中国ドラマ「夢華録(むかろく)」の登場人物キャストと時代背景・見どころの紹介記事です。
相関図も載せておきました。
北宋の時代を舞台にワケありの過去をもつヒロイン 趙盼児(ちょう・ふんじ)が同じくワケありの過去をもつ仲間とともに茶房を営み自立した女性を目指す時代劇。
そんな彼女の前に現れたのは秘密警察 皇城司のエリート捜査官 顧千帆(こ・せんはん)。
人々から生き閻魔と恐れられる顧千帆ですが、都ではそんな彼でも誰が敵か味方かわからない陰謀がうずまいていました。
趙盼児(ちょう・ふんじ)には「ムーラン」「ドラゴン・キングダム」のリウ・イーフェイ(劉亦菲)
顧千帆(こ・せんはん)には「独孤皇后」「月に咲く花の如く」のチェン・シャオ(陳曉)
二人は協力して難事件に挑みやがて心を通わせるのですが。
中国でも大ヒットした「夢華録」に登場する人物とキャストを紹介します。
夢華録(むかろく) 時代背景
北宋(979-1127年)の第3代 真宗皇帝(在位:997-1022年)の時代。
契丹との戦争も終わり、国内には平和が訪れ。経済や文化が栄えていました。
でも、平和になると国内では皇帝 真宗が道教に没頭。劉皇后が力をもち。朝廷の重臣たちの権力争いも起きています。
そんな時代に都会で民として暮らす3人の女性の生き方を描いた作品です。
北宋の都・東京(とうけい)
読み方は「とうけい」
北宋の首都・東京開封府(とうけいかいほうふ)のこと。
正式名称が東京開封府。東京や開封と言ったりします。東京は東の都の意味。西の都は洛陽。そのため北宋では洛陽のことを西京(せいけい)といいます。
金に占領されたあとは南京開封府と呼ばれました。金には開封の北にも上京会寧府(ハルビン)と中京燕京府(北京)があったからです。
日本の首都・東京(とうきょう)と間際らしいので現代日本では開封と呼ぶことが多いです。
夢華録(むかろく)とは?
ドラマのタイトルにもなっている夢華録(むかろく)は南宋時代の書物「東京夢華録」(とうけいむかろく)より。
1127年に金に北宋が滅ぼされた後。江南に逃げた人々が南宋を建国。北宋時代を知る孟元老が1147年に開封を懐かしんで書いたのが「東京夢華録」という書物。全盛期の賑やかなころのと東京開封府の様子が描かれています。
夢になってしまった華の記録。というわけです。
日本語が出版されています。
なにしろ滅ぼされた数十年後に懐かしんで書いた本なので美化されているとは思いますが。
栄華期の開封を回想して誌された『東京夢華録』は、単なる旧都の回想録に留まらず、北宋代の首都・開封の市民生活を詳細に描いた貴重な風俗志でもある。
のように「東京夢華録」が東京開封府の繁栄をそのまま表現していると信じている人は多いです。
中国時代劇の街もだいたい「東京夢華録」や「清明上河図」をもと脚色して作られています。
ドラマ「夢華録」の舞台は真宗時代(997-1022年)。唐後期から200年以上続いた戦乱が終わってあまり年月がたってないころ。
真宗時代に100年以上後の「東京夢華録」の賑わいがあるはずありませんが、ドラマでは「東京夢華録」のような賑やかな東京開封府が再現されます。
夢華録(むかろく) 番組情報
夢華錄(読み方:むかろく)
原題:夢華錄
英題:A Dream of Splendor
2022年、中国
全40話
原作は元朝時代の演劇
タイトル:趙盼兒風月救風塵
作者: 関漢卿
夢華録のもとになったのは元朝時代の演劇用に作られたお話。
