中国ドラマ「双花伝~運命を分かつ姉妹~」の紹介記事です。
中和元年。中華世界は乱世の時代を迎えていました。
西都の原家と巴蜀の竇家の力を借りて皇帝・軒忠は東庭王朝を建国しました。
ところが時がたち。竇家は野心をもち皇位を狙いはじめました。
原家もまた東庭王朝の横暴に我慢できなくなり、新たな世の中を目指そうとしていました。
東庭王朝は原(げん)家と竇(とう)家が権力の座を巡って争う時代になりました。
この世界には花斌と金谷という二人の聖人がいます。彼らは天文と地理に詳しく、彼らを手にしたものが天下を治めると言われていました。
原家と竇家は天下をとるため二聖を探していました。
新たな天下の支配者を巡る争いが始まるのでした。
「双花伝~運命を分かつ姉妹~」の登場人物とおおまかな舞台背景を紹介します。
あらすじと背景
時代設定
物語の舞台になるのは「東庭」という架空の王朝です。
五代十国時代をモチーフにしています。
五代十国時代は10世紀ごろ(日本では平安時代後半)。唐の滅亡から宋の建国まで50~60年続いた戦乱の時代。この間いくつもの王朝ができては滅亡しました。
春秋戦国時代や三国時代など戦乱の時代を舞台にすると古臭くてむさ苦しくなりがちです(戦国時代が好きな男性にはウケますが、女性には人気がありません)。五代十国時代は唐~宋時代の華やかなイメージを残しつつ、様々な勢力が争う時代を描けるので中国ドラマではたまにモチーフとして使われます。「狼殿下」「両世歓」などは五代十国時代をモデルにしています。
史実の五代十国時代はダメ皇帝(国王)が多く(だから続かない)。仁義なき争いの悲惨な時代。そのままドラマにするとどうしようもないものになってしまいます。
そこで架空王朝に設定してドラマとしても見応えあるように作り変えることがよくあります。
原作小説を見た雰囲気は中華ファンタジー要素がもっと強いですね。ドラマでもファンタジーっぽさが残っていて、無茶な設定だったりよくわからない格好の人たちが出てきたりします。五代十国時代の設定は参考程度。と思ったほうがいいかもしれませんん。
あらすじ
東庭王朝が建国してしばらくたち。原(げん)家と竇(とう)家はお互いに野心をもち皇位の座をめぐって争っていました。
原家の当主・原青江(げん・せいこう)は聖人の金谷から6人の子供が国を守るという予言を聞きました。そこで原青江は6人の子供を集めて修行させました。
その子供の中に物語のヒロイン。花木槿(か・もくきん)と花錦繍(か・きんしゅう)という双子の姉妹がいます。彼女たちは二聖のひとり花斌の娘。花木槿と花錦繍は危機を乗り越えた3人の子供たちとともに「小五義」という義兄弟になり。原家で修行して助け合いながら生きていました。
その原家には足の不自由な原家の三男・原非白(げん・ひはく)がいました。
原非白には双子の兄の司馬遽(しば・きょ)がいて身を隠して暮らしていました。
花木槿と花錦繍は原非白に惹かれていきます。また司馬遽は花錦繍が気になりますが本当の身分はあかせません。
やがて彼女たちは皇位を巡る争いに巻き込まれていきます。
恋と運命に翻弄され、姉妹と小五義たちはやがてそれぞれの道を歩むことになります。
花木槿と花錦繍と小五義たちの運命は?
