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郭貴妃(洪熙帝の側室)皇后と対立した寵妃は皇帝の死後、殉葬になった

明 2.2 明の皇后・側室・公主

郭貴妃は明の第4代皇帝・洪熙帝の側室。

洪熙帝から寵愛を受け、張皇后とは仲が良くなかったと言われます。

郭貴妃の祖父は明の建国に功績のあった郭英。家柄がよく、家の格式だけなら張皇后よりもうえだったといわれます。

郭貴妃は寵愛をいいことに横暴でした。

しかし郭貴妃は洪熙帝の死後、殉葬されてしまいます。

 

史実の郭貴妃はどんな人物だったのか紹介します。

 

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郭貴妃の史実

いつの時代の人?

生年月日:1392年
没年月日:1425年

姓 :郭(かく)氏
名称:不明

国:明
地位:太子側妃→貴妃
称号:恭粛貴妃

父:郭銘
母:不明
夫:洪熙帝

兄弟:
郭琮(1393年生)
郭玹(1395年生)
妹(漢王庶妃)

子供:
勝懐王 朱瞻塏
梁荘王 朱瞻垍
衛恭王 朱瞻埏
娘(朱瞻塏の妻)

日本では室町時代になります。

 

郭貴妃の生涯

家系は建国以来の名門

郭貴妃の祖父は明朝の建国に貢献した郭英(かく・えい)です。そのため郭家は「勲旧」といわれ、祖先の代から皇帝に仕える名門の家系とでした。

郭英は正室の馬氏との間に子はなく、妾との間に12人の庶子がいました。

郭英の庶長子・郭鎮は明太祖 朱元璋の娘・永嘉公主と結婚しました。

庶次子の郭銘が郭貴妃の父親です。郭銘の妻は徐氏。でも徐氏が郭貴妃の生母なのかは分かっていません。

 

幼少期

1392年。郭貴妃は生まれました。

建文4年(1402年)。郭貴妃の父親・郭銘が泗州で死亡。

父親が早世したため、母親(または嫡母)の徐氏が郭貴妃を含む子供たちを育てました。

郭貴妃の生年は不明。最初の弟・郭琮の生年から考えると郭貴妃は1390年代初めに生まれたようです。

 

入宮

時期は不明ですが、皇太子 朱高熾の側室になりました。

『毓慶勛懿集·卷一』には郭貴妃が書いた10通の手紙が収録されています。その中に永楽8年8月24日に祖母・厳氏に宛てた手紙には「自奉別慈顏,逾夏經秋」という一文があります。

そのため郭貴妃は永楽5年か6年頃に宮中に入ったと考えられています。

 

子どもたち

郭貴妃は太子 朱高熾との間に3人の息子を儲けました。
永楽7年(1409年)。朱高熾の8男・朱瞻塏。
永楽9年(1411年)。9男・朱瞻垍。
永楽15年(1417年)。10男・朱瞻埏が生まれました。

 

郭貴妃の貴妃時代

洪熙帝の即位で貴妃になる

永楽22年(1424年)。洪熙帝 朱高熾が即位。

同年11月。郭氏は貴妃になりました。

家族への恩賞

郭貴妃が貴妃に冊封された翌月(永楽22年12月)。張皇后の家族と郭貴妃の家族は恩賞を受けました。

洪熙帝は郭貴妃の亡き父・郭銘を武定侯に追封しました。郭貴妃の長兄・郭琮はすでに亡くなっており子がいなかったので、次兄の郭玹が武定侯を襲爵しました。

妾室であった郭貴妃の祖母・厳氏は営国公夫人に、母・徐氏は太夫人に封じられました。

郭貴妃の兄弟は張皇后の兄弟よりも高い爵位を与えられました。勲旧(譜代の家臣)の家柄の郭家は張家よりも格が高かったからといわれます。

 

郭貴妃の横暴

郭貴妃は寵愛をいいことに横暴な態度をとりました。郭貴妃の妹・漢王 朱高煦の側室も漢王妃には横暴な態度をとっていました。

郭貴妃は祖母の厳氏を優遇。厳氏は郭英の妾でしたから本来は与えられ無いはずですが、厳氏に「営国公夫人」の爵位を与えました(もちろん皇帝が許可したからです)。

郭貴妃と家族の手紙には、厳氏が郭鎮の正妻・永嘉公主に失礼な態度をとったことが記されています。

 

郭貴妃の殉葬

明初の殉葬制度

洪熙元年(1425年)。夫である洪熙帝が亡くなりました。明初の制度では皇帝が亡くなった後、妃嬪が殉葬することになっていました。この時、5人の妃嬪が殉葬し、郭貴妃は最初に殉葬されました。諡号は「恭肅」です。

郭貴妃の殉葬の謎

郭貴妃は家柄も良く洪熙帝に寵愛されていました。洪熙帝の後宮では張皇后に次ぐ地位があり、3人の息子を儲けていました。3人の息子はみな親王になっています。通常なら殉葬はされないはずです。

郭貴妃と似たような家柄ですが後宮での地位は低く子もいなかった張敬妃は「勲旧(建国に貢献した重臣の家系)の娘」という理由で特別に殉葬を免除されています。つまり家柄が良ければ殉葬は免除される可能性があるのです。でも張敬妃と同じ勲旧出身で3人の息子を持つ郭貴妃が殉葬させられたのは謎です。

郭貴妃は洪熙帝の寵愛を受け、張皇后と不仲だったという説があります。洪熙帝が亡くなった後、皇太后になった張皇后が郭貴妃に殉葬を命じた可能性はあります。

 

野史における説

明の祝枝山という者が書いた「野記」という本には次のような話があります。

張皇后の誕生日に郭貴妃が張皇后を自分の宮殿に招いてお祝いをしました。洪熙帝も同行しました。郭貴妃が張皇后に酒を勧めたところ張皇后は酒杯を受け取りませんでした。

洪熙帝は張皇后の態度を見て不愉快になり「また疑っているのか?」と言った後、酒杯を手に取って一気に酒を飲み干しました。郭貴妃はこの様子を見て驚き、止めようとしたのですが間に合いませんでした。

その後、仁宗は死んでしまい。郭貴妃も自害しました。

 

もちろん正史には書かれていません。作り話の可能性が高いです。

 

テレビドラマ

尚食 2022年、中国 演:程莉莎

 

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