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拓跋濬(たくばつ しゅん)若くして世を去った北魏の文成帝

6.1 北朝・魏・周・斉

 

中国ドラマ「王女未央」に登場する拓跋濬(たくばつ しゅん)は北魏の皇帝・文成帝(ぶんせいてい)です。

文成帝が即位する前は北魏が混乱していた時代でした。若くして皇帝になった文成帝は戦争で疲れた国を回復させます。

妃はドラマ「王女未央」で馮心児のモデルとなった文成文明皇后(馮太后)。

史実の拓跋濬(たくばつ しゅん)はどんな人物だったのか紹介します。

 

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文成帝 拓跋濬(たくばつ しゅん)の史実

生年月日:440年
没年月日:465年6月20日
在位期間:452~465年

名前:拓跋 濬(たくばつ しゅん)
称号:文成帝(ぶんせいてい)
父:拓跋晃(たくばつ こう)
母:閭氏
妃:文成文明皇后(馮太后)
 孝元皇后
 李貴人(文成元皇后)
 その他

子供:献文帝 拓跋弘
ほか多数

拓跋 濬は北魏の第4代皇帝・文成帝です。

いつの時代?

北魏は古代中国の五胡十六国時代から南北朝時代に存在した国。

三国志で有名な魏(曹魏)と区別するために北魏または元魏と呼びます。

漢や三国志時代の後、隋・唐の前の時代です。このころの中国大陸は統一された強い国がなく、いくつかの国に分かれて争っていた時代でした。

日本では古墳時代。正確な年代はわかりませんが、大和朝廷の勢力範囲を拡大した仁徳~雄略天皇の世代に近いようです。河内(大阪府)で大きな古墳が作られていた時代です。

朝鮮半島では高句麗・新羅・百済が争っていた時代でした。

440年に生まれました。父は北魏の皇太子・拓跋晃(たくばつ こう)。母は閭氏。

452年。宦官の宗愛(そう あい)が太武帝を殺害。さらには東平林王・拓跋翰を殺害しました。

宗愛は南安王・拓跋余(たくばつ よ)を皇帝にしました。

しかし拓跋余も横暴な宗愛に嫌気がして宗愛の暗殺を計画しました。しかし計画がばれて拓跋余は宗愛に殺害されました。

尚書の陸麗(りく れい)、羽林郎中(近衛団長)の劉尼(りゅう じ)、殿中尚書の源賀(げん が)たちが宗愛を殺害。元皇太子の息子・拓跋濬をかついで皇帝にしました。

拓跋濬の父・拓跋晃は太武帝の皇太子でした。しかし若くして病死していました。

拓跋濬は亡き皇太子の長男として皇位を受け継ぐのにふさわしいと思われていたのです。

 

文成帝の時代

452年。文成帝・拓跋濬(たくばつ・しゅん)は14歳で家臣たちに担がれる形で皇帝になりました。源賀たちの補佐で政治を行いました。

源賀の提案で刑罰の乱用をやめ、民衆の負担を減らしました。戦争をしばらく止めて開墾を進め戦争で疲弊した国の力を回復させました。

太武帝が行っていた仏教弾圧を止め、仏教を普及させました。

石華という者が源賀の謀反を訴えてきましたが、文成帝は信じませんでした。謀反は嘘だと証明されました。

柔然との戦い

文成帝はあまり戦争をしませんでしたが、国境を接する柔然(じゅうぜん:遊牧民族)を攻撃したことがあります。柔然は太武帝の代から争っていた民族でした。

458年。文成帝は10万の騎兵と15万の車を率いてゴビ砂漠を渡り、柔然を攻めました。柔然の王・吐賀真(とかしん)は逃亡。柔然の烏朱駕頽は数千の民衆を率いて北魏に降伏しました。文成帝は功績を記念して石碑を建て帰国しました。

仏教を保護

太武帝の時代は道教を信じていたので仏教は弾圧していました。

しかし文成帝は仏教の弾圧を止め、仏教を保護しました。国民をまとめるのに仏教が必要だと思ったようです。沙門統の提案を認め、雲崗石窟を作らせました。雲崗石窟は断崖を削って作られた巨大な石仏で世界遺産にもなってます。北魏における仏教再興のシンボル的存在になりました。

北魏で発展した仏教は高句麗を経由してやがて日本にも伝わりました。法隆寺の釈迦三尊像や飛鳥大仏など。アルカイックスマイルが特徴的な飛鳥時代の仏像は北魏の仏像の影響があるといわれます。

早すぎる死

465年。死亡。26歳という若さでした。死因はよくわかっていません。

文成帝の死を悲しんだ文成文明皇后は、文成帝を火葬する火に飛び込んだといいます。しかしすぐに助け出されたので文成文明皇后は無事でした。

文成文明皇后が後に女帝といえるほど力を持ちさらに北魏を発展させます。

ドラマ

・北魏馮太后 2006年、中国、演:リー・グアンジエ

・王女未央-BIOU- 2016年、中国、演:ルオ・ジン

 

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