韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」第13・14・15話のあらすじとネタバレをまとめました。
民心を集める世弟に不安を募らせる景宗。噂と上奏文を利用して世弟失脚を狙うミルプン君。謀反捏造の真相に迫る過程が描かれます。
この記事では、第13話〜第15話の流れを整理しつつ、景宗の気持ちや「世弟は先王の子ではない」という噂をわかりやすくまとめました。
この記事はネタバレになる要素を含んでいます。ストーリーを知りたくない方はご注意ください。
この記事で分かること
- 第13〜15話で描かれる景宗が世弟を恐れるに至る心理の流れ
- ミルプン君とウィ・ビョンジュが仕掛けた謀反捏造・噂操作
- 「世弟は先王の子ではない」というデマの史実上の位置づけと、ドラマでの脚色ポイント
- ミルプン君・ウィ・ビョンジュの失脚が実際の辛壬士禍・李麟佐の乱とどう異なるのか
ヘチ 第13話 眩惑(げんわく)
世弟の摂政を求める上奏文に不安になる景宗
民衆の世弟への期待は日増しに高まっていました。そこにある上奏文が朝廷に届きました。世弟を摂政にして国政を任せてほしいという内容でした。もしそれを世弟が書いたものなら、王座を譲れという逆心を抱いていることになります。その上奏文はミルプングンが書かせたものでした。タルムンはその事実を知っていましたが、ユニョンに頼まれて世弟には報告していませんでした。
世弟を認めつつも不安になる景宗
景宗は、いずれ世弟を王位にとは考えていたものの、世弟の人気が高まると不安になってきました。自分が王座を奪われてるのではないかと思ったのです。そんな矢先に上奏文が届いたので景宗も怒りに震えました。
ユン・ヒョクが景宗にある提案をしました。司憲府と弘文館らの官職を詳しく調べて、不正がわかれば失職させるというものです。その場には世弟も同席して王とともに報告を聞いていました。世弟は処罰を与え罷免する前に、自ら過ちを悔い改めさせるべきだといいました。景宗もその意見を支持しましたが、内心不安でした。もしかすると民衆も本当に世弟の摂政を望んでいるかもしれないからです。
世弟もそんな景宗の気持ちを理解して頭を悩ませます。
世弟は景宗が自分を警戒するようになったのは上奏文のせいだと知ります。ミン・ジノンに上奏文を作らせたのかと問いただしますが、ミン・ジノンは違うといいます。
ミルプングンの罠
世弟は景宗に会い、自分は上奏文を書いておらず逆心も抱いていないといいます。ところが景宗は世弟に摂政を任せてやろうと言いました。世弟は景宗の誤解をとくために座り込みをはじめました。むしろの上に座りひたすら王の処分を待つのです。その姿を見たイ・グァンジャはイヌォン大妃に助けを求めます。
ミルプングンはウィ・ビョンジュに接近しました。ウィ・ビョンジュは不正を暴かれ失脚しそうになっていたからです。ミルプングンはイ・イギョムとキム・チャンジュンの孫を逆賊に仕立てあげようとしていました。
注目点:景宗は本当に世弟を疑っていた?
ドラマでは世弟への摂政要求上奏文が届き、景宗は「弟に王座を奪われるのでは」と恐れ、強い警戒心を抱くように描かれます。世弟が官僚処罰で穏健な意見を出しても、それすら「自分より王らしい」と映って不安を増幅させる…という、ほぼ“疑念一色”の兄となっています。
史実では少論が老論の謀反をでっち上げ、老論子弟を逮捕・取り調べする中で、延礽君(世弟)の名前が出てきましたが。景宗は延礽君本人を逮捕することには最後まで同意しませんでした。少なくとも「延礽君逮捕」「処罰」の記録はなく、結果として彼は英祖として即位します。
ドラマのような“全面不信”というより「疑いはあったかもしれないが、決定的な一線は越えなかった兄」と見る方が史料には近そうです。
ヘチ 第14話
景宗暗殺計画の調査が始まる
ミルプン君がウィ・ビョンジュに謀反の告発書を書かせました。そこにはキム・チャンジュンの孫ソニョン、イ・イギョムの息子ギジンを含む12名が景宗暗殺を企てていると書いていました。
それを知った景宗は逆賊を拷問するための部署を設置。取り調べをはじめます。
ミン・ジノンは誰が上奏文を書いたのかわからない間には動かないほうがいいと考えていました。
タルムンの裏切り
ミルプン君はタルムンに噂を広めさせます。それは世弟は先王の息子ではなく、母である淑嬪崔氏が他の男の子を身ごもり先王の子だと偽ったというのです。タルムンはこれを街中に広めました。世弟が信頼していたタルムンの裏切りにパク・ムンスは怒りを覚えます。
世弟は民衆の支持を失いました。世弟の座から降りるしかありません。
ウィ・ビョンジュは尋問を任され、告発した12人を拷問しました。彼の目的は拷問することで12人の口から世弟の名を引き出し、謀反の首謀者が世弟だと言わせることでした。
世弟はミン・ジノンと会いました。世弟はこれがミルプン君の仕業だと知り、ミン・ジノンも知っているはずだと思いました。ミン・ジノンは意見が合わないこともあるが少なくとも国のことを考えて動いている。世弟はミン・ジノンに協力を呼びかけます。
