中国ドラマ「孤城閉」には陳熙春(ちん きしゅん)という女性が登場。
郭皇后が廃された後。仁宗 趙禎が宮中にいた陳熙春を好きになり皇后にしようとするエピソードがあります。
この陳氏との出会いは史実にもあるできごとです。
結局周囲の反対で陳氏は皇后にはなりませんでした。
ドラマ「孤城閉」の陳熙春と、モデルになった陳氏について紹介します。
「孤城閉」の陳熙春(ちん きしゅん)
演:張天愛
商人の娘
後宮に仕える女官。
商人の娘。
入宮後、楊太妃の養女になりました。
仁宗 趙禎は郭皇后を廃した後。
後宮で趙禎と出会った陳熙春
趙禎と韓琦は宮中で指南者の試し運転をしていたにいた陳熙春を見つけました。彼女のことが気になった趙禎は後で調べさせました。
指南者:車輪と繋がった歯車の動きで常に一定の方角を指し示す道具。磁石は使われていません。羅針盤や方位磁石とは違います。使用する人があらかじめ設定した方角を向くようになっています。
陳熙春を好きになる趙禎
そして彼女を招いて一緒に食事をして彼女のことを知りたいと思いました。陳熙春はとても話し上手なので、趙禎はますます陳熙春を好きになりました。
陳熙春は趙禎に自分の身の上を話しました。陳熙春は商人の娘です。楊太后が趙禎の側室にしようと考え、養女としてひきとって後宮に連れてこられたというのです。
また、陳熙春にはまざまな車の改造が趣味という代わった特技があります。
趙禎と陳熙春は打ち解けて仲良くなりました。趙禎は付き人の張茂則に命じて彼女を楊太妃の元に送りました。
楊太妃は、趙禎が陳熙春を送り返してきたので困惑しました。
趙禎は陳熙春を側室ではなく皇后にしたいと考えていました。
なので大臣たちが推薦した皇后候補(曹丹姝のこと)は選ぶつもりはありませんでした。
大臣が反対
しかし、大臣たちは陳熙春の皇后には反対しました。
その理由は、陳熙春の身分が低い。また彼女の家族は権力を狙っている。陳熙春の徳が低くて皇后にふさわしくない。というものでした。
権力を狙っているのは大臣や貴族たちも同じです。徳の高い低いは身分には関係ありませんし大臣が決めることではありません。要するに身分が低くて卑しいからダメだというのです。
でも趙禎は大臣たちの反対を覆すことができず、一時的に陳熙春との距離を置くしかありませんでした。いきなり遠ざけられた陳熙春は悲しくなってしまいます。
趙禎と別れる陳熙春
張茂則は趙禎の意向を陳熙春に伝え、皇后が趙禎のもとにやってくることを説明しました。
陳熙春は自分が趙禎の寵愛を受けることができないと感じ、ますます失望しました。
その後。趙禎は皇后選びは「義務」と考え、大臣の選んだ人物を皇后に迎えました。でも大臣が選んだ皇后とは関係を持ちたいとは思いませんでした。
大臣たちが皇后選びを進めている間も、趙禎は陳熙春のことを考えていました。趙禎は陳熙春を皇后にできないなら、宮中体して誰かいい人と結婚して幸せになって欲しいと思いました。そこで韓琦に命じて結婚相手を探し嫁がせます。陳熙春の両親に褒美を与えました。
陳熙春が宮廷を出るとき、趙禎は見送ったのでした。
以上がドラマ「孤城閉」の陳熙春です。
陳熙春のモデルになったのが歴史書にも載っている陳氏です。
史実の 陳氏
陳氏は宮殿で働く侍女でした。
仁宗は陳氏を気に入って皇后にしようと思いました。
陳氏は寿州の茶商の娘。父親は朝廷に寄付をして低い役職を手に入れていました。高貴な家柄ではありません。
重臣の宋綬は陳氏を「卑しい者」と呼んで皇后にすることには反対しました。
宰相の呂夷簡、枢密副使の蔡斉たちも反対。仁宗を説得しました。
仁宗に薬を提供して仁宗から信頼されている太監の閻士良も反対しました。
周囲の皆から繰り返しの説得され、仁宗は趙禎は仕方なく陳氏を皇后にするのは諦め、他の中宮を選ぶことにしました。曹彬の孫娘を皇后(曹皇后)に選びました。
陳氏がその後、どうなったのかはわかりません。
楊太后が養女にした。仁宗が結婚相手をみつけて後宮から出した。というのはドラマの作り話ですが。他はほぼ史実と同じです。
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