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那爾布(ナルブ) 継皇后(嫻妃)那拉氏の父とは?

大清 1.5 清の重臣・役人・男達

那爾布(ナルブ)は清朝の役人。

乾隆帝の嫻妃で皇后にもなった輝発那拉(ホイファナラ)氏の父親です

雍正帝時代に満洲鑲藍旗 の 佐領という集団の長官をしていた人物です。大物政治家でも将軍でもありません。

那爾布の娘が皇后になったことで名前が歴史に残ることになりました。

史実の那爾布(ナルブ)はどんな人物だったのか紹介します。

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那爾布(ナルブ) の史実

いつの時代の人?

生年月日:1713年6月13日
没年月日:1760年6月2日

姓:輝発那拉(ホイファナラ)氏
名:那爾布(ナルブ)
称号:一等承恩公(追尊)
地位:満洲 鑲藍旗 佐領
父:不明
母:不明
妻:郎佳氏

子供
息子:訥裡(ネリ)
娘:奉恩輔國公・富增の嫡妻・那拉氏
継皇后・輝発那拉氏

孫:納蘇肯(ナスケン)

清王朝の第6代皇帝・乾隆帝の時代です。

日本では江戸時代になります。

「佐領」とはどんな役職?

那爾布(ナルブ)は鑲藍旗の佐領でした。

「佐領」とは満洲族の 牛录(ニル)を漢語に訳したもの。

200~300人くらいの部族集団を牛录(ニル)といいます。ニルをまとめる長官が「ニル・ジャンギン」です。住民の戸籍や農地や軍団の管理、訴訟を取り扱います。村長みたいなものです。戦争になったら指揮官になります。

満州族はヌルハチの時代に八旗制度を完成させました。それまでの部族社会をまとめて満洲人社会をまとめる組織を作りました。

どの土地にどれだけの人がいるかを管理する農耕社会と違って。遊牧民社会はどの家族がどこの組織に所属しているかが大切です。住む土地が変わっても、人の集団がムラやクニになりました。八旗社会を作る基本単位がニルとよばれる集団です。

漢字では「集団」を意味する「ニル」も「長官」を意味する「ニル・ジャンギン」も「佐領」と書きます。

肩書に「佐領」とついていれば集団をまとめる長官のことです。

「輝発那拉」になったわけ

那爾布(ナルブ)が治めていた佐領は輝発地方出身者で編成された集団でした。

「輝発」地方出身の「那拉」氏だから「輝発那拉」と名乗っているわけです。

日本だと「加賀」の「藤原」だから「加藤」と名乗るのに似ています。

でも清朝の記録では省略されて「那拉」と書かれていることも多いです。

でも「那拉」一族でも「輝発那拉」はあまり有名ではありません。皇后が出ている「烏拉那拉」の方が有名です。

そこで後の時代の人たちは「那拉」を有名な「烏拉那拉」と勘違いしました。

だから如懿伝では「烏拉那拉」氏になっているのです。

もともとは那爾布(ナルブ)の兄・羅多升(ダライ)が佐領でしたが、兄が参領(ジャラン)に昇進したので弟の那爾布(ナルブ)が佐領になりました。

那爾布(ナルブ)の娘が妃に

那爾布(ナルブ)が生まれた年は不明。

那爾布(ナルブ)には継皇后以外にも息子が一人、娘が一人いました。

息子の訥裡(ネリ)は佐領の地位を受け継ぎました。

娘の一人は奉恩輔國公・富增の正妻になりました。

富增の妻は継皇后よりもずっと年上です。

1718年(康煕57年)。娘の那拉氏(後の継皇后)が生まれました。

1733年(雍正11年)。娘の那拉氏が弘暦の側室になりました。
このとき那爾布(ナルブ)はすでに「元佐領」と記録にあります。

那爾布(ナルブ)は佐領でしたが、病気を理由に息子の訥裡(ネリ)にその地位を譲っていました。高齢だったようです。

1734年(雍正12年)。那爾布(ナルブ)にはミンクの毛皮でできた冠。那拉氏の嫡母(ナルブの妻)には真珠で縁取られた耳飾りが贈られました。

1735年(雍正13年)。乾隆帝が即位した時。那爾布(ナルブ)はまだ生きていました。娘の那拉氏が「妃」になりました。父の那爾布(ナルブ)に褒美が与えられました。乾隆帝は那爾布(ナルブ)一家に新しい家を与えました。

娘が皇后になったときにはこの世にいなかった

1748年(乾隆13年)。孝賢純皇后が死去。那拉氏が次の皇后候補になりました。那拉氏の家族は鑲藍旗から正黄旗に移りました。鑲藍旗は親王の指揮下にある集団。正黄旗は皇帝直属の集団です。地位があがったことになります。ところがこのときはすでにナルブは他界していました。

皇后那拉氏の家族は甥の納蘇肯(ナスケン)が当主になっていました。鑲藍旗の佐領の地位も訥裡(ネリ)から納蘇肯(ナスケン)に変わっていました。

1750年(乾隆15年)。那爾布(ナルブ)には「一等承恩公」の称号が与えられました。

乾隆帝の即位後から娘が皇后になるまでに間に死亡しているようです。

残念ながら娘が皇后になる姿は見ることができませんでした。

でも娘が失脚するところを見なくてすんだのは唯一の救いでしょうか。

継皇后の死後。一族の所属も正黄旗から鑲藍旗に戻されました。

テレビドラマ

瓔珞〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜 2018、中国
演:姚未平

如懿傳〜紫禁城に散る宿命の王妃~ 2018、中国
演:王勁松

那爾布(ナルブ)については詳しいことは分かっていません。それほど高い地位でもありません。そのため自由にストリーが作れるのでドラマによって様々な描かれ方をしています。

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