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ヘチ:ヨジの最後は?英祖の側室になるの?

ドラマ『ヘチ 王座への道』で最後の戦いをくぐり抜けたチョン・ヨジは、最終回でどのような結末を迎えるのでしょうか?「いずれ、クム(延礽君/英祖)との側室になるのでは?」と気になりますよね?

この記事ではドラマのヨジとクムの関係を紹介。「英祖のそばに残るが側室にはならない」というヨジの立ち位置と、その意味をわかりやすく紹介します。

 

ヨジの最後は?側室になる?

この記事でわかること

  • チョン・ヨジが最後に生き残り英祖のそばに残ること

  • ヨジが側室にはならず「王様付きの宮人」となること

  • 史実の英祖には「チョン・ヨジ/千氏」という側室は存在しないこと

  • ハ・チョホンや王妃ソ氏との関係。「正妻」「ほぼ側室」「外で戦う同志」という女性キャラクター配置について

 

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ヨジとクム(延礽君/英祖)の関係とは?

まずは二人がどんな立場の人物なのかを簡単に整理します。

英祖 クム(延礽君)はどんな王だったか?

史実のイ・グム(延礽君)は19代王粛宗と側室・淑嬪崔氏の息子。第21代王・英祖として即位します。

英祖は18世紀の朝鮮王朝を長く統治した王で、党争の対立を抑えながら税制や法制度の整理を進めたことで知られています。

王としての功績はこちら。
英祖(ヨンジョ)の史実と家系図。

 

ドラマ『ヘチ』でのイ・グム/ヨニングン像

ドラマ『ヘチ』はその英祖の若いころ、まだ「延礽君(ヨニングン)」と呼ばれていた時代から始まります。

ドラマのイ・グムは頭脳明晰なのですが母の出自を理由に王族からも官僚からも見下される存在です。権力争いから距離を置こうとしていますが、弱い民を守るために立ち上がり、司憲府の仲間たちと不正官僚と戦う中で次第に政治の中心へと引き寄せられていきます。

史実の延礽君の詳しい説明はこちらをご覧ください。
延礽君(ヨニングン)とは?

 

チョン・ヨジとはどんな人物?

チョン・ヨジ(千余志)は司憲府に所属する茶母(タモ)。のちに大妃のもとで宮女となる女性です。以下のような特徴があります。
  • 司憲府の一員として捜査を担当する女性
  • 身分は低いが、武芸・捜査能力は男性監察官をしのぐと言われる
  • 変装や潜入、清国語や日本語などの語学にも長けている
  • 「人間兵器」を自称し感情より任務を優先するタイプ
  • だが本心ではイ・グムを想っている
 
ヨジは制度上は「下働きの女官」ですが実際には監察官と同等に捜査を担う特別なキャラクターです。ここがドラマ的な魅力で同時に史実との大きな違いにもなります。

 

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ヨジの最後はどうなる?最終回で描かれる結末

ヨジは最終回まで生き残ります。

ミルプン君の反乱では、いつものように危険な現場に身を投じて英祖を守ろうとしますが命を落とすのはミルプン君の方でヨジは無事です。

騒動のあと英祖は多くの人に死を命じたことで重い罪悪感を抱えます。そのそばに静かに寄り添い、「王として悩み続けるあなたを信じる」と支えるのがヨジです。ここで、彼女が英祖に向けてきた想いもはっきり示されます。

エピローグでは大妃やハ・チョホンに半ばからかわれつつ「王様付きの女人」として英祖の身の回りを世話する役目を与えられます。

正式な側室に封じられる場面はありませんが、宮中に残り英祖のすぐそばで生きていく結末になっています。

 

ドラマ『ヘチ』でヨジはヨニングンの側室になるの?

