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翟蘭葉(たくらんよう)のネタバレと瘦馬

花様衛士 2 ドラマ人物

翟蘭葉(たくらんよう)は中国ドラマ「花様衛士・ロイヤルミッション」に登場する人物。

揚州で殺人事件に遭遇した陸繹と袁今夏が捜査をしている途中で出会う女性で、殺人事件のカギを握る女性です。その後もドラマには登場してボスキャラの巌世蕃とのかかわりもあります。

完全オリジナルの人物なのでモデルになった人は存在しません。

翟蘭葉は「瘦馬」という設定になってます。日本では聞いたことのない言葉ですが。明朝時代の中国には「瘦馬」と呼ばれる人たちがいました。

翟蘭葉のネタバレと「瘦馬」とはどういう人なのか紹介します。

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翟蘭葉(たくらんよう)のネタバレ

翟蘭葉は不幸な境遇から揚州痩馬になったということにしています。でも実は巌世蕃の手下でした。

上官曦とは親しい友人で何度か彼女を救ってきました。

蘭葉の父は拳法の達人ですが破門されてヤクザものになりました。蘭葉も父から飛針を習っていました

その後、親を殺された蘭葉は春喜班の弟子になりました。兄弟子の雲遮月と恋仲になったこともありました。声がでなくなった雲遮月の代わりに舞台の吹き替えをしたこともありました。でも愛を受け入れてくれなかったので雲遮月を殺してしまいます。当時の座長も殺して罪をなすりつけました。

その後、厳世蕃と知り合います。雲遮月を殺したのをバラさない代わりに厳世蕃の手下になりました。巌世蕃が好きになりましたが、「脚が大きい」という理由で断られました。(中国では脚が小さい=美人)

その後、痩馬になり周顕已と知り合いました。10万両を横領して獄中に囚われた周顕已を殺害します。

その後、陸繹たちに殺人がバレると彼らの前で何人もの人を殺したと服毒自殺します。

でも実は生きていて巌世蕃のもとに戻ります。

その後、巌世蕃に愛されている林菱に嫉妬。そのため巌世蕃の命令に逆らうようになります。それを知った巌世蕃は翟蘭葉を毛海峰に贈ってしまいます。

そして翟蘭葉は巌世蕃を裏切り陸繹に味方します。

 

痩馬(ショウマ)とは

劇中では翟蘭葉(たくらんよう)は「痩馬」で不幸な境遇の女性と紹介されます。

明や清の時代の中国では「痩馬」と言われている人が存在しました。一種の売春です。

「痩馬」は本来は女性に対する差別的な表現です。「児童買春」に近い意味を持ちます。ここではドラマに登場する言葉の解説ということでご理解をお願いします。

「痩馬」と呼ばれるのは彼女たちの体が痩せているからです。漢詩の世界では「痩馬」という単語そのものに「行くあてもない惨めで寂しい様子」というイメージがあるのであえてそのように呼ばれているようです。

儒教国の人は動物は人より下等だと思っています。だから人を獣(とくに犬や家畜、朝鮮では猿も含む)に例えたら侮辱している証拠です。でも龍・麒麟など霊獣や虎、駿馬など良い意味で使う生き物もあります。

これ覚えておくと中国・韓国ドラマの演出の意味がわかることがあります。動物虐待(特に犬)の場面が多いのも同じ理由です。

金持ちや権力者の変態的な欲求を満たすため。人身売買のブローカーたちは貧しい家庭から容姿端麗な少女(7~8歳)たちを買い取り、歌や踊り、琴の演奏、書道、絵画などを教えて育てます。

その後、金持ちに妾として売ります。売れない場合は秦楼楚館(妓院、妓楼)で働かせて稼いでいました。

「痩馬」はいくつかのランクに分かれています。最高ランク(一等資格)は美人で様々な芸を身に着けた人です。物語に登場するのは一等資格の「痩馬」です。

他にも、二等資格の「痩馬」は読み書き計算を覚え帳簿をつける者。三等資格の「痩馬」は家事専門。と、いくつかのランクにわかれていたといいます。

 買ったばかりの頃は10貫余りですが、最高ランクの「痩馬」が結婚する頃には1,500両にもなったといいます。そういうことを専門にする仕事を「養痩馬」といいます。

金持ちに買われたからといっていいとは限りません。正妻に撲殺された。歳をとって捨てられた。という記録もみかけます。ここでは妾と書きましたが。奴婢扱いされていたともいわれ、妾ではなかったのかもしれません。

でも「養痩馬」が儲かるとわかると「養痩馬」をする人が増え一種の産業になりました。揚州には2つの淮州(淮北・淮南)の塩商人が多く集まり、中国の塩産業をほぼ独占していました。揚州の豪商たちは贅沢な暮らしをしていました。 揚州では養痩馬が盛んだったといいます。そこで「揚州痩馬」と呼ばれていました。

日本の遊女や太夫(たゆう)・花魁(おいらん)、朝鮮の妓生(キーセン)、中国の妓女に似ています。でも金持ちの個人に売るのが目的なのが違います。

中国史が盛んな日本でも「痩馬」を書いた資料はほとんどありません。ここに書いた内容もすべて中国語の資料を翻訳しています。

でも中国では「過去にそういう人がいた」というのは知られているらしく、明・清朝時代のドラマや小説には「痩馬」が登場することがあります。

ドラマ「花様衛士」では翟蘭葉が揚州痩馬になってます。でも上に書いたように痩馬は子供の頃から育てられます。

翟蘭葉のように年頃の年齢に成長した人を痩馬にすることはありません。翟蘭葉は任務のために「痩馬」になっていたようです。

「花様衛士」の「揚州痩馬」はこれでも美化されているほうです。

どうやら現代の中国の若い人の中には「揚州痩馬」が何かを理解せずに華やかな部分だけを見て憧れている人もいるらしく。中国のネット上ではそのような風潮を心配する意見もあります。

もしかすると韓国ドラマの「妓生」に影響されているのかもしれません。韓国ドラマに登場する「妓生」は美化されすぎて現実の妓生とは違う描かれ方をしています。

その妓生も日本の芸者を意識しているようです。でも違います。

ドラマは「作り話」なのを覚えておきたいですね。

ドラマ「瓔珞<エイラク>」の「痩馬」

例えばTVドラマ「瓔珞<エイラク>」にも登場します。

69話。乾隆帝が揚州に行幸したとき、地元の役人から「痩馬」が皇帝に献上されたと報告があります。それを聞いた皇后(このときはホイファナラ氏)が激怒する場面があります。画面には歌って踊っている女性が映っているだけなので、なぜそれほど怒っているのか分かりづらいかもしれません。でも「痩馬」には上に書いたようないきさつがあるので皇后が怒るのも無理はありません。

 

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