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隋侯の珠とはどんな宝物?

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隋侯の珠(ずいこうのたま)とは古代中国の宝物。

「隨侯の珠」とも書きます。

「これ以上はない」というくらい貴重な宝物とされます。

ドラマ「大唐女法医」でも「隋侯の珠」が重要なアイテムとして登場します。

隋王朝の再興にもかかわる大切なアイテムです。

それほど重要なアイテムとして描かれる「隋侯の珠」とはどんな宝物でしょうか。

「隋侯の珠」にまつわる古代中国の伝説について紹介します。

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隋侯の珠の伝説

春秋時代。西周の国に「隨侯」という人物がいました。「隨侯」とは湖北の隨州の領主です。

あるとき、隨侯は領内を見回っていました。溠水地方にきたとき。突然、丘の斜面に傷づいた大蛇がいました。傷が深かったので大蛇はすでに瀕死の状態でしたが、その両目はまだ輝いており、大蛇にはまだ気が満ちていました。隨侯は大蛇を気の毒に思って、従者に大蛇に薬を塗って治療するように命令しました。大蛇は短い間に回復しました。回復した大蛇はその巨大な体で俊敏に馬車のまわりを三周して山林に戻っていきました。

数カ月後。

視察から戻ってきた隨侯は一人の黄色い髪の子供に出会いました。子供は馬車を止めて、隨侯に大きな珠を渡しました。隨侯は訳を聞きましたが、子供は何も言いませんでした。隨侯は「自分には受け取る理由がない」と思って受け取るのを拒否しました。

翌年。

隨侯は再び溠水地方に視察に来ました。そして山間部で休憩中に眠りました。すると夢の中に髪の黄色い子供が現われました。彼は自分は昨年助けてもらった蛇の化身だと名乗りました。彼は助けてもらったお礼に「珠」を差し上げると言いました。

隨侯は突然、目を覚ますと寝床に「珠」があるのを見つけました。

大きな珠は水から出てきたばかりのように、白く輝いていました。よーく見ると水晶のようで、海の上の満月のようにも見えました。

隨侯はため息をついて言いました「蛇は恩返しの方法を知っている。でも人の中には恩を受けても返さない人もいる」

その後、隨侯が貴重な珠を手に入れたという噂が広まると、たちまち各国の領主たちが欲しがりました。

随珠は楚の武王が手に入れ、秦が楚を滅ぼすと、この珠は秦の始皇帝が所有。秦の国宝になりました。秦の滅亡後、世の中は乱れ随珠の行方はわからなくなりました。

というのが「隨侯之珠」の伝説。

「隨侯之珠」とか「隨侯珠」といいます。

「隋侯(ずいこう)の珠(たま)、和氏(かし)の璧(へき)、得る者は富み、失う者は貧する」といわれるくらい貴重なものです。

宝物を手に入れると莫大な富が手に入るが、宝物を失ってしまうと困窮してしまういという。というハイリスク・ハイリターンな宝物。

もともとは春秋時代の地名「隨州」からきているので「隨侯の珠」と書くのが正しいのですが。隋建国後は隋候の珠」と書かれることもあります。むしろ現代では「隋侯の珠」と書くほうが多いかも知れません。

大唐女法医の「隋侯の珠」

伝説に登場する「隨侯」は春秋時代(紀元前8~5世紀)の「隨」という地域を治めている領主のこと。

西暦581年 に楊堅が建国した「随」とは違います。

でもドラマ「大唐女法医」では隋王朝の煬帝が所有していた宝物という設定になっています。秦滅亡後は行方知れずになっていた「隨侯の珠」は、いつの間にか隨の宝物になっていました。

煬帝の死後、「隨侯の珠」は行方不明になり。隋王朝も滅亡。

そして自称隨の末裔を名乗る者たちが、隋の再興を目指して「隨侯の珠」を探す。

そして唐の皇帝・李世民も「隨侯の珠」を探しています。

「隨侯の珠」の行方は最終回までわかりません。

最終的には李世民の物・つまり唐王朝の物になります。

隋は再興されず、唐はその後も栄えた。

ということですね。

隋侯の珠とはどんな珠?

隋侯の珠がいったい何だったのかはわかりません。現物が残っていないので確かめようもないのですが。いくつかの説があります。

水晶とはいわず「水晶のような」と書かれているので。天然の水晶ではなかったのでしょう。

それでいて丸い大きな宝石。大きいと言っても真珠とか宝石と比べて大きいという意味なので、人の頭ほどあるとか巨大なわけではありません。色は透明か白のよう。「水からでてきたような」とあるので光沢があるようです。

いくつかの説があります。

1. 真珠説。
でも真珠は大きくはありません。伝説でも大きな珠。とあるので天然の真珠くらいの大きさではわざわざ大きなとは言わないでしょう。透明感がないのも説得力に欠けます。

2. 自然ガラス説。
古代の王の陵墓からは2センチメートルくらいの透明な珠が出てきたことがあります。これは天然のガラスです。隕石の落下や火山の噴火など。天然の砂や石が高温が解けて固まったときにできます。極稀に大粒なものもあります。

3. 人工ガラス説。
4000年前のメソポタミア文明にはガラスビーズを作る技術がありました。その後、エジプトや西アジアに広まり。紀元前5世紀ごろには中国でもガラスの製造が行われています。

現代のガラスと違って古代のガラスは透明度が低いものが多いです。

4。ホタル石説。
中国では夜光石とか夜明珠ともよばれます。加工しやすいので石器時代から装飾などに使われています。良質なものは透明なものもあります。割れやすいのが欠点。

5.ダイヤモンド(金剛石)説。

水晶ではない透明な石といえばダイヤモンド。インドでは古代から貴重な宝石として尊ばれていました。古代中国では使われていません。

けっきょくのところ。よくわかりません。
水晶でいいんじゃないの?と思いますが。

どちらにしても「伝説の宝物」なのでもともと現物が存在しないのかも知れませんね。

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