原作小説の「木槿花西月錦繡」は、現代に生きる女性が中華風のファンタジー世界にタイムスリップして、様々なタイプの男性と知り合って様々な愛の形の中から自分の生き方を見つけていく。という中国時代小説によくあるジャンルの物語。
テレビドラマではタイムスリップはなくして架空の中国王朝の人物として設定。様々な男性と知り合って様々な愛の形をみつけるというおおまかな流れは同じです。
花木槿が最終的にどの男性の愛を選ぶのか?という楽しみ方もできます。
番組情報
原題:長相守
英語:The Twin Flower Legend
2020年、中国
全60話
原作小説:「木槿花西月錦繡」
原作者:海飄雪
主要人物
花木槿(か・もくきん)
演:毛暁慧(マオ・シャオフイ)
二聖のひとりと言われる花斌の娘。花錦繍の姉。小五義のひとり。
頭がよくて優秀な娘。父の花斌から「商訓」と「将苑」という秘伝書を託されています。
原非白、段月容、原非鈺とは親しい関係に。
子供の頃に原非白を助けたことがあります。そのとき玉のかんざしとパチンコを交換しました。
やがて原非白と結婚します。しかし最初はなかなか心が通じ合わずに・・・
花錦繍(か・きんしゅう)
演:楷旋(カイ・シュエン)
花斌の娘。花木槿の妹。小五義のひとり。
武術が得意。紫の瞳を持っています。司馬遽のことが好きですが、彼の幸せのために諦めました。
栄達のため原青江の妾になり、原奉定の力を借りて太后になりました。
原非流の母。
原非白(げん・ひはく)
演:于小彤(ユー・シャオトン)
原家の三公子(三男)。
司馬遽の兄弟。
四大公子のひとり踏雪公子。
大塬朝の二代・世祖皇帝。
段月容(だん・げつよう)
演:關智斌(ケニー・クァン)
大理段氏の一族。南国の世子。
四大公子のひとり紫月公子。
紫の瞳を持っているので鬼の子だと思われて幼いころより宮殿に幽閉されていました。
成長してからは生きていくために派手な遊び人を装っていますが、それは仮の姿。
花木槿のことが好き。
司馬遽(しば・きょ)
演:于小彤(ユー・シャオトン)
本名は原非黛。
原非白の双子の兄。司馬遽に改名。
原青江は自分の野心のため、息子を暗宮に入れて原青山(原青江の双子の兄)と司馬瑤に育てさせました。
成長して第10代 暗宮主人になりました。
小五義
原家の当主・原青江が、聖人から「6人の子供が国を守る」という予言を聞き。子供たちを集めて訓練しました。
花木槿・花錦繡と仲間たちは「小五義」という義兄弟になり。原家で一緒に修行していましたが。
于飛燕
演:張藝瀧
小五義の長兄。于将軍。燕子軍の首領。
正直で勇敢な男。世の中のため原非白を助けて働きます。そして自分の親でもある潘正越と対決。
宋明磊
演:陳政陽、張銘浩
小五義の次兄。
後に四大公子のひとり清泉公子。
姚碧瑩のいとこ。
姚碧瑩
演:楊懿
小五義の三姉。宋明磊のいとこ。
香芹とともに梨蕊閣に送られて働くことになりました。
後に原非珏と結婚。
斉放
演:李彥明
小五義の六弟。
幼いころ、花姉妹を守ろうと誓いました。
上記の4人に 花木槿 と 花錦繡 を加えたのが「小五義」。
原家
原青江(げん・せいこう)
演:黄覚(ホアン・ジュエ)
原家の当主。普侯。
原家には「原家に双子が誕生すると原家が天下の主になる」という言い伝えがあります。原青江自身も双子でした。原青江はそれを信じて天下を取ろうとしますが。
連夫人
演:楊雨婷
原青江の二人目の正室。今の皇后の妹。
謝梅香
演:駱文博
原清江の側室。原非白の母。
原青舞
演:趙志瑤
原清江の妹。
原非清
演:強川
原家の長男。人質として汴城に送られました。
原清江の実子ではありません。
原非珏
演:李浩濱
原家の四男。原非白の弟。
四大公子のひとり緋玉公子。
先天性の病があって赤い瞳をしています。
花木槿のことが好き。ところがある出来事が原因で姚碧瑩と結婚してしまうことに。
東庭王室
軒忠
演:郭鋒
東庭王朝の皇帝。
竇英華に殺害されます。
連皇后
演:米雪
軒忠の正室。
張貴妃に陥れられ皇帝の命令で処刑。
張貴妃
演:童唯佳
軒忠の側室。
軒復昱
演:鄭暁東
第四皇子。張貴妃の子。
かつて原非煙と婚約していました。
竇英華を重用しています。
軒復徹
演:巌崑
第三皇子。連皇后の子。
軒淑儀
演:冼色麗
東庭王朝の長公主。
その他
竇英華
演:徐少強
東庭の宰相。
野心家。
肱月女皇
演:葛天
肱月国の女王。
花斌(か・ひん)
演:黄海冰
花木槿、花錦繡の父。
兵法・地理・天文を長年研究しています。二聖と呼ばれるほどの有名人。自分の知識が悪用されるのを防ぐため妻と娘とともに隠れ住んでいました。しかし居場所が知られてしまいます。秘伝書の「商訓」「将苑」を花木槿に託しました。
金谷(きん・こく)真人
演:元華
二聖のひとり。原青江に6人の子供を集めるようにと予言を残します。
真人(しんじん)=道教を極めた仙人のような人。
花斌と金谷の2人は兵法・天文・地理に通じた達人です。
「兵法」とは戦い方やその考え方のこと。
ここでいう「地理」「天文」は現代人の考えるものとは意味が違います。
「天文」とは「星の動きから時間の流れや人や国の運命を知ること」
「地理」とは「風水」のこと。
オカルトで人や国の運命が決まるというのは中国に昔からある考え方です。
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