原作者は元朝時代に活躍した関漢卿(かん かんけい)。
元朝時代は演劇が発展した時代。関漢卿は当時活躍した元雑劇の作家です。
関漢卿は医術の知識もあり、医者をするかたわら劇作家としても活躍していました。
中国でも切手になったこともある人物です。
出典:wikipedia関漢卿
「趙盼兒風月救風塵」は関漢卿の代表作のひとつ。
「救風塵」ともいいます。
周舍に騙された宋引章を趙盼児が助ける話が中心。
顧千帆や欧陽旭は登場しません。
「夢華録」でいえば6話までの内容です。
「夢華録」は「趙盼児兒風月救風塵」をもとに顧千帆や欧陽旭たち趙盼児に関係する人物を加え、大幅に加筆した作品です。
夢華録(むかろく)の見どころ
3人の女性の生き方に視聴者が共感
中国で放送時にはヒロインと親友たちの生き方に中国の女性視聴者が共感。話題となりました。
趙盼児(ちょう・ふんじ)、孫三娘(そん・さんじょう)、宋引章(そん・いんしょう)たちはそれぞれワケ有りの過去をもつ女性たち。賤民出身の彼女たちは結婚や恋愛で挫折しながらも3人で協力して小さなお茶屋を経営。
経済的・精神的に自立したいという現代の女性の心をつかみ大ヒットしました。
宋時代の文化に注目
このドラマではヒロインたちは茶店を経営。役作りのために趙盼児を演じる劉亦菲(リウ・イーフェイ)さんはお茶の専門家に茶芸を習いました。ドラマの中でも”闘茶(とうちゃ)”や”点茶(てんちゃ)”と呼ばれる中国のお茶の楽しみ方が紹介されます。
このドラマのヒットで中国では伝統的なお茶菓子や茶道、食べ物、伝統衣装にも注目が集まったようです。
その一方で。中国の専門家やマスメディアからは次のような報道がありました。
唐果子、宋果子、日本和菓子有啥區別?有眼尖的小夥伴發現,無論是從形狀還是製作手法,劇中的果子與日本和菓子頗為相似。出典:上观新闻
日本語訳
「唐果子、宋果子、日本の和菓子にはどんな違いがあるのでしょうか?鋭い観察眼を持つ人々は、形状や製作手法の点で、ドラマに登場する果子が日本の和菓子に非常に似ていることに気づきました。」(上観新聞:上海に拠点がある政府系のネットメディア)
その報道によれば夢華録に登場する果子(菓子)には宋時代にはなかったデザインや製法の物があり、それらの形や作り方は日本の和菓子に似てる!と書かれています。
さらに今の中国のネット市場では和菓子をヒントに作ったお菓子が人気。ドラマのヒット後、その和菓子風のお菓子が爆売れしたようなのです。
他にもいくつかのメディアが似たような報道をしています。
あらためてドラマの影響力の大きさに驚かされますね。
夢華録の相関図
夢華録(むかろく)の主要人物
趙盼児(ちょう・ふんじ)
演:劉亦菲(リウ・イーフェイ)
子役:黎艾蒙
ドラマ開始時は錢塘江の茶店のほとりにある茶店の女主人。
彼女にはつらい過去があります。役人の娘として生まれましたが父親が罪人になったため、彼女は賤民に落とされ官妓にされてしまいました。かつての父の部下に助けられて再び良民(平民)に戻ることができました。でも賤民だった過去は彼女にとって今も苦痛になってます。
それでも孫三娘や宋引章とともに生きていこうとしています。
そんな彼女の前に現れたのが顧千帆でした。
劉亦菲(リウ・イーフェイ)
趙盼児を演じるのはリウ・イーフェイ。
1987年8月25日生まれ
主な出演作
映画
「ドラゴン・キングダム」2008年。ゴールデン・スパロウ
「ムーラン」2020年 ムーラン
