韓国ドラマ「ポッサム・愛と運命を盗んだ男」の主人公・バウはごろつきで底辺の生活をしている人物。
朝鮮時代には「ポッサム」という未亡人をさらって別の男と結婚させる習慣があって、そのための誘拐をする枠割の人です。
ところがバウにはキム・デソク(金大錫)という名前があります。祖父は両班の金悌男(キム・ジェナム)でした。金悌男は宣祖の継妃・仁穆王后の父親。つまりバウは仁穆王后(大妃)の甥なのです。ドラマ後半でもバウ/キム・デソクは身分を回復、両班に戻ります。
金悌男も仁穆王后も実在の人物です。ということは金大錫という人はいたのでしょうか?
ドラマのバウ/キム・デソクとそのモデルになった人を紹介します。
バウ/キム・デソク(金大錫)
演:チョン・イル
本来の名前は金大錫(キム·デソク)。バウは幼名。
チャドルの父。
宣祖の継妃・仁穆大妃の甥。
祖父は延興府院君 金悌男(キム・ジェナム)。
幼い頃、イ・イチョムの策略でキム·ジェナムが粛清されると一人だけ脱出に成功。身分を隠したまま生きて賭博、盗み、喧嘩、ポッサムなどで生計をたてるごろつきになりました。
ポッサムとは未亡人を誘拐して他の男と結婚させる朝鮮の習慣です。でもバウなりの正義感はもっていて、愛している男がいる未亡人に限ってポッサムを引き受けていました。
ところが妻が同じ町に住んでいた友人と浮気して自分と息子を捨てて夜逃げ。そのため女性を信じられなくなります。幼い頃から誰からも愛されたことがないので、感情をうまく表現できません。でも息子のチャドルは大切に思っています。
しかしスギョンを間違ってポッサムしてしまったことから運命が変わります。
スギョンの命を狙うイ・イチョムを守るため、チャドルとともに脱出。
後に光海君の配下になって両班の地位を取り戻し。スギョンと結婚を認められます。
金大錫(キム·デソク)のモデル 金天錫
バウの本当の名前は金大錫(キム·デソク)。
宣祖の継妃・仁穆大妃の甥。
延興府院君 金悌男(キム・ジェナム)の孫です。
貞明公主、永昌大君のいとこです。
金悌男(キム・ジェナム)は実在の人物。
光海君の時代。1613年。大北派の李爾瞻(イ・イチョム)たちによって永昌大君を王にしようとした罪を被せられ処刑されました。
このとき金琜(キム・ネ)ら金悌男の3人の息子たちも処刑。
金琜の妻・鄭氏と幼かった金琜の子どもは済州島に流刑になりました。
1623年。西人派の反乱(仁祖反正)で仁祖が即位。
済州島に流刑になっていた金琜の妻と子供は釈放になりました。
このとき金琜の息子・金天錫(キム・チョンソク)は奇跡的に生き残り漢城に戻ってきました。その後、金天錫は69歳まで生きました。
金琜には娘もいて金光燦(キム・ギャンチャン)の妻になっています。
歴史上の金悌男に金大錫という名前の孫がいたとは記録されていません。金悌男の孫で生き残った金天錫と境遇がにています。
ドラマの金大錫(キム·デソク)は金天錫(キム・チョンソク)をモデルにしたようですね。
それか記録にはない子供がいたという設定なのでしょう。
残念ながら史実の金天錫は光海君の娘とは結婚していません。
もし生き残った金悌男の孫と光海君の娘が出会っていたら?
というのが「ポッサム」の世界なのですね。
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