ヨジは側室にはならない

ドラマ『ヘチ 王座への道』の中でヨジは「側室」として冊封されるところまでは描かれていません。

ヨジはイ・グムのそばで戦い続ける相棒で互いに想い合う存在として描かれますが、物語の範囲内では「恋人に近い存在」で止まっています。側室の位階や称号が与えられる場面は出てきません。

 

中盤以降、ヨジの出番が減る事情

でも『ヘチ』を見ていると「途中からヨジの出番が減った」「後半はゲストキャラ扱いになった」と感じてしまいます。

というのも撮影中にヨジを演じているコ・アラが怪我をし、その影響で脚本が変更されたと言われています。

その結果、ヨジは物語のヒロインというより、イ・グムの昔からの仲間として時折関わる立場になっていきます。

もし当初の計画通りに進んでいれば、ヨジがもう少し政治の中心へ踏み込んでいた可能性もありますが。

放送されたドラマを見る限りでは、ヨジが「ヨニングンの側室」になるところまでは描かれていません。

 

ヨジは史実に実在した側室?モデル候補と創作ポイント

史料に「ヨジ」という側室は登場しない

朝鮮王朝実録や系譜、後世の整理された資料を見るかぎり、英祖には複数の側室がいますが、その中に「ヨジ」や「千氏」といった人物名は見当たりません。

英祖の有名な側室を挙げると
  • 靖嬪李氏(チョンビン・イ氏)…長男・孝章世子の生母
  • 暎嬪李氏(ヨンビン・イ氏)…思悼世子(サドセジャ)の生母、正祖の祖母
  • 貴人趙氏、淑儀文氏 など
がいます。彼女たちはいずれも「○嬪」「貴人」「淑儀」といった明確な品階を持ち、後宮として記録されています。

でも英祖の側室に千氏という人はいません。

つまり、ヨジは実在の側室ではなく、ドラマのために創作されたキャラクターと考えるのが自然です。

 

それでも「モデル」がまったく無いわけではない

ヨジのように元は宮中の下働きや女官として入り、のちに側室として昇格した女性は英祖の身近にもいます。

たとえば英祖の母である淑嬪崔氏(トンイ)は、もともと宮女として入内し粛宗に見初められて後宮となりました。

史実の靖嬪李氏や暎嬪李氏も、幼くして入宮したのちに王の寵愛を受けて後宮に昇格しました。

ヨジは名前も経歴も創作ですが、

  • 下層出身の女性
  • 実力で王や国家を支える
  • のちに宮中で重要な位置に近づく可能性を感じさせる人物

という点では、こうした実在の女性たちの要素を持っているといえます。

武術に長けた茶母ヒロインというドラマ的な設定

ヨジの特徴は普通の宮女ではなく「茶母(タモ)」だということです。

2003年のドラマ『茶母(チェオクの剣)』以降、「身分の低い女性捜査官が武術と洞察力で権力の不正と戦う」というタイプのヒロインは時代劇ファンの間で根強い人気があります。

ヨジもこのタイプのキャラクターです。

史実の司憲府にヨジのような最前線で戦う女性捜査官がいた記録はありません。

でもドラマとしての爽快さと男女バディ物の楽しさを両立させるために生まれた存在だと言えますね。

茶母とは本来どんな存在だったのか

では実際の茶母はどんな人達だったのでしょうか?史料に出てくる茶母は、もともと官庁や宮中に所属する下級の女官・雑役の総称です。

捕盗庁などに付属した茶母は女性犯罪者の身体検査や付き添い、女性への尋問の場に立ち会う役目などを担いました。

場合によっては情報伝達や簡単な聞き込みに動くことはあっても「刀を持って先頭に立つ捜査官」だったとは考えにくい存在です。

ドラマはこの「捕盗庁付きの茶母が、捜査に協力したこともあったらしい」というイメージをふくらませ、アクションもこなす女捜査官として作られています。

ヨジもその流れにあるキャラクターで史実の茶母の現実を土台にしつつ、視聴者が楽しめるよう大きく脚色されたヒロインと言えますね。

 

