韓国時代劇「仮面の王イ・ソン」は李氏朝鮮を舞台に。
仮面で顔を隠した王子が秘密結社に支配された国を救う。
というエンタメ時代劇。
王子の名前は「イ・ソン」。
思悼世子(サドセジャ)と同じ名前です。登場するのは架空の王様や王子という設定。でもモデルになっているのは英祖時代の朝鮮なのです。
仮面をつける王子にユ・スンホ。
王子に心を惹かれながらときには対立もおきるヒロインをキム・ソヒョンが演じます。
一部ネタバレ要素があるのでご注意ください。
「仮面の王イ・ソン」の主なあらすじ
18世紀の朝鮮王朝時代。
秘密結社「辺首(ピョンス)会」が怪しい毒を使って王や朝廷を支配していました。王世子(王位後継者)のイ・ソンは生まれたときから仮面を付けて暮らしていました。
王子が辺首会に支配されないようにという王の願いでそうしているのですが。イ・ソンはその理由を知りません。
どうしてもその理由を知りたくなったイ・ソンは仮面を外して王宮を抜け出し街に出ました。
イ・ソンはそれまで見たことのない、人々の生活の苦しさを知ります。
そこで聡明な良家の娘ハン・ガウンと、貧しい水売りで同じ呼び名のイソンと出会いました。
そしてイ・ソンは国を影で操る組織・辺首会と自分が仮面をつける理由を知ることになります。
そしてハン・ガウンやイソンとともに辺首会から国を取り戻す戦いが始まるのでした。
主要人物
イ・ソン(李煊)
演:ユ・スンホ
仮面の王イ・ソンとモデルになった史実の人物の関係
ドラマのイ・ソン
ドラマでは仮面をつけたまま育てられた世子という設定。正義感が強く、仮面を付けて生活しなければいけない理由を探るうちに庶民の苦しい生活を知ってしまいます。朝鮮を裏で操る辺首会の存在に気づき辺首会を倒そうとします。同じ名の実在したイ・ソンとは違い、死なずに王になります。
史実のイ・ソン(李愃) 思悼世子(サドセジャ)
名前は李愃(イ・ソン)。
21代国王 英祖の息子。荘献世子(チャンホンセジャ)という名前でよばれることもあります。22代国王 正祖(イ・サン)の父親です。
英祖の命令で米びつに入れられて餓死するという悲劇の最期をとげます。
父からの重すぎる期待や重臣たちの政治闘争に疲れウツ気味になります。精神を病んだ思悼世子は妻や妾にも暴力を振るい殺人事件も起こすDV夫でした。重臣たちが思悼世子の悪行を大げさに報告したこともあり、英祖は自害を命令。自害を拒んだ思悼世子は米びつに閉じ込められました。
正祖(イ・サン)の父なのでドラマでは良い人のように描かれます。
史実のイ・ソンについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
ドラマ「仮面の王イ・ソン」のイ・ソンは、実在のイ・ソン(思悼世子)と王になったイ・サン(正祖)を足したような設定ですね。
ハン・ガウン(韓加恩)
演:キム・ソヒョン
ハン・ギュホの娘。イソンの幼なじみ。
名前だけで呼ぶ時は「カウン」。
父は漢城府庶尹のハン・ギュホ。武官の血がながれており。早くに母を亡くたため、貧しい武官の生活を見守ってきました。そのため好奇心と責任感、自立心が身についています。
両班の娘でありながらもが賤民たちとも親しくする聡明で心優しい女性。彼らの力になりたいと頑張ります。父が処刑されたのはイ・ソンのせいだと思いますが。憎みたいと思いつつもイ・ソンに恋してしまいます。最終的には復讐ではなく愛を選びます。イ・ソンと結婚して朝鮮王妃になります。
イソン(異線)
演:エル(INFINITE)
賤民。水売りの息子。ハン・カウンの幼なじみ。幼い頃からカウンにあこがれていました。ハン・ガウンから読み書きを習います。街にでたイ・ソンと知り合いになり、名前の呼び名が王子の名前「イ・ソン」と同じなのでイ・ソンの代役になりまが、イソンは愛するカウンのため本当の王になろうとします。最終的にはテモクに逆らってテモクに挑んでいきます。
キム・ファグン(金花君)
演:ユン・ソヒ
キム・ウジェの娘。辺首(ピョンス)会の首領テモクの孫。王世子のイ・ソンに恋してしまい家族や組織を裏切ります。イ・ソンへの恋は実りませんが、それでもイ・ソンのために働き毒を作るために栽培してたケシ畑を焼き払うのを手伝います。そため祖父のテモクに殺されてしまいます。
イ・ソン達の仲間
イ・チョンウン(李青雲)
演:シン・ヒョンス
イ・ソンに忠実な護衛武官。イ・ソンにとって師でもあり友人でもある存在。父は禁軍別将を務める武官。
メチャン(梅窗)
演:イ・チェヨン
妓生(キーセン)。情報屋。イ・ソンの重要な情報源。かつてケシ畑で働かされていました。そこから逃げ出して今は平穏な生活をしています。毒をとるためのケシ畑で働かされている子どもたちを救うため世子に協力します。
パク・ムハ(朴武夏)
演:ペ・ユラム
漢城府の武官。後に吏曹正郎になり王世子イ・ソンを支えます。
