歴史ドラマでは史実とフィクションが混ざりがちなので、気になりますよね。この記事では「カンジュソンは実在するの?」というあなたの疑問にハッキリお答えします。
結論から言うと、ドラマ「華政」のカンジュソンは歴史上の実在人物ではありません。
この記事では、なぜ彼が架空の人物と言えるのか?架空なのにドラマでなぜ大きな力を持ち重要な人物といえるのか紹介します。
「華政」のボスキャラ・カンジュソンとはどんな人物なのか探っていきましょう。
まず結論!ドラマ華政のカンジュソンは実在しない
あなたが一番知りたいのはカンジュソンが本当にいたのかどうか、その結論だと思います。
ハッキリ言いますと、韓国ドラマ「華政」に登場するカンジュソンは歴史上の実在人物ではありません。
彼はドラマのを面白く、ドラマチックにするために脚本家によって作られたオリジナルの架空の人物なのです。
なぜ実在しないと言えるのかその根拠
なぜカンジュソンが架空の人物だと断言できるのでしょうか?その根拠は歴史記録に彼の名前が出てこないからです。
「華政」の舞台である朝鮮王朝時代には『朝鮮王朝実録』のような詳細な歴史記録が残されています。当時の出来事や重要な役割を担った人物たちの名前や動向が記録されているのです。貞明公主や洪柱元(ホンジュウォン)もこの記録に登場します。
公式な歴史記録をどれだけ調べても、ドラマ「華政」で登場する、漢城府府尹(都の長官・都知事みたいなもの)という高い地位にあって莫大な財力を背景に政治に深く関わった「カンジュソン(姜周善)」という人物の名前や活動の記録は見つかりません。
そのものズバリな人はいなくてもモデルになった人はいるのでは?と思うかもしれません。
でも、ドラマのような権力や影響力を持った人物が光海君時代にいたという記録は確認できないのですね。
なぜ架空なのに重要?ドラマ華政でのカンジュソンの役割
あなたは「実在しない人物なのに、どうしてドラマではあんなに大きな存在なの?」と、不思議に思うかもしれません。
ドラマ「華政」ではカンジュソンはときには王以上の影響力を持ち朝廷を裏で操る人物で、ホンジュウォンの親友・カンイヌの父です。物語の緊張感を高め、登場人物たちの対立や葛藤を生み出す上でも非常に重要な役割を担っています。
カンジュソンの具体的な行動とドラマへの影響
ドラマを見た方なら覚えているでしょうけれども。カンジュソンは、どういう人物かンたんに紹介すると。
- 漢城府の府尹(都知事)という高い地位にいました。
- 明との密貿易で莫大な財産を築き、国庫に匹敵するほどの富を持っていました。
- その財力を使って多くの役人を買収し、裏から政治を意のままに操ろうとしました。
- 国王 光海君を見下すような態度をとることもあり、時には対立し、時には証拠を握られて従う場面もありました。
- 後の王となる綾陽君(仁祖)とも密かに結託し、光海君に対抗する動きを見せました。
- 自身の息子イヌと主人公である貞明公主との結婚を画策するなど、主要人物たちの人生に深く関わりました。
- 私利私欲のためなら手段を選ばず、多くの無実の人々を犠牲にする腹黒い人物として描かれていました。
- 最終的にはドルゴンと組んで謀反を企てたことが露見し、斬首刑という最期を迎えます。
このように、カンジュソンはドラマの主要な出来事の多くに絡み、主人公たちと激しく対立しました。
彼の存在があったからこそ、物語に大きな波乱が生まれ見ている側としてはハラハキドキドキしながらドラマを楽しむことができました。カンジュソンは華政には絶対必要なキャラクターだったと言えます。
カンジュソンはなぜ実在と思われやすい?
