中国ドラマ「尚食」に登場する胡善囲(こ・ぜんい)にはモデルがいます。
胡善囲は明朝の女官でした。
胡善囲の妹は皇后 胡善祥です。
史実の胡善囲はどんな人物だったのか紹介します。
胡善祥(恭譲皇后・静慈仙師)の史実
いつの時代の人?
生年月日:不明
没年月日:1443年
名称:胡善囲(こ・ぜんい)
称号:恭譲皇后(きょうじょうこうごう)
法名:静慈仙師(じょうじせんじ)
父:胡栄
母:劉氏
妹:胡善祥
日本では室町時代になります。
初代・洪武帝の時代
胡善囲の生年は不明。
濟寧の出身です。
父・胡栄は正六品 錦衣衛百戸。秘密警察の隊長です。
胡善囲は長女でした。彼女は美しく頭も良かったといいます。そのため宮中に入り女官になりました。
2代皇帝・建文帝の時代には父の胡栄は免職になりましたが。胡善囲はそのまま後宮にいたようです。
永楽帝の時代に出世
永楽帝の時代になると胡一族は取り立てられます。
胡善囲は尚宮局の首席女官・尚宮(正五品)に出世しました。
1417年(永楽15年)。妹の胡善祥が皇太孫の朱瞻基(しゅ・せんき、後の宣徳帝)の正室になりました。
1424年。4代・洪熙帝(こうきてい)が即位すると朱瞻基は皇太子になり、胡善祥は皇太子妃になりました。
皇后になる
1425年。朱瞻基が即位。第5代皇帝・宣徳帝です。
胡善祥は皇后になりました。父の胡栄は正二品錦衣衛指揮僉事になりました。秘密警察の幹部です。
1428年。貴妃孫氏が男子・朱祁鎮(後の正統帝・英宗)を出産。すると宣徳帝は胡善祥を「病気のうえに男子がいない」という理由で廃妃にして、孫氏を皇后にしてしまいます。
胡善囲がその後、どうなったのかは記録にありません。
でも胡善祥は張皇太后からは同情をうけ、父・胡荣は光禄卿の爵位と驃騎将軍の称号を与えられ、兄弟の胡岸は府前衛指揮僉事、胡瑄は府軍前衛百戸になっています。
胡善祥は彼女に落ち度があったから廃后になったのではなく宣徳帝の個人的な愛情が原因でした。そのため胡善祥の廃后後も胡一族は粗末な扱いは受けていません。
胡善囲も問題なく位の高い女官として過ごしたものと思われます。
ドラマ
尚食
2022年、中国 演:張芷溪
尚食局司膳から尚食局尚食へ
胡善祥の姉。王遙清と共に宮中に入り尚食局に配属。王遙清は胡善囲のライバルで、司膳司掌事の地位をめぐって競い合いました。
胡善囲は司膳から尚食に昇進するために様々な策略を巡らせました。
ヒロイン・姚子衿は胡善囲と王遙清の争いに巻き込まれます。
やがて胡善囲は王遙清を殺害。蘇月華が王遙清殺害の理由を問いただすと、蘇月華を利用して命を絶ち、胡善祥に姚子衿が犯人だと誤解させました。
大明皇妃
大明皇妃には胡善祥の養母の胡尚儀が登場します。胡尚儀は地位の高い女官です。姉ではなく養母の設定ですが、胡善祥の関係者が地位の高い女官。という設定のモデルになったのが胡善囲のようです。
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