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廃貴人趙氏(昭容趙氏)。ヨジョンのモデルになった実在の側室とは?

貴人 趙氏 2 李氏朝鮮の妃・側室

貴人趙氏は16代 仁祖の側室。

華政では「ヨジョン」(貴人にはならず最高位は昭容)
宮廷残酷史では「ヤムジョン」という名前で登場します。

いずれも仁祖に取り入るのが上手でキム・ジャジョムとともに昭顕世子を陥れます。

歴史上の貴人趙氏もドラマどおりの人として記録されています。

史実の貴人趙氏はどんな人物だったのか紹介します。

 

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貴人趙氏(昭容趙氏)の史実

貴人趙氏はどんな人?

通称:貴人趙氏
父:趙琦

生年月日:不明
没年月日:1652年1月24日(旧暦1551年12月14日)

彼女が生きたのは朝鮮王朝(李氏朝鮮)の15代光海君~17代孝宗の時代です。

日本では江戸時代の人になります。

 

家族

母:漢玉
夫:仁祖
子供
孝明翁主(ヒョミョン翁主、1637〜1700)
崇善君(1639〜1690)
楽善君(1641〜1695)

 

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貴人趙氏の生涯:裏に隠された入宮の真相

貴人趙氏は、趙琦の妾・漢玉の娘として生まれました。

1630年、金斗南によって宮女として選ばれましたが、その入宮には不正な側面があったとされています。

朝鮮王朝実録によると趙氏の入宮には仁烈王后の義兄である鄭百昌が深く関わっていたことが明らかになっています。

趙氏の入宮は仁烈王后かその親族の強い影響力があったといえます。

これらの情報から以下のようなシナリオが考えられます。

  • 趙琦の策略: 趙琦は妾との間に生まれた娘である趙氏を宮中に送り込むため金斗南に賄賂を渡し、仁烈王后の義兄である鄭百昌に頼み込んだ。
  • 鄭百昌の働きかけ: 鄭百昌は、仁烈王后に頼み込み趙氏の入宮を叶えた。

当時の朝鮮社会では縁故採用や賄賂は珍しいことではありませんでした。特に王族や高官の親族であればその影響力は絶大。宮中への入宮も容易に実現できたと考えられます。

仁烈王后の後ろ盾があれば、趙氏は仁祖の目に触れる機会も多く宮中での地位を築くことも可能だったでしょう。

貴人趙氏の入宮は単なる偶然ではなく様々な人物の思惑が絡み合った結果のようです。趙琦の野心、金斗南の力、そして仁烈王后の後ろ盾が複雑に絡み合い、趙氏は宮中という華やかな舞台へと足を踏み入れたのです。

時期は分かりませんが淑媛に昇格しました。

1635年。仁烈王后が死去。趙氏の記録が多くなるのはこのあとです。

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貴人趙氏の横暴が始まる

仁烈王后の後ろ盾のもと宮中でその地位を築いてきた貴人趙氏ですが。この頃までにすでに仁祖の寵愛を集めていました。

仁烈王后の死後はむしろ怖いものなしに振る舞うようになったのです。

王の寵愛を独占し、後宮を牛耳る

趙氏が仁祖の寵愛を独占したため、荘烈王后をはじめとする他の妃や側室たちは寵愛を受けることができませんでした。

彼女の性格は横暴で、気に入らないものがあれば王の前でも平気で貶めようとするなど、その振る舞いはますますエスカレートしていきます。

特に仁祖の寵愛を受けていた淑媛張氏を目の敵にします。淑媛張氏が懐妊した際には毒入りの菓子を食べさせて流産させてしまうという残虐な行為にまで手を染めました。

子を産み、地位を確立

趙氏は1637年に孝明翁主を、1639年には長男・崇善君を、1641年には楽善君をそれぞれ出産。

その地位をますます盤石なものにしていきます。

1638年には昭媛、1640年には昭容と、その位も順調に昇進していきました。

昭顕世子の帰国と新たな対立

1645年。清から昭顕世子と嬪宮姜氏が帰国。昭顕世子の存在は趙氏にとって新たな脅威となります。

趙氏は自身の地位と権力を守るため、昭顕世子や嬪宮姜氏に対しても様々な陰謀を企てたと考えられています。

貴人趙氏の悪行:世子一家への迫害と悲劇

貴人趙氏の行い昭顕世子一家への執拗な迫害へと発展していきます。特に昭顕世子とその妻である嬪宮姜氏とは折り合いが悪く、日夜中傷し濡れ衣を着せるなど執拗な嫌がらせを続けました。