タルムンの真意に気づく世弟
パク・ムンスは世弟に会い、街で拾った張り紙を見せました。タルムンの裏切りを知って悲しむ世弟でしたが、怪文書におかしなところがあるのを見つけました。意図的に漢字が変えられている部分があるのです。その文字を集めると「謀反の張本人は密豊君」とよめるものでした。世弟はタルムンが裏切ったわけではないと知ります。
一方、世弟は尋問の場に呼ばれる事になりました。ミン・ジノンも世弟を呼ぶことに賛成します。世弟は尋問の場に呼び出されました。
注目点:世弟は先王の子ではないという噂は本当にあった
第14話ではミルプングンがタルムンを使い「世弟は先王・粛宗の実子ではなく、淑嬪崔氏が別の男の子を偽って産んだ」という噂を街中にばらまきます。
史実でも英祖(延礽君)は「父親が本当に粛宗か?」という中傷に苦しみました。とくに即位後、1728年の李麟佐(イ・インジャ)の乱やナジュ怪書事件では、「英祖は粛宗の子ではなく、老論の重臣・金春澤と淑嬪崔氏の私通で生まれた」「王家の血筋はすでに入れ替わっている」という噂が反乱の“大義名分”として掲げられます。
ただし、これは当時から「悪質な流言飛語」とされ根拠はありません。系譜・実録とも一貫して英祖を「粛宗と淑嬪崔氏の第2子」と記し。出生が疑われた痕跡はありません。
ドラマは、後のデマをあえて景宗期に前倒しして「まだ王になっていない世弟が民衆の支持を一気に失う」というドラマチックな場面として登場させています。
ヘチ 第15話
ミン・ジノンの証言で世弟への尋問が中止に
世弟の尋問が始まりました。国王の景宗が直々に質問して世弟に自白を求めます。でも世弟は自分は逆心は持っていない、謀反も考えていないと言います。
そのときミン・ジノンが立ち上がりこの尋問は認めることはできないと言います。世弟が謀反を企てた疑いや証拠はまったくないからです。ミン・ジノンはこのことを言うために尋問に賛成したのです。景宗も心のなかではミン・ジノンの考えと同じでした。
尋問は中止になりました。世弟は助かりました。しかし、証拠がないので謀反を捏造したミルプン君やウィ・ビョンジュの罪を明らかにすることはできません。
捏造がばれて焦るミルプン君
世弟はミルプン君のもとを訪れました、そこにはタルムンがいました。驚いた世弟はタルムンを裏切り者と非難します。しかし世弟はタルムンが裏切っていないことは知っていました芝居を演じていたのです。
世弟がミルプン君を謀反捏造の罪で捕らえると言うとミルプン君は不安になりました。世弟がミン・ジノンを味方につけていると知り焦りました。世弟はタルムンに対して「淑嬪崔氏、真実、比今巳蜜」このような張り紙をして生き延びることができると思うのかと言って立ち去ります。タルムンは自分の暗号を世弟が解読したと知りました。
ミルプン君の罪が暴かれる
そのころパク・ムンスはウィ・ビョンジュがハン・ジョンソクを殺害した証拠を見つけました。当時の検視官がウィ・ビョンジュの命令で報告書を2枚作ったこと、当時の当直がウィ・ビョンジュが現場にいたことを証言しました。
焦ったウィ・ビョンジュは一人だけ捕まるわけにはいかないと考え、謀反捏造の黒幕はミルプン君だと告発しました。ウィ・ビョンジュは司憲府に捕らえられました。
景宗は寝室にこもったまま動けませんでした。景宗は王座を奪われると思い、世弟を敵だと思って追い込みました。景宗は心臓に痛みが走ります。世弟が寝殿を訪ねてきました。景宗は父・粛宗が世弟を世継ぎにしたいと考えていたことを思い出しました。父は次の王には世弟がふさわしいと思っていた。景宗はそのことを世弟に話し王座を譲るべきは自分だったと言いました。その後、景宗は兵を動かしてミルプン君を捕らえるように命じます。
そのころタルムンは清国の人身売買を知っている商品を捕まえ、ミルプン君との取引を証言するように言いました。
パク・ムンスは人身売買を仕切っていたト・ジグァンを捕らえに妓楼に向かいます。世弟も合流して人身売買のグループを捕まえました。あとはミルプン君だけになりました。
注目点:ミルプン君とウィ・ビョンジュの自滅は、史実どこが違う?
ドラマではパク・ムンスが旧事件(ハン・ジョンソク殺害)の証拠を掘り起こし、検視官の二重報告書や当直官の証言を手がかりにしてウィ・ビョンジュを追い詰めていきます。逃げ道を失ったウィ・ビョンジュは、謀反捏造の黒幕はミルプン君だと自白。自分から司憲府に捕らえられる形になります。続いて人身売買ルートの証拠もつかまれて、悪役コンビが自滅した形になりました。
ところが実際の辛壬士禍とその前後の出来事では老論・少論それぞれの重臣たちが失脚と復権を繰り返してはいるものの、特定の一人の王族(密豊君)が、景宗の時代に謀反捏造の黒幕として摘発され逮捕されるといった記録は残っていません。密豊君が歴史の表舞台に姿を現すのは、英祖期の1728年「李麟佐の乱」で担ぎ上げられる側として登場するときです。
第15話のようにこの時期にミルプン君個人が陰謀を働くといったことはなかったのです。
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