中国ドラマ「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」71・72・73・74話のあらすじとネタバレ感想を紹介。
乾隆帝が寒香見に執着。如懿は愛想をつかしつつも皇后としての役目を全うしようとするのですが。
この記事では第71話から74話までのあらすじと歴史的解説をまとめて振り返ります。
※この記事はドラマ『如懿伝』のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
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如懿伝71話 あらすじ:寒香見の入内で後宮に波紋
要約
皇帝の執着が宮中を狂わせる
乾隆帝は寒香見のご機嫌をとろうとますます彼女に夢中になりました。寒香見の故郷の衣装や料理を整え、侍女まで呼び寄せる徹底ぶりでした。だが彼女は許嫁だった寒企の死を許さず、心を閉ざしたままでした。
永璋の諫言と父子断絶
一方、純貴妃の病状が悪化する中、永璋は宮外に広がる「寒香見は妖女」との噂を皇帝に報告します。忠義ゆえの諫言でしたが皇帝は激怒。永璋を杖で打ち据え、重傷を負わせてしまいます。母・純貴妃は息子の傷を聞き、悲嘆のあまり倒れました。
寒香見の密かな期待
純貴妃は豪雨の中で膝をつき永璋の赦免を嘆願します。しかし皇帝は心を閉ざし、容赦なく罵倒しました。如懿と愉妃が駆けつけて説得しますが、皇帝は寒香見への執着をやめようとしません。ついに妃嬪たちが翊坤宮の前に集まり、寒香見の追放を求めてひざまずきました。
如懿の冷静な諫言により皇帝はようやく心を和らげました。純貴妃を皇貴妃にすると永璋の罪を赦します。
しかし寒香見は自分を追い出そうとする動きを密かに喜び、心の中で自由を夢見ていたのでした。
如懿伝72話 あらすじ:如懿が寒香見を説得
要約
純貴妃が死を前に永璋の赦免を願う
如懿は皇帝の心が寒香見に傾き切っていると悟り妃嬪たちに諦めを促します。純貴妃は死期が近いことを覚悟。覚悟し息子・永璋の赦しを最後の願いとしします。そんな彼女に如懿は慰めの言葉をかけることしかできませんでした。
やがて純貴妃は息子を想いながら息を引き取りました。如懿は皇貴妃の衣を着せて葬儀を行います。三か月後、永璋も後を追うように亡くなり皇帝は悲嘆に暮れて酒に溺れました。
乾隆帝が寒香見への執着を深める
乾隆帝は寒香見を自分のものにしようと焦りますが、寒香見は冷たく拒絶。彼女は寒企への想いを絶ち切れず、自傷までして抗いました。
皇帝は如懿に寒香見を説得するよう懇願します。如懿は仕方なく寒香見を説得。彼女の心に寄り添い寒企との愛を尊重しつつも「生きることもまた愛を貫く道」と諭します。寒香見は次第に心を開き、ようやく食事を取るようになりました。
如懿の心が乾隆帝から離れ始める
如懿は寒香見を説得した帰り道、かつて皇帝と笑い合った日々を思い返します。かつての情熱は消え失せ、今、あるのは変わり果てた現実だけでした。
寒香見の容体回復を聞いた皇帝は大喜び。乾隆帝は寒香見の一族を宮中に招き、寒部の衣装をまとってま彼女の歓心を買おうとします。でもそれは如懿にとって、もはや愛ではなく執念と見えるのでした。
如懿伝73話あらすじ:如懿は乾隆帝に愛想が尽きる
要約
皇帝、寒香見を容貴人に封じる
皇帝は宝月楼で寒香見を正式に容貴人に封じ、彼女の一族を引き合わせて恩寵を示しました。妃嬪たちは冷ややかに場を去り、如懿はただ一人残って皇帝の着替えを手伝いますが、皇帝は浮かれた様子で寒部の衣装をまとい、如懿の忠告を聞き入れません。
その後、皇帝の命で郎世寧が肖像画を描くために現れ、如懿は自らの存在がもう皇后としての象徴にすぎないことを痛感します。
太后が容貴人に不妊の湯薬を飲ませる
やがて太后は、容貴人がもし懐妊すれば宮中が再び乱れることを恐れ、如懿に「子を産めなくする薬」を容貴人に飲ませるよう命じます。如懿は皇帝への忠義と太后への服従の間で苦しみながらも、ついにその命に従いました。容貴人は自ら望んで薬を飲み干し、静かに涙を流します。
乾隆帝の怒りと権限を失った如懿
