展雲という妹がいます。
いつ死んだのかは不明。
武術の達人
もともと江南にいたときから武術の腕前は有名。
軽功が得意で、剣の達人。
展昭の武術の腕前は北方の任侠・欧陽春(架空の人物)と並ぶほど有名になりました。
剣術・隠し矢・軽業の達人。特にその身軽さによって皇帝から「御猫」のあだ名を与えられました。
登場作品
展昭は「三俠五義」という小説に登場する架空の人物です。でも現実と空想の区別があいまいな中国では実在の人物と同じように扱われていて。「三俠五義」以外でも数多くの小説・映画・ドラマ・演劇等に登場します。
日本で公開されたドラマには次のようなものがあります。
ほぼ包拯とセットででてきます。
開封府〜北宋を包む青い天〜
2017年、中国 演:季晨
包拯を助ける護衛。ほぼ「三俠五義」の設定のまま。
高潔なあなた
2020年、中国 演:呉希澤
こちらでは展昭が主役で包拯が上司の設定。
「三俠五義」では包拯の弟分のような存在で世代もあまり変わりませんが。「高潔なあなた」では若く設定されています。「三俠五義」の設定を残しつつ、さらに活動範囲が広がっています。
コメント