ホンギルドンが名乗った洪僉知(ホンチョムジ)とはどういう意味?

2018年12月3日

韓国時代劇「逆賊・民の英雄ホン・ギルドン」ではギルドンは洪僉知(ホンチョムジ)を名乗ります。

僉知(チョムジ)というのはヒーローを意味する言葉ではありません。役人の役職名です。

僉知とは何なのか。ギルドンはなぜ僉知を名乗ったのか紹介します。

僉知は役職名

正式には僉知中枢府事といいます。省略して「僉知」と呼びました。

僉知は高麗から李氏朝鮮時代に存在した「中枢院」という役所に務める役人です。

中枢院は王命を発行したり軍隊を管理したり警備をする役所でした。

2代定宗から3代太宗の時代に組織が変更になり、王命の発行は承政院が引き継ぎました。軍隊の管理は兵曹が担当しました。中枢院の役割は減りました。権限を失った中枢院は名前だけの役所になりました。

世祖の時代には組織名は中枢府となり規模は縮小されました。

中枢府の役職は、他に役職をもたない武官がつく名誉職になりました。たいそうな役目のように思えますが、実際には窓際族のために用意された形だけの役職だったのです。

退役間近の役人や新たに採用された役人が一時的に在籍するための仮の居場所としても使われました。

中枢府の組織

正一品 領事 1人
従一品 判事 2人
正ニ品 知事 2人
従ニ品 同知事 7人
正三品 僉知事 8人
従四品 経歴 1人
従五品 都事 1人

僉知は正三品の地位にある中堅クラスの役人です。「堂上」とも呼ばれます。

僉知に関係することわざ

李氏朝鮮末期に広まったことわざを紹介します。

「お金さえあれば犬もチョムジ」

李氏朝鮮の後半になると官職はお金で売買されるようになりました。賄賂さえ渡せば僉知クラスの役人には慣れたというのです。そこで役職が売買されていることを風刺することわざが生まれました。

ホン・ギルドンがなぜチョムジなの?

燕山君の時代。洪吉同(ホン・ギルドン)という盗賊がいました。

ドラマの洪吉童(ホン・ギルドン)のモデルになったといわれる人物です。ドラマのような英雄ではありません。詐欺師のような盗賊でした。

洪吉同は忠清道(韓国の西部)で活動していた盗賊です。

洪吉同は僉知中枢府事を自称して仲間を率いて官庁街に入り金品をだまし取っていました。洪吉同はニセモノの役人なのですが、人々は本物の役人だと勘違いして税として収めるはずの金品を差し出しました。

詐欺事件の捜索のため朝廷は大規模な取り調べを行ったので住民にもその存在が知れ渡ったようです。

しかし洪吉同はドラマみたいに奪った金品を住民たちに配っていたのではありません。私服を肥やすために奪っていました。

洪吉同がニセモノの役人として活動できた理由には嚴貴孫(オム・グィソン)ら地方役人の強力があったからだといわれます。嚴貴孫は正三品 僉知事の武官でしたが、地位にはふさわしくないほど蓄財していました。漢城(ソウル)や地元に家を持ち、多くの穀物を溜め込み、店も経営しました。奴婢も持っていました。洪吉同が集めたお金の一部をもらっていたようです。

嚴貴孫が正三品 僉知事だったので、洪吉同もそれと同じ役職を名乗ったようです。今でいうと役職の名義貸しのようなものでしょうか?

燕山君の時代。洪吉同と嚴貴孫は逮捕されます。嚴貴孫は役職を剥奪され追放になりました。洪吉同がどうなったかについては記録が残っていません。

ホン・ギルドンの詳しい紹介はこちら
ホン・ギルドン(洪吉同)、義賊・洪吉童のもとになったのは実在の詐欺師だった?

 


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