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楊錦蕊のモデル 楊美人 は宋仁宗初期の後宮で皇帝を虜にした側室の一人だった

北宋 仁宗正室側室 4.2 宋の皇后・側室・公主

中国ドラマ「孤城閉」では楊錦蕊(よう・きんずい)という女性が登場します。

楊錦蕊のモデルになったのは仁宗 趙禎の側室・楊美人です。
「宗妙」という名前もありますが。道教に出家した時に与えられたものです。本当の名前はわかりません。

ドラマ「孤城閉」の楊錦蕊は実際の歴史のキャラクター像とはちがいます。ドラマではあまり出番がありませんが。史実では仁宗の初期の後宮ではなかなかの存在感をもった側室でした。

史実のはどんな人物だったのか紹介します。

 

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楊美人の史実

姓:楊(よう)氏
不明:不明
賜名:宗妙

国:宋(北宋)
地位:原武郡君→美人→無(廃位、出宮)→美人→婕妤→修媛→修儀(尊封)→德妃(追贈)

生年: 1019年
没年: 1073年
父:楊忠
母:不明
夫:仁宗
子供:商国公主(荘宣大長帝姫)

1019年。楊宗妙が誕生。

出身地は定陶(山東省菏沢市)。

父は楊忠。
母は不明です。

彼女の父親は劉太后の遠縁です。

天聖年間(1023~1032年)に宮廷に入り、下級の側室として仕え、「原武郡君」の称号を与えられました。

すぐに美人に昇格しました。

同じ時期に美人になった尚美人とは仲がよかったようです。

楊美人は容姿が美しく、利口で音楽や書道も得意でした。仁宗に取り入るのが上手でした。

その後、彼女と尚美人は二人とも仁宗の寵愛をうけました。

楊美人と尚美人は郭皇后とは仲が悪かったようです。

 

劉太后の死後、郭皇后と争いが激化

郭皇后を追放

明道2年(1033年)。劉太后が死去。

郭皇后は仁宗から冷たくされていましたが劉太后の後ろ盾がありました。

でも劉太后の死後。郭皇后は後ろ盾を失いました。

郭皇后と尚美人が寵愛を競い合って争い、郭皇后が誤って仁宗をぶってしまったため、皇后は廃されました。

楊美人と尚美人の虜になる仁宗

郭皇后が追い出された後。仁宗は楊美人と尚美人のいる後宮に通い続けました。郭皇后というブレーキ役がいなくなったので仁宗は堕落した生活をおくりました。楊太后や大臣が心配して注意しますが、仁宗は聞きませんでした。

楊太后や後宮の宦官・閻文応がうるさく言い続けようやく仁宗は楊美人と尚美人を宮中から追放することにしました。

次の年(1034年)。楊氏は宮殿を出され瑤華宮に移りました。道教の祭祀を行う施設ですが冷宮みたいなものです。「宗妙」という道教の名前を授かり瑤華宮で暮らしました。

尚美人は洞真宮に送られました。

 

追放されても戻ってくる

ところが仁宗は楊氏を忘れられません。

景佑2年(1035年)。楊氏を後宮に呼び戻し「美人」にしました。

もともとすぐに戻す予定だったのかも知れません。

父の出世を拒否

あるとき宋仁宗は彼女の父親に官職を与えようとしました。ところが、彼女は「外官(親族でない者)は苦労して高位を得るものですが。父には功績がなく理由もなく昇進はできません。悪い噂がたってしまいます」と言って辞退。

宋仁宗は喜び、彼女を肅儀殿に移し、彼女の祖父に貴州刺史の地位を追贈し、叔父や弟など5人にも官職を与えました。

娘が早世

慶曆2年(1042年)。商国公主を出産。ところが商国公主はすぐに亡くなってしまいます。
仁宗は生まれる子供は多いのですがほとんどの子が幼くして亡くなっています。仁宗は遺伝的に問題があったのかも知れません。仁宗の父親・真宗の子も幼くして亡くなった子が多いです。

晩年

皇祐2年(1050年)10月、彼女は婕妤に昇格しました。

嘉佑8年(1063年)宋仁宗が死去。

嘉佑8年(1063年)3月。新しく即位した英宗は楊氏に修儀(正二品)の位を与えました。

熙寧5年(1072年)12月。楊修儀が死去。享年54歳。「賢妃」に追贈されました。

元符3年4月(1100年)。哲宗の時代に「徳妃」に追贈されました。

 

 

テレビドラマ

孤城閉 2020年、中国 演:牟曉葉 役名:楊錦蕊

ドラマでは郭清悟が退場のが前提の愚かなキャラに描いているので。郭清悟と対立して廃位の原因を作る楊美人と尚美人の役割も小さくなりがち。外臣から賄賂をもらっているところを見つかって退場です。ドラマでは雑魚キャラです。

歴史の記録では仁宗が好きではなかったと言うのはありますが。郭皇后が愚かというより楊美人と尚美人が積極的に挑発して二人で皇后と対立。両美人は退場してもまた復活したりと。なかなかのしたたか者です。

うまくアレンジすれば清朝ドラマに出てくる悪役キャラのようにもできたのにもったいないですね。

 

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