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司憲府(サホンブ)とはどのような組織?

e ドラマが分かる歴史の知識

司憲府(サホンブ)とは李氏朝鮮や高麗に存在した組織。

中央と地方の行政を監督する部署です。

地味な部署のように思われますが、意外と重要な組織です。

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司憲府(サホンブ)とは

歴史

似たような役目の組織はもともとは古代中国にありました。律令の導入とともに新羅などに伝わりました。

高麗時代には御史台という名前でした。元の命令で司憲府という名前になりました。李氏朝鮮も高麗の組織を真似ているので似たような組織になっています。

司憲府の役目

役人の監視役

中央と地方の役人の違法行為や不正を監視。調べるのと同時に、違反があった場合は取締をおこないます。風俗の監視ととりしまり。役人の官職を剥奪する権利を持ちます。

高麗時代にはすべての役人の官職を剥奪する権限を持っていました。

しかし朝鮮では権限が弱められました。中央の役人の場合は司憲府の独断で官職の剥奪ができるのは五品以下にかぎられます。それ以上の役人に対しては刑曹、漢城府、義禁府と協力しなければできません。

事実上は中級、下級役人を取り締まるための部署といえます。

兵を率いて取り締まりをするのは一番下の監察の役目。監察は地方に派遣される事が多いです。その場合は持平が業務を行いました。

政治の監視役

国王や議政府の監視役としての役目も持っています。弘文館、司諫院とともに政治を監視して、政治が正しく行われているか批評します。問題があれば上訴を行います。

政治に対する活動は大司憲、執義、掌令、持平が担当します。

取り調べのときに拷問する権利を持っています。正しく運用されているときは権力の暴走の歯止めになります。

しかし派閥争いや勢道政治(特定の一族による独裁)で利用されることもありました。政敵を陥れたり、政治を妨害するための道具として使われることもありました。

 

司憲府の組織

官位 官職 定員
従二品 大司憲(テサホン) 1人
従三品 執義(チベ) 1人
正四品 掌令(チャンロン) 2人
正五品 持平(チピョン) 2人
正六品 監察(カムチャル) 13人

 

韓国時代劇「オクニョ」では、ドラマの後半でユン・テウォンが司憲府(サホンブ)持平(チピョン)になりました。正五品なので青服です。

本来は、持平(正五品)のテウォンには領議政(正一品)のユン・ウォニョンを裁く権限はありません。王命なのでできるというドラマの演出なのでしょう。

歴史上は司憲府、司諫院、弘文館が合同で弾劾を起こし、尹元衡と鄭蘭貞の死刑を決定させるという働きをしています。

司憲府単独では、重臣を裁く権利はありません。でも、訴えを起こすことはできました。司諫院、弘文館とともに何度も訴えを起こし、訴えを認めさせることもありました。

朝鮮王朝では重臣たちの生死を左右する訴えに司憲府が関わることがよくありました。

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