ドラマ
「天龍八部」王語嫣
「夢華録」趙盼児
黎艾蒙
子役
顧千帆(こ・せんはん)
秘密警察の皇城司のひとり。
鄭清天事件後に皇城司副使となり、帽妖事件後に皇城使(隊長)に昇格。
宰相・蕭欽燕の長男。 蕭欽燕は出世のために母子を捨てたので、千帆は母の姓を名乗っています。 正義感の強い人物ですが、取り調べには容赦がなく。人情味がなく冷酷にみえることから「生き閻魔」と呼ばれています。
仕事の途中で趙汎児と出会いますが、最初は冷たくしていました。しかしやがて二人の仲は深まります。
陳曉(チェン・シャオ)
顧千帆を演じるのはチェン・シャオ
1987年8月25日生まれ。
「雲中歌~愛を奏でる~」劉病已
「月に咲く花の如く」沈星移
「独孤皇后~乱世に咲く花~」楊堅
子邑
子役
孫三娘(そん・さんじょう)
演:柳岩(リウ・イエン)
趙盼児の親友。肉屋の娘。彼女自身も力持ち。料理が上手で江南料理と点心が得意。趙盼児とは古くからの知り合い。夫と息子を愛していましたが夫が不倫して、一人息子も彼女を母親と認めていることを知り、自殺しようと川に飛び込みます。趙盼児に救われ、恩人と想っています。その後は趙盼児や宋引章とともに東京で茶店を開きます。
宋引章(そん・いんしょう)
演:林允(リン・ユン)
趙盼児の親友。琵琶の演奏が得意な楽妓。趙盼児や孫三娘とは姉妹同然の仲。
楽妓の賤籍から脱出したいと願い、趙盼児の忠告にもかかわらず周舍と駆け落ちするものの、周舍から虐待を受けて財産も失ってしまいました。趙盼児に助けられ。趙盼児といっしょに暮らしたいと想っていましたが。彼女が恋した顧千帆の心にいたのは趙盼児でした。それを知った彼女は・・・
欧陽旭(おうようきょく)
演:徐海喬(シュー・ハイチャオ)
主な出演作:
「清越坊の女たち」任雪堂
科挙で3位合格(探花郎)。西京の宮観官に任命されます。過去には何度も試験に落ちましたが、趙盼児と婚約。三年後に科挙に合格しました。
しかし出世のために権力者の高鵠の娘・高慧との結婚を決め、趙盼児との婚約を破棄しました。その後、趙盼児たちを陥れようとするのですが。
国都 東京開封府の人々
真宗皇帝 趙恒(ちょう・こう)
演:保剣鋒
北宋の第3代皇帝。
今は道教にハマっています。
皇后 劉婉(りゅう・えん)/章献明粛皇后
演:劉珂君
真宗 趙恒の正室。賤籍出身。
「大宋宮詞」「孤城閉」では劉娥の名前で登場していた人物。「劉娥」は昔の小説に登場する名前で本当の名前ではありません。
夫に売られて趙恒の妾になった史実を意識したのか、賤籍出身という他のドラマよりも低い身分の出身に設定されています。
池蟠(ちはん)
演:代旭
東京では有名な放蕩息子。商家の出身。人々から「池衙内」と呼ばれています。金持ちですが人に騙されることが多いです。張好好の恋人で趙盼児とは仲が悪かったですが、張好好と別れた後に趙盼児に助けられ和解しました。
何四(かし)
演:胡宇軒
池衙内の従者。趙盼児や孫三娘と仲が良いです。
杜長風(とちょうふう)
演:張曉謙
新科の進士。欧陽旭と同期で親友。京城の名家の出身で考え方が古いですが憎めないところもあります。夜盲症で視力が悪いため物を見る時は眼鏡のようなものに頼っています。
初めは趙盼児に欧陽旭の妾になるよう勧め、孫三娘に水を投げられましたが。その後、趙盼児と孫三娘が経営する茶店で常連客となりました。欧陽旭が大きな過ちを犯した際には自首を勧めますが彼に拒否されました。
葛招娣(かつしょうてい)