英祖の側室たちの現実

英祖の正室・側室たち

英祖には二人の王妃と複数の側室がいました。

・正室:貞聖王后徐氏(チョンソン王后)
・継妃:貞純王后金氏(チョンスン王后)
・側室:靖嬪李氏(孝章世子の母)、暎嬪李氏(思悼世子の母)、貴人趙氏、淑儀文氏 など

英祖の側室は宮女出身者がほとんどでした。幼いころ、あるいは十代前半で宮中に入り内命婦の仕事を覚えながら暮らすうちに、王の目に留まって側室へと昇格していきます。

でも英祖の時代、後宮の頂点に立っていたのはあくまで王妃と大妃です。内命婦の序列も儀礼の主導権も王妃側にあり、英祖自身も形式的な敬意だけでなく、表向きのパートナーとして王妃をきちんと立てていました。

宣祖や仁祖の後半時代のように「側室が前面に出て王妃を押しのける」というイメージとはかなり違います。英祖はそのあたりの線引きを自覚していて、側室を王妃の上に出すようなことはしていません。

英祖の側室は宮女出身が多い

でも英祖の寵愛した側室たちの多くが宮女出身だったことは確かです。

幼いころに宮中へ入り内命婦の仕事をしながら暮らすなかで王の目に留まり、やがて側室に昇格する。そうした女性たちが英祖の息子たちの生母となりました。

  • 靖嬪李氏…宮女出身で、長男・孝章世子の生母
  • 暎嬪李氏…同じく宮女出身で、思悼世子(サドセジャ)の生母

といったように「王妃ではないが王子の母」という立場の側室が多いことが、この時代の特徴です。

ここで言えるのは、
  • 制度上、後宮の“ボス”は最後まで王妃/大妃
  • 一方で日常の「家庭内」で王がもっとも長く接するのは、子の母である側室たち
  • とくに自分の実子がからむ問題については、その母である側室の意向を無視できない
という状況だったということです。

暎嬪李氏はその代表で英祖の側室として思悼世子を産み彼の将来をめぐる場面では英祖も暎嬪の感情や意向をかなり気にしています。

つまり、

・王妃/大妃…後宮の公式なトップ。儀礼・格式・外向きの権威を担う
・側室…その下で、王子・王女の母として家庭内の相談役になる存在
 (特定の政治テーマを左右するというより、子どもに関する判断で意見が尊重されることが多い)

という棲み分けです。

こうした英祖の後宮事情を踏まえて『ヘチ』を見ると、ヨジが「正室をおびやかし、王を動かす存在」として描かれているわけではなく、
  • 正室やポジションを侵さない
  • けれどもヨニングンが本音を打ち明けられる“身近な相談相手”
という立場に収まっているのが分かります。

 

ヨジ・チョホン・ソ氏のクムの女性関係

ヨジよりも側室に近いのはハ・チョホン?

実は『ヘチ』のなかで、もっとも「側室に近いポジション」にいるのはヨジではなく、酒売り出身の女ハ・チョホンです。

ハ・チョホンはもともと瓶酒を売る行商として登場。その後イ・グムの協力者となり、やがて王宮に入りハ尚宮となります。設定では「クムの協力者、酒売りから尚宮になった」とされ「大殿の尚宮、英祖の側室」とされることもあります。

ドラマの描写を見ても、

  • イ・グムの正室ソ氏はハ・チョホンをあからさまに警戒している
  • 「ヘチが外から連れ帰った女」というニュアンスで見られている
  • 公的な場というより、私的な空間でイ・グムの身の回りを世話している

といった要素が強く「正室から見た側室候補、あるいはすでに側室に近い女」として描かれています。

まとめると、『ヘチ』のクム(英祖/延礽君)周りの女性はだいたい次のような並びになります。

  • ソ氏(王妃)…格式上の正妻であり、後宮の表向きの頂点
  • ハ・チョホン…酒売り出身の尚宮で、イ・グムの私的空間に近い“ほぼ側室”ポジション
  • ヨジ…宮中に入っても、メインは司憲府の仲間としてのバディ関係