真相を知った皇帝は激怒。如懿を平手で打ちますが太后が制止に入り、容貴人の自発的な行為だったと明かします。直後に炩嬪が十五阿哥を出産した報せが入りました。皇帝は炩嬪を炩妃に容貴人を容嬪に昇格させる一方で、如懿から六宮の統轄権を剥奪。
皇帝の愛を完全に失った如懿はただ静かに宮中の片隅で佇むのみでした。
如懿伝74話 ネタバレとあらすじ
要約
炩妃が孝賢皇后の名を利用して策を練る
皇帝は永璂の誠実な人柄に満足しますが、永琪の才気と比較し、無意識に差をつけてしまいます。如懿は息子を慰め、清廉を貫くことの大切さを諭しました。
その頃、炩妃は孝賢皇后の名を利用して如懿を失墜させる策を練り、婉嬪に皇帝の祭文を書き写させます。婉嬪の労苦は報われ、皇帝の目に留まり寵愛を受けますが、その背後には炩妃の周到な計略が潜んでいました。
皇帝は孝賢皇后の美徳を称え、その冊子を後宮と臣下に配布するよう命じます。宮中では如懿が皇后として「孝賢皇后に及ばぬ」と噂され、孤立を深めていきました。愉妃は炩妃の陰謀を察知し、如懿に皇帝への弁明を勧めますが、如懿は沈黙を貫きます。
如懿と乾隆帝の溝が決定的に深まる
ついに如懿と皇帝は永璂の教育をめぐって衝突し、皇帝は怒りに任せて永璂を愉妃の宮へ移すよう命じます。如懿は冷ややかに立ち去り、両者の関係は完全に崩壊しました。婉嬪は自らの行動を悔い、炩妃の命令であったと如懿に謝罪しますが、如懿の心はすでに静かに遠ざかっていました。季節は夏に変わり、木蘭の巡幸を前に後宮の勢力図も再び動き出します。
史実と考察
史実解説:寒部のモデルは回部(ウイグル)
劇中の「寒部」は、史実では回部(現・新疆ウイグル地域のイスラーム系民族)をモデルとした架空の部族と考えられます。
乾隆年間、清朝は西域を制圧。回部の有力者ホージャ家の娘が「人質」として北京に送られました。彼女は後に伝説化された「香妃(容妃)」のモデル。異国の香りをまとう美姫として数多くの物語に描かれます。
『如懿伝』の寒香見も明らかにこの香妃伝説を踏まえた人物で、異文化の象徴として登場します。ただし、作中では「回部」や「ウイグル」といった実名を避け、「寒部」という曖昧な名称に置き換えられています。
これは現代中国の映像作品が民族・宗教・新疆問題への直接言及を避けるための政治的配慮です。寒香見の存在は、如懿の中原的価値観と鮮やかな対照をなし、清朝の「異民族統治」という時代背景を象徴的に映し出しています。
考察:愛を失っても自分の尊厳を守った如懿
間違っていない如懿が罰を受けるのはなぜ?
71から74話では愛が壊れ、乾隆帝の権力が崩れました。乾隆帝が寒香見に夢中になるのは、一見するとただ愛に溺れているように見えます。でもこれは支配できないものを支配しようとする焦りのように思えます。
皇太后は乾隆帝の暴走を止めるため、寒香見に子ができない薬を飲ませました。如懿は命令を伝えただけで、自分がそうしたいわけではありません。寒香見もそれを受け入れました。それなのに乾隆帝の怒りはなぜか如懿に向かい、彼女は立場を失ってしまいます。
乾隆帝は何に怒ったのか?
乾隆帝の怒りは実は自分の力のなさに腹を立てたからからではないでしょうか?愛する人の心は得られないし、皇太后の介入も防げない。絶対的な存在のはずの皇帝が現実に負けてしまったわけです。
その苦しみを一番近くで見ていたのが如懿。無様な皇帝をそばで見ていた証人が如懿です。だから皇帝は彼女を罰して自分の情けない姿から目をそらそうとしたのではないでしょうか。
結論
如懿は屈辱を受けても言い返さず静かに耐えました。彼女は言いなりになったわけではありません。自分が「正しい」と思う事を選んだ。彼女は権力にも愛にも頭を下げない。愛を失った如懿が守ったのは「人間としての尊厳」だったのではないでしょうか。
如懿伝の登場人物
- 如懿(にょい)/皇后 演:ジョウ・シュン
- 乾隆帝(けんりゅうてい) 演:ウォレス・フォ
- 鈕鈷祿氏(ニオフルし)/皇太后 演:ヴィヴィアン・ウー
- 海蘭(ハイラン)/愉妃(ゆひ) 演:チャン・チュンニン
- 金玉妍(きんぎょくけん)/嘉妃(かひ) 演:シン・ジーレイ
- 衛嬿婉(えい えんえん)/炩妃(れいひ) 演:リー・チュン
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