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蘇易簡・宋太宗に仕えアルコール中毒だった役人

宋 4.3 宋の臣下と人々

蘇易簡(そ・いかん)は宋(北宋)時代の政治家。

北宋2代皇帝 太宗 趙炅に仕えました。

文章を作るのが得意で有能な役人だったのですが。大の酒好き。アルコール中毒でした。

酒を飲みすぎて36歳の若さで亡くなっています。

中国ドラマ「大宋宮詞」では蘇義簡(そ・ぎかん)の名前で登場します。

史実の蘇易簡はどんな人物だったのか紹介します。

 

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蘇易簡の史実

いつの時代の人?

生年月日:958年
没年月日:996年

姓 :氏
名称:不明

国:北宋

父:蘇協
母:不明

彼は2代 太宗時代の人物です

日本では平安時代になります。

 

おいたち

 

祖先は唐の玄宗時代の宰相・蘇頲(そ・てい)。

後周世宗の時代。顕徳5年(958年)。後周の梓州銅山(四川省徳陽市に中江県)で生まれました。

蘇家は代々、漢詩と書が得意。蘇易簡も若いころから頭が良く、勉強熱心でした。

北宋の建国後。

太平興国5年(980年)。22歳のとき科挙を受験。3000文字以上の答案を下書きなしで書きあげました。それを呼んだ太宗は蘇易簡を称賛。甲科第一位で合格しました。蘇易簡は有名になりました。

監丞通判、左贊善大夫を務めた後。

太平興国8年(983年)。右拾遺知製造、秩祠部員外郎を歴任。

仕事の公平さが評価され、太宗の信頼を得ました。

 永徽3年(986年)。翰林学士になりました。

学士とは皇帝の秘書のような役目。翰林学士は皇帝が出す命令書の草案を書く係です。

蘇易簡が翰林学士だったころ。蘇易簡は夜中まで学士院にいてつい寝てしまいまいました。そこに太宗がやってきたので蘇易簡は飛び起きました。しかし室内を照らすロウソクが足りなかったので宮嬪が窓の外から照らした。というエピソードがあります。

 

科挙の監督で不正疑惑?

また翰林学士には科挙の監督をする。という役目もあります。蘇易簡も科挙の監督を担当したことがありました。ところがその科挙で蘇易簡の義理の兄弟が合格。そこで蘇易簡は仲間から訴えられてしまいます。幸いにもこのときは蘇易簡に落ち度が無かったことがわかり問題にはなりませんでした。

淳化3年(992年)。35歳で蘇易簡は参知政事になりました。普通はもっと高齢の人がなる役職です。同じ役職には13歳年上の趙昌言もいます。

蘇易簡と趙昌言は仲が悪く太宗の眼の前でも二人は言い争いました。太宗は二人に「もっと寛容になれ」と注意しましたが。二人の仲の悪さは変わりません。

太宗は二人を異動させることにしました。

至道元年(995)。蘇易簡は礼部侍郎として鄧州、陳州に赴任しました。

 

酒の飲み過ぎで死亡

蘇易簡は優れた文章の書き手だったのですが問題がありました。大の酒好きだったのです。仕事中でも草案を書くたびに酒を飲んでいました。酒好きなのですが酔っていても仕事はきちんとこなしました。

ただやはり酔っていることは分かるので太宗は蘇易簡に仕事中の飲酒を禁じる命令を出しました。

でもプライベートな時間に飲むのは禁止されていません。蘇易簡は街に出て酒を飲み歩いていました。

太宗が蘇易簡を控えるように諭した漢詩を書いて蘇易簡に送ったこともあります。でも蘇易簡の酒飲みは収まりませんでした。

皇帝のそばにいてもその有様ですから。礼部侍郎として地方に異動になった蘇易簡はますます酒を飲むようになりました。

至道2年(996年)12月。赴任先で酒の飲み過ぎで死亡してしまいました。

享年39歳。

蘇易簡の死を知った太宗は大変悲しんだと言います。

 

文房の語源?

 

唐の時代。「文房」とは書斎を意味していました。北宋の蘇易簡は「文房四譜」または「文房四宝譜」という本を書き、文房で使う道具の中でも特に大切な筆、墨、硯、紙を紹介。この4つを「文房四宝」といいます。宋の知識人の中で筆、墨、硯などを価値のあるものとして扱う雰囲気ができたといわれます。文房四宝が筆記用具などを「文房具」とよぶ理由になったとも言われます。

 

大宋宮詞の蘇義簡

大宋宮詞 2021年、中国 演:曹磊(ツァオ・レイ)

ドラマの中では劉娥の義理の弟。蘇義簡として登場。

ドラマ開始時点で劉娥は過去に結婚してた設定になっていて。亡くなった夫の弟、という設定。投獄された劉娥を助けたりする味方キャラです。

史実では劉娥の夫・龔美は死なずに劉娥を趙恒に売ったのですが。ドラマでは劉娥が趙恒に出会うまでの経緯は大幅に変更。龔美は存在せず、蘇義簡の兄が劉娥の夫だったことになってます。

実際には劉娥と史実の蘇易簡は義理の姉弟ではありません。だから名前を変えてあるのでしょう。

 

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