演:李沐宸
初めは高慧の乳母の指示を受け趙盼児たちの店を妨害。後に心を入れ替えて趙盼児たちと友達になり茶店で働くようになります。
張好好(ちょうこうこう)
演:加奈
東京の第一の歌妓。美しい顔立ちで笑顔が魅力的。芸を売るだけで身は売りません。自分の才能と美貌に誇りを持ち、賤しい身分でも自分の生き方を貫こうとしています。
沈如琢(しんじょたく)
演:孫祖君
東京教坊司の著作郎。京城の名家の出身。表向きは音楽と舞踊に夢中な遊び人。実は宋引章の美貌を利用して利益を得ようとしています。
高鵠(こうこく)
演:尹鑄勝
観察使。高慧の父。欧陽旭の将来の岳父になる予定でした。傲慢で計算高異人物。名画の収集が趣味。趙盼児の美貌に惹かれ彼女を妾にしようとします。
高慧(こうけい)
演:嘉澤(ジア・ゾー)
高鵠の一人娘。大事に育てられました。欧陽旭に心を寄せていましたが、父親が二人を引き裂こうとするのに抵抗するのですが。
江氏
演:張立秋
高慧の乳母。
柯政
演:盧勇
清流派の首領。生涯を通じて清廉な官であり続けようとしています。蕭欽言を嫌いっています。宴席で宋引章の琵琶演奏を賞賛しました。
齊牧
演:姚安濂
御史中丞。計算高く、蕭欽言と対立。彼が皇帝の信頼を得ているのを妬み、顧千帆を駒として使って蕭欽言父子を対立させようとします。
袁屯田
演:劉亜津
趙盼児たち三人が経営する「半遮面」茶坊の常連客。
濁石先生
演:劉偉
趙盼児たち三人が経営する「半遮面」茶坊の常連客。
蕭欽言(しょうきんげん)
演:王洛勇(ワン・ルオヨン)
顧千帆の実父。蘇州知州、平江軍節度使を経て、後に宰相になります。権力と地位のためなら手段を選びません。かつて顧千帆の母である顧淑娘と結婚して顧千帆が生まれました。ところが官職に就いてからは出世のために顧淑娘と子供を捨てて名門の娘と結婚。後に顧千帆の才能が高いとわかると彼を利用しようとします。
蕭謂(しょうい)
演:李聖佳(リー・ションジア)
顧千帆の異母弟。初めは于中全にそそのかされて顧千帆を陥れようとしました。顧千帆に救われ、彼が実の兄だと知ります。
徳叔
演:朱輝
欧陽旭の執事。腹黒。自らを策士と認識していますが、欧陽旭を堕落させる原因となります。
陳廉(ちんれん)
演:管雲鵬(グワン・ユンボン)
初めは市舶司に勤めていましたが、後に皇城司の軍頭に転任します。世渡り上手。後に顧千帆の指示で趙盼児、孫三娘、宋引章を助けます。
雷敬(らいけい)
演:杜玉明
皇城司使(尊称:司公)。顧千帆に自分の地位が脅かされると思い、彼を陥れようとします。
于中全(うちゅうぜん)
演:高長遠
皇城司都頭。顧千帆と対立しています。西夏と結託し悪事を働いていました。
鄭青田
演:陳震
錢塘県の県令。海禁を破って雷敬と結託。顧千帆を陥れようとしました。
周舍
演:張翔(ジャン・シアン)
錢塘の商人。華亭県の有力者。利己的で賭け事が好き。宋引章を騙して結婚、結婚後に本性を表し宋引章から財産を取り上げ虐待。趙盼児が宋引章を助けました。
傅新貴
演:郭金傑
孫三娘の元夫。後に彼女と離婚。
傅子方
演:韓遠琪
孫三娘の息子。初めは母親に反発し傅新貴とその後妻についていきました。やがて彼らに不満をもち母親と杜長風の元に戻ります。
銀瓶
演:余夢寒
宋引章の婢女。
許知州
演:陳旭明
秀州の知州(州知事)。
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