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チャンドク(長徳)済州島の医女とその弟子は実在した

韓国時代劇 6 李氏朝鮮の人々

出典:amazon

 

韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」にはチャンドク(長徳)という医女が登場します。

チャンドクは済州島で暮らす医女。チャングムに医術を教えました。

ドラマオリジナルの架空の人物のように思えますが、実はチャンドクにはモデルになった人がいました。

済州島で医女として暮らした長徳(チャンドク)です。

長徳とはいったいどのような人物だったのか紹介します。

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ドラマのチャンドク

済州島で暮らす医女。

優れた医術と人を助けようとする姿勢から島の人々から敬われています。その言動には非常識なところもあります。でもそれは彼女の世の中に対する不満のあらわれです。

もともと両班の家に生まれました。ところがチャンドクの母が燕山君の派遣した採紅駿使に連れて行かれました。絶望した両親は自害。その後、彼女の家族は不当な扱いを受け管奴婢にされました。

済州島にいるときにチャングムがやってきました。チャングムに見込みがあると思って医術を教えます。

その後は、漢城に移り療養所を開業しました。

毒虫や歯の治療が得意。

 

採紅駿使とは:燕山君時代にあった王のために女性を連れてくる役人。燕山君のために既婚・未婚と問わず美しい女性を強制的に連れてきます。というよりほぼ拉致です。女性を出した家は労役を免除されるという特典がありましたが、もちろんそれで家族が納得できるはずがありません。世間の燕山君への不満を高める原因になりました。

実在した 長徳(チャンドク)

長徳(チャンドク)の記録はほとんど残っていません。

生年は不明。

両親は不明。

済州島で暮らす医女です。

なぜ医女になったのかもわかりません。

歯の痛みや口のトラブルを治療したり、歯並びを改善したり、目や鼻の腫れ物を治す事ができました。

ドラマのように病気や内科の治療ができる医者ではなかったようです。でもその腕前は評判が高かったようです。

残念ながら長徳(チャンドク)はの記録はこれだけです。

というのも長徳(チャンドク)の記録は医女貴今(クィグム)の記録に出てくるだけだからです。

長徳(チャンドク)は貴今(クィグム)にその知識と技術を伝えました。

1488年(成宗19年)。済州牧使・許熙は「長徳(チャンドク)が死亡した。長徳は歯・目・鼻の痛みを治すことができた。男も女も関係ない。でもその技を受け継ぐものがいない。」

と伝えました。

長徳の弟子・貴今

貴今(クィグム)は成宗時代の医女。

私婢(奴婢)出身。

私婢なので宮廷や役所に所属している奴婢ではなく、個人の所有になっている女の奴婢です(男は奴、女は婢)。

両親や生年は不明です。

7歳の時。済州島の医女・長徳の弟子になりました。
貴今は済州島出身か、奴婢にされて済州島に流された人の子供なのかもしれません。

16歳まで長徳のもとで医術の勉強をしました。

貴今も歯の痛みやトラブルを治す事ができました。

長徳の技術を受け継ぎ、長徳の死後も活動を続けました。

長徳の死後。朝廷は長徳には後継者がいないと思っていましたが、貴今の存在を知りました。そして貴今に「医女」の資格を与えました。

その結果、彼女の生活は良くなりました。

1492年(成宗22年)。朝廷はその技術を広めたいと思い二人の医女を貴今のもとに派遣しました。

ところが二人の医女は医術を受け継ぐことができませんでした。

朝廷は「技術を独り占めにして教えないようにしている」と考えて貴今を呼び出して尋問しました。

呼び出された貴今はこう答えました「私は7歳から16歳まで学んだ。私が心を込めて教えたのにあの者は身につかなかったのだ」と答えました。

つまり派遣された医女には能力が不足していたので十分に覚えることができなかったのです。

貴今は罰せられることはなく。その後も無事に暮らしました。

ドラマとの違い

長徳(チャンドク)の記録は少なく殆どわかっていません。済州島で医女として活動していた。ということくらいです。死亡したのが9代 成宗の時代ですから、11代 中宗の時代には生きていません。

長徳には貴今という弟子がいました。

奴婢だった貴今が済州島の長徳に医術の指導を受けてやがて朝廷から医女として認定されます。貴今はドラマのチャングム(長今)の境遇に似ています。名前も似ていますね。

ドラマのチャングムは宮廷にいた医女の長今と済州島で勉強した貴今をあわせたようなキャラクターなのでしょう。

宮廷女官チャングムの誓い 2003年、MBC 演:キム・ヨジン

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