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「長歌行」李長歌のモデル 定襄県主は唐太宗の養女

唐朝 5.3隋唐の公主

中国ドラマ「長歌行」に登場する李長歌は定襄県主がモデル。

定襄県主は唐の初期の人物。

隋に仕えた李孝珉と韋珪の娘です。
父と祖父は煬帝により粛清され。

韋珪は李世民の側室になりました。
定襄県主も李世民の養女になります。

唐建国後。定襄県主は唐の王族の一員になりました。太宗 李世民の命令で阿史那忠と結婚します。

史実の定襄県主はどんな人物だったのか紹介します。

 

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定襄県主の史実

いつの時代の人?

生年月日:610年代(613年よりも前)
没年月日:653年

姓:李(り)
名:不明
本貫:渤海李氏
称号:定襄縣主(ていじょうけんしゅ)
父:李孝珉
母:韋珪(後に唐太宗 李世民の貴妃)
夫:阿史那隼

彼女は隋末期から唐初期の人物。

日本では飛鳥時代になります。

 

おいたち

定襄県主の生まれた年は不明。
613年よりは前。610年代のいずれかと思われます。

父は李孝珉(り・こうみん)

母は韋珪(い・けい)

李氏ですが唐朝を建国した李淵(自称 隴西李氏、本姓は鮮卑姓の 大野)とは別の一族。渤海李氏出身。渤海李氏は 渤海郡蓨県(現在の中国河北省東南部)の出身。

祖父は隋煬帝と対立して処刑、家は断絶

祖父は隋朝で 民部尚書 を努めた李子雄(り・しゆう)。
李子雄は隋文帝 楊堅(よう・けん)や煬帝 楊広(よう・こう)に仕えた武将です。

613年(大業9年)。煬帝は2度めの高句麗攻めを命令。李子雄も従軍しました。ところが将軍の楊玄感(よう・げんかん)が反乱を起こします。疑心暗鬼になった煬帝は李子雄も仲間になると考え捕らえようとしました。李子雄は使者を殺害して逃亡、楊玄と合流して煬帝に抵抗しました。しかし楊玄は敗北。李子雄も処刑されました。

李子雄の財産は没収され、李子雄の息子で定襄県主の父・建昌公 李孝珉も処刑されました。家は断絶。

建昌公 李孝珉には妻・韋珪がいました。韋珪は李孝珉の死後も生き延びました。

少なくとも定襄県主はこの頃までには生まれているはずです。

唐の時代

618年(武徳元年)。隋の武将だった李淵が「皇帝」を名乗り「唐」が建国。

経緯は不明ですが韋珪は李世民の側室になっていました。定襄県主は李世民の養女になります。

624年。李世民と韋珪の間には李孟姜が生まれました。李孟姜は定襄県主の異父妹になります。

李世民の直接の子供ではありませんが「宗女(皇帝一族の娘)」の扱いをうけていました。

皇帝の娘になる

626年(武徳9年)。玄武門の変で李世民が皇帝になりました。
母の韋珪は貴妃になりました。
「定襄県主」の称号はこのとき与えられたものです。

定襄県主の異父妹・李孟姜が「臨川公主」の称号が与えられました。定襄県主は李世民の子ではないので公主の称号は与えられなかったのです。

阿史那忠と結婚

630年(貞観4年)。東突厥と唐が戦い。東突厥が敗北。阿史那忠(あしな・ちゅう)は父とともに唐に降伏。阿史那忠は太宗 李世民に仕えることになりました。

太宗 李世民の命令で定襄県主は阿史那忠と結婚しました。

以後、定襄県主は太宗とはあまり関わらなかったといいます。

唐高宗 李治の時代。

653年(永徽4年)。定襄県主は病死。昭陵に埋葬されました。

 

 

ドラマ「長歌行」の李長歌

定襄県主をモデルにしたのが「長歌行」の李長歌です。

長歌行 2021年、中国 演:ディリラバ

名称:李長歌(り・ちょうか)
称号:永寧郡主
父:李建成(唐の皇太子)
母:瑾夫人

名前の李長歌、称号の永寧郡主はドラマオリジナル。

史実とは違い、李長歌は皇太子・李建成の娘の設定。
母も瑾夫人に変えられています。

実の父より慕っていた李世民に実の両親を殺された李長歌は逃亡。
「阿詩勒部」の「阿詩勒隼」と出会います。李世民への復讐を目指す李長歌ですが。

 

漫画版では相手役は「突厥」の「阿史那隼(モデルは阿史那忠)」。
ドラマ版では「阿詩勒部」の「阿詩勒隼」になっています。

 

原作漫画「長歌行(作者:夏達)」 は中国の漫画。中国ではかなり人気があったようです。日本でも一時期、雑誌「ウルトラジャンプ」で連載されていましたが打ち切りになりました。そのため途中までは日本語版が手に入ります。

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