昭顕世子の死と毒殺疑惑

昭顕世子の死には趙氏が関係していると疑われています。

昭顕世子は亡くなる前に針治療を受けており、主治医の李馨益が趙氏の母・漢氏と不倫の関係にあったという噂が流れたのです。そのため趙氏が李馨益に指示し、昭顕世子を毒殺させたのではないかという疑いが生まれました。

嬪宮姜氏への濡れ衣と悲惨な結末

昭顕世子の死後、趙氏はさらに悪事を重ねます。昭顕世子の死因を嬪宮姜氏が毒殺したためだと噂を広め、仁祖までも毒殺しようとしたと訴えかけました。

この濡れ衣によって嬪宮姜氏とその兄弟は死罪に処され、子供たちは流刑にされてしまうという悲惨な結末を迎えることになります。

昭儀への昇進と権力の頂点へ

1645年には昭儀に昇進。後宮における地位をますます固めました。昭顕世子一家を陥れることで、後宮におけるライバルを排除し、自身の権力を確固たるものにしたのです。

貴人趙氏の絶頂期とその後

貴人趙氏は1649年に貴人となり後宮における地位をますます高めました。仁祖の寵愛を一身に受け、その影響力は王妃である荘烈王后をも凌ぐほどになったと言われます。

仁祖と荘烈王后を仲違いさせたという噂もあります。

家族への干渉と後宮の混乱

趙氏は自身の権力を利用して家族の結婚にも口出ししました。息子の崇善君の妻に迎えられた申氏は荘烈王后の姉の娘であったため趙氏は申氏を気に入らず、息子から遠ざけようとしたと言われています。

子供たちの運命

趙氏が死罪となった後、息子たちの崇善君楽善君は流刑に処されましたが、後に釈放されています。

娘の孝明翁主は仁祖の寵愛を受けていた側室の娘として、盛大な結婚式を挙げキム・ジャジョムの孫と結婚しました。

しかし両親の溺愛を受けてわがままに育ち、仁祖を訪問した際に異母兄のインピョン大君と上座を争うなど、品位に欠ける行動をとったとも伝えられています。

仁祖は寵愛していた側室の娘なのでヒョンミョン翁主を上座に座らせたということです。

貴人趙氏の最期と悲劇的な結末

仁祖の死と権力の終焉

1651年。仁祖が亡くなると貴人趙氏の権力は一気に落ちます。仁祖の寵愛が後ろ盾だっただけに、仁祖の死は趙氏にとって大きなダメージになりました。

呪いの罪と悲惨な最期

1652年。孝宗荘烈王后は趙氏に賜死を命じました。その理由は趙氏が荘烈王后の姪であり崇善君の妻である申氏を呪詛したからです。

これは趙氏の悪行に対する民衆の怒りや後宮の安定を図るための政治的な判断だったと考えられます。

趙氏は貴人を廃されたので廃貴人とも呼ばれます。

 

家族への波及と悲劇

趙氏の死は彼女の家族にも大きな影響を与えました。

娘の孝明翁主は母親の罪に連座し流刑に処されました。

孝明翁主の夫であるキム・セリョンは死罪となり、趙氏の母親である漢氏も翌年には死亡しました。

さらにこの事件には趙氏を庇護していた金自点(キム・ジャジョム)も関わっていたとして処刑されました。

 

テレビドラマの貴人趙氏

宮廷残酷史-花たちの戦い

 JTBC 2013年 演:キム・ヒョンジュ、ユンジョンウン、イチェミ

貴人趙氏が主人公のドラマは「宮廷残酷史-花たちの戦い」ドラマタイトルの通り、残酷な女性として描かれます。

流石に子供をとりかえたり、侍女を撲殺するのはやりすぎかもしれません。ドラマでは次男は流産したことになってますが、実際には産まれています。

でも歴史上も立場をわきまえない傍若ぶりだと記録されていますので実際の彼女も怖い人だったのかもしれません。

出典:楽天市場

華政 MBC、2015年 演:ギムミンソ

華政ではヨジョンの名前で登場。

ジョンミョン公主の敵として登場。貴人までは出世しませんでしたが、こちらも気の強い女性として描かれています。宮廷残酷史のような悪賢い感じではなくて、わがままな面が強いですね。

馬医

 MBC、2012年 演:ソ・ヒョンジン

馬医でも1話に登場しています。

どのドラマでもキム・ジャジョムと共謀して昭顕世子を暗殺するのは同じです。悪女と呼ぶにふさわしい女性かもしれませんね。

 

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