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与君歌:鞍王 斉溶のモデル 安王 李溶の実話

鞍王のモデル 安王 李溶 2 ドラマ人物

 

「与君歌」の鞍王・斉溶は、物語の中では無気力で遊び好きな皇子として描かれます。

でも鞍王は仇子梁と武宗 斉焱の権力争いの中で重要な役割を果たすキャラクターです。

斉溶のモデルは唐の皇族 安王 李溶。彼もまた政治の争いに巻き込まれた人物でした。

この記事では「与君歌」の鞍王・斉溶と、彼のモデルになった安王 李溶の史実を紹介します。

 

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鞍王・斉溶とは

政治に無関心な皇子

中国ドラマ「与君歌」に登場する鞍王 斉溶は、政治に無関心で遊び好きな人物として描かれています。彼は怠惰であり、仇子梁に利用される存在です。コオロギが好き。

 

仇子梁の手駒となる存在

鞍王 斉溶は大宦官 仇子梁の野望を実現するための道具として扱われています。

仇子梁は武宗 斉焱が従わないときには斉溶を皇帝にしようと考えています。

鞍王が登場する場面

鞍王は物語の後半に登場。特に仇子梁の野望が本格的に動き出すあたりから重要な役割を果たします。彼が仇子梁に幽閉されると。鞍王を救出するために武宗たちも動くことになります。

しかしドラマ終盤。仇子梁の圧力で皇太弟になってしまうのですが……

ドラマの中の鞍王の意味

鞍王が生きていれば仇子梁に利用され、武宗の代わりに皇帝にされる可能性が出てきます。

かといって武宗としては鞍王を殺すわけにはいきません。鞍王もまた仇子梁の被害者なのです。多くの血が流れてきたのを見ている武宗としては、これ以上犠牲者を出したくないという思いはあるでしょう。

鞍王の存在で物語はますます複雑化、緊張感が高まります。

 

唐の鞍王 李溶

鞍王 斉溶のモデルになったのは唐の安王 李溶(り・よう)

李溶は813年に生まれました。

安王 李溶は、唐の15代皇帝 穆宗(ぼくそう)の第八皇子。

母は穆宗の側室・楊賢妃。

李溶の幼少期は特に注目を浴びることもなく過ごしました。ところが821年、父穆宗が彼を「安王」にしたことで彼の運命は大きく変わります。

 

安王が生きた唐の時代
李溶が生まれた813年の唐といえば、安史の乱が終わって60年(つまり麗王別姫から60年余り)が経っていました。唐はますます弱体化。各地では藩鎮(はんちん)と呼ばれる武装集団が力を持ち地方を支配。朝廷では宦官たちが皇位争いに介入。宦官たちが力をつけていました。

この歴史的背景はドラマ「与君歌」でも再現されています。

 

権力争いの中での成長

安王 李溶には何人か異母兄がいます。

一番上の兄は景王 李湛(第16代皇帝 敬宗)
他にも
江王 李涵(第17代皇帝 文宗)
潁王 李瀍(第18代皇帝 武宗)

などがいます。そのため彼の生涯は権力争い

穆宗の死後、 李湛があとをついで第16代皇帝 敬宗になったまでは良かったのですが。19歳で宦官に暗殺されてしまいます。

宦官たちが次の皇帝にしたのが江王 李涵。文宗でした。

文宗は宦官の力を排除しようとしたものの失敗。それが甘露の変です。

詳細はこちら。
甘露の変:唐 文宗皇帝の時代に起きた宦官排除作戦の失敗とは

ドラマ「与君歌」では「朝露(ちょうろ)の変」と呼ばれる事件のモデルになったできごとです。

「8年前」「朝露の変」はドラマでも重要なキーワードです。

文宗の後継者に急浮上

文宗の子・李永が死亡したことで後継者争いが起きました。

文宗は相次いで子を失ってしまいます。

このとき楊太妃(賢妃)は安王 李溶を皇太弟にしようと画策。一部の重臣たちの支持も得ました。しかし宰相の李珏が反対。兄・敬宗の子 陳王 李成美が皇太子になりました。

840年。文宗が重病に陥ると、宦官の仇士良(きゅう・しりょう)は勅書を偽造、皇太子 李成美を廃して潁王 李瀍を皇太弟にします。

文宗の死後、李瀍が即位。武宗となりました。

政争の犠牲になった安王 李溶

仇士良は武宗を即位させた手柄でますます力を持ちました。

仇士良は武宗に楊賢妃・李溶・李成美を自害させるよう指示。

武宗は仇士良に言われるがまま、楊賢妃・李溶・李成美を賜死の命令を出します。

仇士良は神策軍という皇帝直属軍を支配下にもっています。神策軍はもともと皇帝を守るための軍隊なのですが、宦官によって皇帝を支配するための武力になっていました。

840年2月12日。李溶は28歳でこの世を去りました。

彼の葬儀は京兆府の万年県で行われ、李溶の存在は政治的な悲劇の一幕として記憶されることとなりました。

唐の後半は皇帝が力を失い宦官が権力を持っていた時代でした。もとはといえば安史の乱の後、藩鎮を抑えるために宦官に力を与えたのが始まりでしたが。このころには皇帝にもどうにもできないほど宦官は力を持っていたのです。

宦官の介入によって皇位争いも複雑で陰湿なものとなり。何人もの皇族が犠牲になり、皇帝が命を失うこともありました。

安王の死は、唐の王朝内の権力闘争の一つの象徴ともいえるかもしれません。

ドラマの鞍王はどうなる?

史実では安王 李溶は仇士良の指示により武宗の命令で処刑されました。

史実通りなら武宗 斉焱が即位していきなり鞍王が殺害されるところですが。

鞍王 斉溶では逆に 仇子梁の手駒として使われ、武宗斉焱の代わりに皇帝にしようという動きが出てきます。

今のところ鞍王の命は無事です。

でもモデルの安王 が若くして亡くなっているだけに鞍王も心配ですね。

 

 

 

 

 

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