大祚栄(テジョヨン)渤海を作った高句麗の末裔

2017年12月14日

大祚栄(テ・ジョヨン、だいそえい)は渤海を建国した人物。渤海は日本人に馴染みのない国に思えるかもしれません。

でも、朝鮮半島や大陸にあった国では最も友好関係の深い国のひとつでした。

渤海があったのは現在の中国・ロシア・北朝鮮のあたり。

現在でも渤海はどこの国の歴史にいれるべきか、中国・ロシア・北朝鮮・韓国のあいだで問題になっています。

現在でも論争になってる渤海を作った人物。大祚栄とはどんな人物だったのか紹介します。

 

大祚栄(テ・ジョヨン)の史実

いつの時代の人?

生年月日:不明
没年月日:719年6月
在位:697~719年

名前:大祚栄(テ・ジョヨン、だいそえい)
称号:高王、渤海郡王
父:乞乞仲象(大仲象)
母:不明
妻:不明

子供:大武芸(武王)、大門芸、

渤海の初代国王です。
日本では飛鳥時代~奈良時代初期。藤原不比等や長屋王と同じ時代の人です。

おいたち

大祚栄の記録は唐のことを記した歴史書・旧唐書、新唐書に書かれています。

旧唐書では、渤海靺鞨は高麗(高句麗)の別種である。高麗(高句麗)が滅んだので一族を率いて江州に移り住んだ。と書かれています。

新唐書よると、高麗(高句麗)にいた粟末靺鞨(ぞくまつまっかつ)の者。姓は大氏。と書かれてます。

注:古代には高句麗のことを「高麗」と書いていました。当時の日本語読みは「こま」。王建が建国した高麗と区別するために高句麗と書きます。

靺鞨(まっかつ)とは隋・唐の時代に中国東北部やロシア沿海州にいた部族です。高句麗と同様にツングース系の民族とされています。靺鞨のなかでもいくつかの部族に分かれていました。靺鞨族は後に女真族・満州族と呼ばれるようになります。靺鞨族は高句麗にも住んでいました。

大祚栄は清を作った満州族(女真族から改名)に近い民族の人だとわかります。朝鮮半島南部に住んでいた韓族(韓国人の祖先)とは異なる民族なんですね。

668年。高句麗が滅亡。高句麗の人々は散り散りになりました。高句麗の強さを恐れた唐は高句麗の民を唐の各地に強制的に移住させ、バラバラにしました。一箇所にまとまって住んでいたら反乱される可能性があるからです。

しかし唐の支配は過酷だったので各地で反乱が起きてしまいます。

690年ごろから唐の支配下にいた契丹族など、元高句麗にいた人々が反乱を起こしました。

696年。江州(中国遼寧省朝陽市)にいた契丹族の李尽忠(イ・ジンチュン、りじんちゅう)が反乱をおこすと、粟末靺鞨人の指導者・乞乞仲象(テ・ジュンサン、きつきつちゅうしょう)も元高句麗の人々ともに反乱を起こしました。乞乞仲象は大仲象とも書きます。途中で姓を変えたのでしょう。

乞乞仲象と息子の大祚栄は高句麗の人々ともに連れて江州を出て故郷の牡丹江上流に向かいました。

乞乞仲象と大祚栄たちは東牟山を本拠地に自分たちの国を作ろうとしました。

しかし唐が許すはずがありません。正確にはこの時代は則天武后が皇帝になっていた武周の時代。でも歴史上は武周も唐に含めることもあります。強大だった唐も武周のころになると国の中でいろいろモメていたので国力が弱くなっていました。各地で反乱が起きます。

則天武后は契丹から投降した武将・李楷固(イ・ヘゴ、りかいこ)に討伐を命じます。李楷固軍との戦いの最中、乞乞仲象が病死。ともに戦っていた乞四比羽も戦死しました。

大祚栄は残った人々をまとめて抵抗を続けました。

698年。大祚栄は東牟山(中国吉林省)に「震国」を作りました。唐(武周)と戦いながら大祚栄はさらに勢力を拡大しました。

705年。則天武后が退位し中宗が即位。すると唐は使者を送りました。唐は下手に攻撃して損害をうけるよりは懐柔してしまおうと考えました。

712年。唐の玄宗皇帝は即位すると大祚栄に入朝を要請。

大祚栄としても形だけでも従属していれば攻撃されないのは悪い話ではありません。

713年。大祚栄は唐から「渤海郡王」の称号を与えられ国名を「渤海」にしました。正式に唐の冊封体制に入りました。

渤海は、突厥(とっけつ)や契丹(きったん)など周辺の国と友好関係を結んでいました。

719年。死去。息子の大武芸があとを継ぎました。

渤海はその後、黒水靺鞨と対立。新羅も敵にまわします。そこで新羅と因縁のあった日本に使者を送り日本とも同盟を結びました。渤海の求めに応じて日本が新羅に派兵したこともあります。

渤海が周辺国と関係を修復すると軍事同盟は薄れ、文化的な交流が続きます。その後、長く日本と友好関係が続きました。

渤海は朝鮮半島の国では百済と同じくらい友好関係の深い国でした。

 

テレビドラマ

大祚榮 KBS 2006年 演:チェ・スジョン

 

古代

Posted by Fumiya


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