中国ドラマ「宮廷恋仕官~ただいま殿下と捜査中~」の紹介記事です。
唐の宣宗皇帝の時代。
南西部の山岳地帯の検視官の家系に生まれた楚楚(そ・そ/ 演:スー・シャオトン)はマイペースで明るい少女。楚楚は検視官になる夢を叶えるために試験を受けようと単身長安にやってきました。
安郡王・蕭瑾瑜(しょう・きんゆ/ 演:ワン・ズーチー)は事件の謎を解明するため、楚楚の腕を見込んでパートナーにスカウトします。ところが楚楚の出生には謎があり、彼女は都の勢力争いに巻き込まれていきます。やがて二人の間には愛が芽生えてゆき・・・
さらに事件を解決いくうちに楚楚と蕭瑾瑜のコンビは18年前から続く衝撃的な事件を解決。楚楚は宣宗皇帝から「御賜仵作(朝廷認定の検視人)」の地位を与えられ人生の夢を実現しました。
そして二人の関係は?
番組情報
原題:御賜小仵作
英語:The Imperial Coroner
2021年、中国
全29話
タイトル「御賜小仵作」の「御賜仵作」は朝廷が認めた検視人のこと。
英題の「The Imperial Coroner」の直訳は「帝国の検視人」。意味は同じ。
時代背景
9世紀の唐。第20代皇帝 宣宗 (在位846~859年)の治世。
安史の乱(麗王別姫のころ)の影響で唐は衰え。宮廷では宦官が権力を握っていました。宦官以外にも朝廷の役人や節度使たちも権力を狙っています。
そんな苦しい状況で宣宗皇帝はかつての唐の力を取り戻そうと苦心している時代です。
用語解説
・検視官(中国版では 仵作)
遺体を調べる人。劇中では現代の検視官に近いイメージ。捜査にも関わります。
唐代の仵作(こさく)は外見を調べるだけで遺体解剖はしません。もちろん捜査にも関わりません。その代わり遺体の埋葬を請け負います。身分が決まっていて家業としてやっていました。唐の時代には検視官という役職はなく。役人が金を払って民間の仵作を雇っています。遺体を扱うので卑しい身分とされます。
韓国ドラマ「トンイ」で仵作人(オジャギン)をしていたトンイの父が当時のイメージに近いです。
でも現代の中国小説・ドラマではもっと立派な検視役人として描かれることが多いです。
詳しくはこちら
・遺体の検視役・仵作とは?
・三法司
刑部・御史台・大理寺を合わせた呼び方。
三法司は明・清朝時代の呼び方で唐代の呼び名は「三司使」。歴史上は三法司(三司使)は独立した組織で、3つの部署を統括する人物は存在しません。
・甘露の変(かんろのへん)
文宗皇帝の時代に実際にあった事件。当時、朝廷で権力をもっていた宦官を排除するため。礼部侍郎の李訓や太僕寺卿の鄭注が宦官を粛清しようとしました。しかし計画がバレてしまい逆に朝廷の高官が大量に殺害されました。それ以来、朝廷で宦官に逆らえる者はいなくなり皇帝も宦官の操り人形になってしまいます。
劇中で過去に起こった事件。冷月の父たちがそのときに犠牲になったという設定。
甘露の変の後、宦官の権力は強くなりすぎていましたが。宣宗皇帝はある程度は抑え込むことに成功しました。そのような歴史的背景がこのドラマのモチーフになっています。
主要人物
楚楚(そ そ)
演:蘇暁彤(スー・シャオトン)
黔州関嶺県平楽鎮の仵作(検視をする人)を生業にする楚家の娘。検視官になるのが夢。鋭い観察眼と分析力をもちます。検視官の試験を受けるために長安にやってきたところを蕭瑾瑜と出会いました。実は楚家の実の娘ではなく出生には謎があります。
蕭瑾瑜(しょう きんゆ)
演:王子奇(ワン・ズーチー)
安郡王。三法司執掌(従一品)。西平公主の息子。楚楚の検視官としての才能に注目。父の死の真相を突き止めるため彼女と捜査を開始します。景翊や冷月とは幼い頃から一緒に育ってきました。閉所恐怖症。
実は養子。本当の両親は剣南節度使の陳瓔夫妻。
景翊(けい よく)
演:楊廷東(ヤン・ティンドン)
蕭瑾瑜の幼なじみで彼の右腕。大里寺のエリート役人。父は景閣老。話し好きで軽薄な所もありますが、仕事は真剣。冷月が好き。結婚したいと思っています。
冷月(れいげつ)
演:趙尭珂(ジャオ・ヤオコー)
「初恋王宮~お妃さまと呼ばないで~」
「刺客列伝」
黔中道節度使 冷沛山の孫娘。武芸に秀でています。両親は甘露の変で死亡。大将軍の祖父に反発して各地を放浪していました。蕭瑾瑜から楚楚の身辺調査を依頼されそれをきっかけに仲良くなります。西平公主の親戚。景翊とは家族同然の存在。
その他の人物
蕭瑾璃(しょう きんり)
演:王彦鑫
蕭瑾瑜の兄。蕭恒と西平公主の実子。都虞候。将軍。幼い頃に水に落ちて蕭瑾瑜に助けられたため蕭瑾瑜には恩義を感じています。将軍の地位を譲りたいと思うほどです。鎮遠鏢局の羅嫣に恋しています。
薛汝成(せつ じょせい)
演:郭秋成
蕭瑾瑜、蕭瑾璃の師匠。翰林学士。後に兵部尚書(陸軍大臣)に出世。
実は偽銅銭の黒幕。様々な悪事に関わっています。「昌王」とも関わりがあります。
秦欒(しん らん)
演:穆懷虎
宮中の権力を握る宦官の元締め。皇帝を守る神策軍の統領。蕭瑾瑜とは敵対しています。
18年前。剣南節度使の陳瓔を陥れ蕭恒にも危害を加えました。やがて謀反を計画。
蕭恒(しょう こう)
演:田牧宸
蕭瑾瑜、蕭瑾璃の父。西平公主の駙馬(皇帝の娘婿)
景閣老の友人。18年前、剣南節度使の事件で秦欒の迫害をうけて都に帰れなくなっていました。逃げ延びて奇跡的に助かり呪術者に助けられました。呪術者の死後は自分が呪術者に変装して黔州で暮らしていました。そのころ楚楚に会ったことがあります。自分の死を覚悟した彼は剣南節度使の事件を解決するための証拠を残します。
西平公主(せいへいこうしゅ)
演:史蘭芽
蕭瑾瑜の義母、蕭瑾璃の母。
文宗皇帝の娘。武術に優れ鞭の扱いが得意。夫の蕭恒を愛していて夫が戻ってくるのを待っています。剣南節度使 陳瓔の夫人とは親友。陳家の唯一の生き残りを引き取り育てました。
宣宗皇帝
演:郭軍
唐の第20代皇帝。第15代 憲宗の十三男。
衰えた国の力を戻そうとしています。
景致(けい ち)/景閣老
演:許正廷
景翊の父親。朝廷の重臣。駙馬の蕭恒とは親友。剣南節道使の事件の前には公主府を守るように依頼され、長年に渡って公主府を守ってきました。
楚平(そ へい)
演:孫榮
楚楚の養父。
楚楚の母を埋葬したとき。胎内にいた楚楚を助け出して育てました。
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