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魏叔玉の史実・長歌行で李世民の娘に恋した男は結局どうなった?

唐朝 5.4 隋唐 臣下・人々

魏叔玉(ぎ・しゅくぎょく)は7世紀の唐の役人。

魏叔玉は中国ドラマ「長歌行」でヒロイン・李長歌に思いを寄せる生年として描かれます。彼の爽やかな笑顔と一途な姿に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。

そんな魏叔玉ですが、歴史上の人物としても知られています。

ドラマでは若く才能ある文官として描かれる魏叔玉。しかし、史実の魏叔玉は、唐の宰相・魏徵の長男であり、父の影響もありながらドラマとは異なる道を歩みました。

この記事では魏叔玉の生涯、そしてドラマとの共通点や相違点などを紹介します。

この記事のポイント
  • ドラマ「長歌行」の魏叔玉をより深く理解できます。
  • 歴史上の人物としての魏叔玉の生涯を知ることができます。
  • ドラマと史実のギャップを楽しむことができます。

魏叔玉に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

 

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魏叔玉の史実

どんな人?

生年月日:不明
没年月日:不明

姓 :魏(ぎ)氏
名称:叔玉(しゅくぎょく)

国:唐
称号:鄭国公

父:魏徵
母:不明
妻:房氏

子供:有り

日本では飛鳥時代になります。

 

おいたち

魏叔玉(ぎ・しゅくぎょく)の生年は不明。

父は魏徵(ぎ・ちょう)。
皇太子 李建成の側近を勤めていました。

魏叔玉は魏徵の長男です。

626年(武徳9年)。秦王 李世民が玄武門の変で皇太子・李建成を殺害。魏徵は李世民を批判しました。しかし李世民は魏徵の率直さを高く評価。

李世民が即位した後、魏徵を諫議大夫へ昇進させました。魏徵はその後も秘書監・侍中などを務めました。魏徵は太宗 李世民を遠慮なく叱ることで有名で。太宗もそんな魏徵を信頼していました。

 

唐太宗の娘・衡山公主と婚約

643年(貞観17年)。父の魏徵が重い病になりました。唐太宗は見舞いのため、太子・李承乾と嫡女である衡山公主(後の新城長公主)を連れて魏徵の家を訪れました。

唐太宗は病床の魏徵を見て、涙を流しながら魏徵に何か望みがあるか尋ねました。すると魏徵は「妻のことは心配していませんが。

ただ皇室の存亡を心配しております」と答えました。太宗は非常に感動して魏叔玉に朝散大夫の位を授け、牙笏を贈り、同行してきた衡山公主を魏叔玉の妻にすると決めました。そして太宗は魏徵に向かって衡山公主を指差しながら「魏公、目を開けてあなたの嫁を見てください」と言いました。しかし魏徵は既に昏睡状態に陥っていたので自分でお礼を言うことができませんでした。

父・魏徵の死後。魏叔玉は父の爵位だった「鄭国公」を受け継ぎました。

 

公主との婚約破棄

しかし魏徵が亡くなった後。太宗の周りには魏徵を妬み、彼を中傷する人々が多くいました。

貞観17年。皇太子・李承乾の謀反が失敗。謀反に加担した侯君集が処刑され、かつ太子を教育した杜正倫も連座で驩州に流されました。

魏徵はかつて侯君集と杜正倫を太宗に推薦。宰相の素質があると言っていました。魏徵は生前、侯君集や杜正倫と共謀していたという噂が流れました。

すると太宗も魏徵が侯君集たちと結びついているのではないかと疑い始めます。さらに魏徵は自分の諫言を史官の褚遂良に書き留めさせていましたが、太宗はこれを知るとますます不満を抱きました。

そこで太宗は衡山公主と魏徵の長男・魏叔玉の婚約を取り消しました。

その後、魏叔玉は房氏と結婚。

 光禄少卿(従四品)。宮中の食事・酒や食器類を手配・管理する部署の次官(長官の次に偉い人)になりました。

従四品は決して低い地位ではなく世間の人々から見れば高い地位です。でも、縁故や家柄で出世が決まる時代なのを考えれば魏叔玉はあまり優遇されているとはいえません。

やはり魏徵の死後、彼の評判が貶められたことと関係しているのでしょう。

その後の魏叔玉も目立った功績やエピソードはありません。とくに目立つことのない臣下として生涯を終えたようです。

でも爵位の「鄭国公」は魏叔玉の息子にも引き継がれました。諸侯としての立場は守られたようです。

 

「長歌行」の魏叔玉

長歌行 2021年、中国 演:方逸倫(ファン・イールン) 役名:魏叔玉

東宮に仕える重臣・魏徵の息子。魏叔玉の役職は監察御史。
ヒロインの李長歌や李楽嫣とは幼馴染み。

ですが李長歌に恋をしており、楽嫣は妹のように思っていました。「玄武門の変」によって、皇太子・李建成は殺され、李長歌はお尋ね者になってしまいます。

魏叔玉は皓都に脅されて魏家を救うために李長歌の捜索に協力することになります。

史実とドラマの主な違い

  • 性格: 史実の魏叔玉は父親の影に隠れ目立った活躍はしていません。ドラマでは長歌の幼馴染として登場。彼女に思いを寄せるなど、より積極的で魅力的なキャラクターとして描かれています。
  • 長歌との関係: 史実では長歌のモデルになった定襄縣主との関係は確認されていません。でもドラマでは長歌の幼馴染で、彼女を支える存在として重要な役割を果たしています。
  • 政治的な立場: 史実では魏叔玉の政治的な立場は曖昧です。ドラマでは李世民が良く描かれているせいか、李世民よりの立場に描かれています。

 

まとめ

魏叔玉は唐の宰相・魏徵の息子として実在する人物ですが、ドラマ「長歌行」では史実とは違うえ描かれ方をしています。

史実では宰相・魏徵が太宗 李世民に気に入られたことから太宗の娘・衡山公主と婚約。父の死後に重臣たちの誹謗中傷にさらされたり、侯君集との関係を疑われて婚約は破棄されてしまいました。

ドラマ「長歌行」における魏叔玉は史実をベースにしながらも、フィクションとしての魅力を最大限に引き出したキャラクターと言えます。

 

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