ドラマ「大唐女法医」は唐の時代が舞台の時代劇。
検視人のヒロイン・冉 顔(ぜん・がん)がエリート捜査官の蕭 頌(しょう・しょう)たちとともに事件解決に挑みます。
3角関係のラブストーリーとミステリー風の謎解きも楽しめるドラマです。
ヒロイン・冉 顔(ぜん・がん)は唐では珍しい女性の検視人。
本当にこのような人がいたのでしょうか?
冉 顔はいったどのような人物なのか紹介します。
原作は「金玉満唐」という小説
ドラマ「大唐女法医」のもとになったのは中国の小説「金玉満唐」です。
内容は中国や韓国によくあるタイムスリップものです。
ヒロインの冉顔は現代の法医学者。現世で誤って殺されて唐の貞観年間に転生しました。だから合理的な考え方や法医学の知識も現代人のもの。
女性ながら検視の知識と技術をもつ冉顔は唐の時代で行きてくため検視人になるため弟子入りして知識を身に着けたということにします。
そしてドラマのように蕭 頌(しょう・しょう)たちと出会ったり、皇子たちの争いがあったして事件に巻き込まれます。
原作小説では冉顔は蕭頌が結婚して子供ができます。
ドラマ「大唐女法医」では現代人がタイムスリップした。という部分をバッサリカットしました。そして唐で生まれ育った人物として設定。
主人公の家族関係もドラマオリジナル。
原作とは変更された部分が多く、別のドラマみたいになってます。
ドラマの 冉 顔(ぜん・がん)
ドラマでも冉顔は几帳面で論理的・女性でも経済的な自立が必要と考える唐の時代の人らしくない現代的な考えの持ち主です。
ドラマの 冉 顔(ぜん・がん)は蘇州の名門・冉家の長女です。
ところが幼い頃に母が謎の死をとげてしまいます。遺体もどこにあるのかわかりません。
冉顔(ぜん・がん)は継母の高氏からは疎まれて離れの家で生活させられます。父親も母の死後は冉顔を遠ざけるようになりました。別宅で侍女とともに暮らしています。
母の死因を突き止めるために6歳で検視人・呉修和(ご・しゅうわ)に弟子入りして知識と技術を学びました。
当時の唐では検視人は卑しい仕事です。若い女性が死体に触るなんてあってはなりません。名家のお嬢さんならなおさらです。でもそれでも冉顔(ぜん・がん)はそれでも母の死の真相を知りたかったのでした。
やがて冉顔(ぜん・がん)は師匠の呉修和以上の検視人になります。
継母に「薬問屋の蘇家の庶子(次男)」と無理やり結婚させられそうになりました。それが嫌で逃げていました。
刑部侍郎の蕭頌(しょう・しょう)と出会い、雇われ検視人になります。蕭頌からは「小狐」(中国版では 狐狸)とあだ名されます。ところが蕭頌(しょう・しょう)は好きなのに相手に冷たくしてしまうタイプ。蕭頌は皇帝・りせの命令で「隋侯の珠」という秘宝を探していました。
事件を解決していく途中で何度となく謎の男・蘇伏(そ・ふく)に助けられます。やがて蘇伏に惹かれる冉顔。
ところが蘇伏が親の決めた結婚相手「蘇家の庶子」だと知ります。
蕭頌(しょう・しょう)に冷たくされ、久しぶりに実家に戻った冉顔(ぜん・がん)。そこでは冉家と蘇家の間で結婚話がまとまり蘇伏と婚姻することになっていしまいます。ところが冉顔の言動が気に入らないと蘇家から破談にされてしまいます。
そそこに蕭頌が現われて冉顔を娶ると宣言。
冉顔と蕭頌はついたり離れたりを繰り返します。
書生の桑辰からは熱烈にアプローチされますが、冉顔にはそのつもりはありません。
事件の裏に火麒社(かきしゃ)という謎の組織の暗躍があるのを知り、蕭頌たちと共に蘇州で火麒社を潰します。ところが蘇伏が「隋侯の珠」の行方を探るために冉顔を騙していたことを知りショック。
その後、舞台は長安へ。いよいよ「隋侯の珠」を巡って火麒社との争いも本格化します。
隋侯の珠を巡って継母の高氏も関係してたこと。そのせいで実の母が殺されたことも知ります。
そして火麒社の首領の正体はいとこの冉雲生だったことも明らかに。
最終的には火麒社を壊滅させて皇帝を救いましたが。
冉顔の一族が謀反を企んだことも明らかになり蕭頌とは離縁させられ長安を追放されてしまいます。
そして冉顔は蘇州に戻って検死人を続けます。
その後、蘇州にいる冉顔の前に再び蕭頌が現われ。そしてもうひとりの男も現われて・・・
と、かなりざっくりですが。
ドラマ「大唐女法医」の冉顔について紹介しました。
冉顔 を演じるのはK-POPアイドルとしても活躍したことのある チュ・ギョルギョン(周潔瓊)さん。中国浙江省出身。上海の学校を卒業して韓国でアイドルデビュー。ドラマ初主演です。
モデルはいるの?
ここまで書くと察しはつくと思いますけれど。
冉顔は架空の人物です。
唐の時代には「仵作」という検視人のような仕事をする人はいました。でも身分は低くほぼ賤民です。
唐の時代に女性の仵作がいたかどうかはわかりません。
宋の時代には 女性の検視人といえる 坐婆 という職業の異人がいました。儒教社会では遺体であっても男が女性の体(下半身)にさわるのはいけないことなので、女性の検視人(坐婆)が必要になったのです。
唐の時代に坐婆がいたとしても、男の遺体を調べたりはしなかったでしょう。
まして良家のお嬢さんがする仕事ではありません。
つまりドラマ「大唐女法医」の冉顔(ぜんがん)は現実にはありえない設定なのです。
もちろん実在するはずはありませんね。
でもだからこそ面白いドラマになるのかも知れません。
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