史実の英祖まわりで言えば、ソ氏が貞聖王后、ハ・チョホンが宮女出身の側室たちの立ち位置に少し近く、ヨジはむしろ「外で一緒に戦う同志」に寄せたキャラクターだと言えます。

 

なぜ「ヨジ=側室?」という憶測が生まれやすいのか

もう一つ大きいのはドラマがクムと正室ソ氏の関係を、あまりうまくいっていない夫婦として描いている点です。形の上では正室としての位置にいても、クムが心から頼っている相手には見えません。

そのためドラマを見ているとどうしても

「では、クムが本当に心を開いている女性は誰?」

と探してしまいます。

そこで浮かび上がるのが、長い時間を共に過ごして命がけの局面を何度も乗り越えてきたヨジです。

宮中に入ったあとは、大妃の庇護を受けつつ王の近くに立つようになるので、

  • 正室とは距離がある
  • ヨジはクムの理解者であり相談相手
  • しかも同じ宮中にいる

という条件がそろってしまい「ヨジが側室になるのでは?」というイメージが膨らみやすくなります。

でも実際には後宮的なポジションに一番近いのはハ・チョホンで、ヨジはあくまで“戦友に近い存在”にとどまっています。

それでも、クム夫婦の冷えた描写とヨジとの信頼関係の強さが対照的に描かれているぶん「ヨジ=側室枠のヒロインでは?」という連想が生まれやすいドラマの作りになっている、と言えるでしょう。

 

まとめ

・ドラマ『ヘチ』で、ヨジはヨニングンの「公式な側室」にはなっていない
・史実の英祖に「ヨジ」という名の側室は存在しない
・英祖には靖嬪李氏、暎嬪李氏など複数の実在の側室がいた
・ヨジは韓国ドラマの茶母ヒロイン。英祖周辺の実在女性たちの要素を組み合わせた創作キャラクター

 

よくある質問

Q1. ヨジは最終的にヨニングンの側室になる?

A1. ドラマの中では、側室として冊封される場面は描かれていません。恋人に近い存在ですが、「後宮の○嬪」という立場ではありません。

Q2. ヨジにモデルとなった実在の人物はいる?

A2. 名前や経歴が一致する人物は確認できません。ただし、身分の低い宮女から側室になった英祖の母・淑嬪崔氏や、同時代の後宮たちの人生がヨジと重なる部分はあります。

Q3. 英祖にはどんな側室がいたの?

A3. 靖嬪李氏(孝章世子の母)、暎嬪李氏(思悼世子の母)、貴人趙氏、淑儀文氏などが知られています。いずれも王子・王女を産み、王室政治に大きな影響を与えました。

Q4. ヨジのように戦う茶母は、本当にいた?

A4. 司憲府の最前線で男たちを引っ張る女性捜査官という姿は作り話です。ただし、茶母が情報収集や雑務を通じて事件に関わること自体は身分制度の中でもあり得たと考えられています。

Q5. ヨジが出てこない回があるのはなぜ?

A5. 製作時の事情として演じたコ・アラの怪我があり、一時的に出番が減ったと報じられています。その影響で後半は政治劇が中心となり、ヨジは物語の外側に退いた印象になりました。

ヨニングンとヨジの関係は「史実の英祖とその側室」というより「こうだったらいいのに」という物語世界の関係です。

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著者イメージ

執筆者:フミヤ(歴史ブロガー)
京都在住。2017年から韓国・中国時代劇と史実をテーマにブログを運営。これまでに1500本以上の記事を執筆。90本以上の韓国・中国歴史ドラマを視聴し、史実とドラマの違いを史料(『朝鮮王朝実録』『三国史記』『三国遺事』『二十四史』など)に基づき初心者にもわかりやすく解説しています。類似サイトが増えた今も、朝鮮半島を含めたアジアとドラマを紹介するブログの一つとして更新を続けています。

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