カンジュソンが架空の人物にもかかわらず、「本当にいたんじゃないか?」と思われやすいのには、いくつかの理由が考えられます。
脚本が上手い
それはドラマの脚本が非常に巧妙に作られているからです。
- カンジュソンは光海君や仁祖といった実在の歴史上の人物と深く関わるように描かれています。
- 彼が登場するエピソードや出来事が、実際の歴史の流れの中に自然に組み込まれているように見えます。
- 彼のキャラクターが当時の腐敗した権力者や富豪のイメージと結びつきやすく「こういう悪い人がいてもおかしくない時代だったのかも」と視聴者に感じさせてしまうのです。
華政の脚本を書いたのは「イサン」「トンイ」「馬医」「ヘチ」を手掛けた キム・イヨン。彼女のドラマに面白いものが多いのも納得です。
朝鮮の立場が影響
当時の朝鮮王朝は明や後に清となる宗主国から冊封(さくほう)を受けている国でした。冊封とは宗主国が朝鮮の王を承認して外交関係を結ぶ制度です。朝鮮は中国王朝の影響が強く王妃や世子も明(清)の承認を得ていました。
これはただ単に国王の称号をもらったという意味にとどまりません。王の正当性にも影響する問題でした。朝鮮国内の政治でも、宗主国の意向や宗主国との繋がりが非常に重要でした。
歴史上も宗主国の承認がない王の立場が不安定だったり、重臣たちが宗主国の顔色をうかがったりする一面は確かに存在しました。
明に認められない光海君の悲劇
例えば、明が世子と認めなかった光海君に味方が少なかったことや、明に協力しなかった光海君が廃位されたのは、宗主国との関係が国内政治に大きな影響を与えるからです。
ドラマでも最終的にカンジュソンとの協力を拒んだ光海君は綾陽君のクーデターを阻止できませんでた。
架空だけど、ありそうと思わせる設定
カンジュソンはドラマの中で明との密貿易で富を築き、明の皇室に強力な人脈を持っていると描かれています。
当時の歴史的背景を考えるとカンジュソンのように宗主国と特別な繋がりを持つ人物が朝鮮国内で大きな影響力や権力を持つという設定は、視聴者に「ありそうだ」「説得力がある」と感じさせやすいのです。
もしかしたらドラマの制作陣は当時の複数の悪人や権力者の側面を参考に、カンジュソンという一人の強力な悪役キャラクターを創り出したのかもしれません。
実在の歴史の中に架空の人物を違和感なく溶け込ませる、歴史ドラマならではのテクニックが見事に使われているのですね。
歴史ドラマの面白さ 架空人物が担う役割
「華政」のカンジュソンのように、歴史ドラマには史実には登場しない架空の人物がよく出てきます。歴史上の記録だけでは足りないから。という基本的な問題もありますが。架空キャラは物語を面白くする一つの要素です。
史実とフィクションのバランスを楽しむ
歴史ドラマは過去に実際に起こった出来事を基にしていますが、ドキュメンタリーとは違います。エンターテイメント作品として作られています。
そのため史実だけでは描ききれない人間の感情や、ドラマチックな展開を加えるために架空の部分が必要になります。
カンジュソンのような架空の人物は史実の隙間を埋めたり、物語に深みを与えたり、特定のテーマを強調したりする役割を受け持っています。史実の人物たちの葛藤や選択をより際立たせる存在になることもあるでしょう。
カンジュソンが実在しないと知った上で改めてドラマを見ると、「この部分は史実だけど、ここはドラマの創作なんだな」「カンジュソンの行動は、ドラマを面白くするための演出なんだな」といった視点で見えてくるものがあります。
史実とフィクションがどのように組み合わされているのか、そのバランスを探りながら鑑賞するのも歴史ドラマの醍醐味と言えますね。カンジュソンはまさにそのフィクション部分の面白さをよく表現しているキャラクターです。
まとめ
この記事では韓国ドラマ「華政」に登場する悪役カンジュソンが実在する人物なのかどうかという疑問について解説しました。
結論は、カンジュソンは歴史上の実在人物ではなく、ドラマの物語を盛り上げるために創作された架空のキャラクターだと分かりましたね。
彼が架空だと言えるのは、朝鮮王朝時代の信頼できる歴史記録にその名前や活動が見当たらないからです。
でも架空とはいえ、カンジュソンは「華政」で非常に重要な役割を担っています。彼の悪行や策略が、主人公や多くの登場人物たちの運命を左右し、物語に大きな波乱をもたらしているからです。
また史実に基づいた出来事の中に巧妙に配置されているため、「もしかして本当にいたのかも?」と視聴者に思わせてしまう、巧みなキャラクターでした。
さらに朝鮮が明から冊封を受けていたという当時の歴史的背景を考えると、明に強力な人脈を持つカンジュソンのような人物が国内で影響力を持つというドラマの設定はリアリティを感じさせます。
この記事を通して、あなたが抱いていたカンジュソンの実在性に関する疑問が解決したなら嬉しいです。
カンジュソンがフィクションだと分かった上で、もう一度「華政」を見返してみてはいかがでしょうか?
きっと、彼がドラマの中でどのように機能しているのか、新たな発見がありドラマをさらに深く楽しめるはずですよ。
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