ウ・ボ(禹普)
演:パク・チョルミン
酒を愛する学者。成均館(ソンギュングァン)の元司成(サソン)。ハン・カウンとイソン、イ・ソンの師匠。天文学や地理に詳しく、医学にも精通しています。
王室の人々
王
演:キム・ミョンス
イ・ソンの父。
イ・ソンの父。王になる前の名前はクムニョン大君。
王になるため辺首(ピョンス)会に入会して前の王を毒殺。王座につきました。毒を飲まされ辺首会に操られています。辺首会に入ったことを後悔し、息子イ・ソンには自分と同じ道を歩ませたくないと思っています。そこで息子イ・ソンの素性を隠すため仮面を付けさせました。辺首(ピョンス)会によってドラマ前半で死亡。
王のモデル・英祖
第21代国王。
父は19代粛宗。母は淑嬪崔氏。
王になる前の呼び名は 延礽君(ヨニングン)
英祖の長男が早くに死亡したため、次男のイ・ソンを世子にします。
たいへん厳しい性格でした。奇行の目立つイ・ソンを米びつに閉じ込めて餓死させてしまいます。でも後悔して孫のイ・サンを世孫にしました。
20代景宗は禧嬪張氏の息子で異母兄弟。景宗は即位して4年で死亡しました。そのため英祖が毒殺したのではないかという説も一部ではあります。
前の王を毒殺というのはドラマオリジナルではありません。噂としては英祖の時代からありました。現実にイ・インジャは英祖が不当に王座を奪ったと主張して反乱を起こしてます。
ただし景宗はもともと体が弱く、母・禧嬪張氏の死後は精神的にも不安定になり体調を崩すことが多かったようです。英祖が毒殺したという話は対立する派閥が作った濡れ衣のようです。
王妃/大妃
演:キム・ソンギョン
王の正室。のちの大妃。
国王の正室。イ・ソンの実の母ではありません。一見すると優しそうな人ですが、実は邪魔者は容赦なく排除する怖い人。ドラマ途中で大妃になります。イ・ソンの素顔は知らないという設定。最終的にはイ・ソンと和解。
王妃のモデル・貞聖王后徐氏
モデルになったのは英祖の正室・貞聖王后徐氏。
英祖がヨニン君時代に結婚した女性。「トンイ」でクムが若くして結婚する娘がこの人。12歳で結婚し65歳まで一緒に暮らしました。王妃としての在位期間は33年。意外なようですが、朝鮮王朝で最も王妃としての在位期間が長い王妃です(世子嬪や大妃の期間は含めない)。
実在の貞聖王后は寛容で心優しい性格で、思悼世子を我が子のように支えました。
楹嬪(ヨンビン)
イ・ソンの母親。国王の側室。イ・ソンの素顔を知る数少ない人物。心優しい性格。
楹嬪(ヨンビン)のモデル・暎嬪 李氏(ヨンビンイ氏)
思悼世子の生母は暎嬪李氏(ヨンビンイ氏)。英祖の側室です。女官出身。英祖にとても愛された側室だといわれます。
息子の思悼世子が精神的に病んで殺人を行っていました。暎嬪は孫を守るため、息子の思悼世子を罰する代わりに、孫は助けてもらうよう英祖に懇願しました。
ヒョンソク
演:ソン・イングク
イソン(異線)の護衛。イソンの秘密を知る人物。実はテモクのスパイ。
辺首会(ピョンス会)
朝鮮王朝を影で操る秘密結社。朝廷や役所にも辺首会のメンバーが入り込み。毒を使って人々をあやつり王までも支配しています。
史実の辺首会
史実でも1700年代(英祖の時代)の朝鮮には辺首会という組織が存在していました。朝鮮八道の水の利権を持ち大きな富と権力を持っていたといいます。水を管理して売る民間の組織です。
辺首会や水を売る商売についてはこちらでくわしく紹介しています。
・辺首会(ピョンス会)は実在したの?
テモク(大木)
演:ホ・ジュノ
辺首会の首長。ファグンの祖父。辺首会は先々代の王までは王の手先として働いていましたが。テモクの父が殺されたことから復讐を誓い、辺首会を朝鮮を影で操る組織にしました。イ・ソンとは対立していますが。ファグンがイ・ソンに恋してしまい毒をとるために栽培していたケシ畑を燃やしたファグンを殺してしまいます。
キム・ウジェ(金禹載)
演:キム・ビョンチョル
ファグンの父。テモクの息子。
テモクがファグンを殺したのを知り、冷たくなった娘の亡骸を抱きながら父と分かれることを決意。辺首会を去ります。その後、コンに説得されて王世子イ・ソンと取引。テモクを殺すことを条件に解毒方法を教えます。
コン(坤)
演:キム・ソギョン
ファグンの護衛。優秀な刺客。心のなかではファグンを愛していました。ファグン亡き後。彼女の意志を継いでイ・ソンに味方します。
チョ・テホ(曹泰浩)
演:キム・ヨンウン
テモクの手下。漢城の揚水庁長。
その他の人々
ハン・ギュホ(韓圭鎬)
演:チョン・ノミン
漢城府(ハンソンブ)の庶尹(ソユン)。ハン・カウンの父。
斬首されます。
イ・ボム(李范宇)
演:チョン・ドゥホン
イ・チョンウンの父。禁軍別将。
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