六扇門とは明清 朝時代の警察

明2 明・宋

六扇門は中国王朝の警察機関の別名。

六扇門は「三法司衛門」の別名です。

三法司衛門とは「3つの 衛門(役所)」という意味。

どの部署が「三法司衛門」なのかは時代によって違います。

明・清朝時代には「刑部」「大理寺」「都察院」が三法司衛門と言われました。

・刑部(けいぶ)
 刑法を担当。警察。

・大理寺(だいりじ)
 刑務所。重大案件を担当。
 寺=建物の意味。宗教施設ではありません。

・都察院(とさついん)
 監察を担当。役人の不正を監視・追求する部署。

三法司衛門の別名が「六扇門(りくせんもん)」です。

だから六扇門はひとつの部署だけを意味する言葉ではありません。

小説やドラマなどで六扇門が出てきた場合は。これらの役所をまとめて呼んでいることが多いです。

とくに、一般の警察にあたる「刑部」を意味することが多いですね。傷害・窃盗・殺人・放火など一般的な犯罪を取り締まる部署です。

皇帝の批判、謀反、国の転覆など、反体制的活動の取締は錦衣衛が担当します。

軍隊の門が役所の門になった

「衛門」とは古代中国では「牙門」と書いていたのが変化したもの。「牙門」とは軍隊の私設の門のことです。古代中国の軍隊では将軍の威厳を表現するため「牙旗」というギザギザの飾りのついた旗を将軍がいる施設の門に立てていました。

後に文官が真似をして使いました。

「衛門」といえば役所の門を意味するようになりました。

 

ちなみに。
「衛門」は昔の日本人の名前によくある「右衛門」や「左衛門」の由来になった言葉です。もとは治安維持責任者の役職名ですが、武士が名前として好んで使いました。後の時代には庶民も真似して名乗るようになりました。

なぜ「六」扇門なの?

3つの役所をまとめて呼ぶ言葉がなぜ「六扇門」なんでしょうか?

四や五ではダメなんでしょうか?

古代中国の郡や県の役所は威厳を表現するため門には6枚の扉がついていました。法律で厳しく決められていてどんなに大きな郡や県でも扉の数は6枚です。

そこで役所のことを「六扉門」と呼んでいました。

後に。

明・清時代の小説では「三法司衛門」のことを「六扉門」と呼ぶようになりました。

現代の中国で王朝時代の警察組織を「六扉門」と呼ぶのは歴史の事実というより、明・清時代の小説の影響が大きいです。

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意外?補快の地位は低い

捕快(ほかい)とは中国王朝の衛門(役所)に所属して逮捕や捜査をする人のこと。

捕快は役人ではありません。臨時採用した非正規職員です。だから地位は高くありません。衛門(役所)の役人の下で働き、役人の命令で動きます。

捕快の役目は犯罪者の逮捕、被告人や目撃者を探して連れてくること、証拠集めなど。現在の警察官とほぼ似たような仕事をしています。もともとは

捕役:盗賊を捕まえる人。
快手:泥棒を捕まえる人。

に分かれていたようです。でも両方の役目は似ていたので一緒にして捕快(ほかい)と呼ばれるようになりました。

捕快は身分を表現する証明書をつけていて。動きやすい服を着ています。鉄尺(三叉のフォークのような武器)と、逮捕用の縄を持っています。

こうした役割の人は古代から存在するのでいつごろできたのかはわかりません。古くは賤民の仕事とされ。役人の下で走り回る下っ端労働者でした。

捕快になると科挙は受けられません。捕快をやめても受けられません。捕快の子も受けられません。捕快を辞めて三世代たたないと科挙を受けられない。という差別がありました。捕快は卑しい仕事だと思われていたからです。

科挙は私達の考える受験とは違っていて、特権階級になるための通過儀礼です。貴族階級に卑しい身分の者をいれるなんてけしからん。というわけです。ひどい話です。

記録が残っている清朝の場合だと。任期は3年から5年。留年はできません。給料は低く、食費という名目で僅かなお金が毎月支給されるだけ。これだけでは家族を養えないので庶民を恐喝したり、賄賂をとる捕快は多かったようです。

もちろん良い人もいたようですが。そうでない人が多かったようです。

清朝はまだ改善されてる方で明朝はもっと待遇が悪かったでしょう。

事件の捜査には5日間という期限があったこと。殺人などでは3日間。という更に短い期限がついていました。期限内に捜査が進展しない場合。捕快は罰を受けます。

中国ではこれが合理的な制度だと思っていたようですが。そんなことをしたら冤罪が増えます。真実を明らかにすることより、事件を早く処理するのを優先したからなのでしょう。

そのため、当時から「捕快はゴロツキ同然」と思ってる人もいました。あまり評判のいい仕事ではありません。

ドラマ「花様衛士」でも袁今夏の養母が「捕快をするなんて」みたいに言ってました。

もちろん女性がする仕事じゃない。というのもありますが。男でもあんまりいい仕事とは思われてなかったのです。

 

六扉門という警察がある?

普通は「六扇門」といえば「刑部」「大理寺」「都察院」が三法司衛門です。

中国の民間伝承には「六扇門」という名前の「特殊警察がある」という話があります。犯罪組織や凶悪犯に立ち向かうために結成された組織です。

東廠とは違って政治的な活動はせず。悪者と戦って平和を守る正義の味方のような描かれ方をします。物語によっては隊員が特殊能力を持っていたりします。

もちろん。現実にはそんな特殊部隊みたいな警察は存在しません。

中国で盛んな武侠小説(日本の剣豪小説みたいなもの)ではよく題材になります。

その影響で中国にはいくつか「六扇門」というドラマがあります。ほとんどが作られたイメージの六扇門です。

実態とは違う姿が娯楽作品の中で膨らんでいく、日本の「忍者」みたいなものでしょうか。

日本でも江戸の「岡っ引き」「目明かし」「下っ引き」は役人ではありません。非正規採用でろくな収入がなく(だからおかみさんが小料理屋をやってたりする)、ヤクザまがいの恐喝をする人もいました。でも「銭形平次」や「○○捕物帖」みたいな正義の警察官。みたいな時代劇は多いです。

それと同じノリで中国の小説や物語でも正義の六扇門、捕快の話はあるのです。

やっぱり悪を裁いてくれるくれる人を庶民は望んでいるんですね。

中国ドラマの「花様衛士」「六扇門」では女性の隊員が活躍します。でも明朝時代は儒教の教えが広まっていた時代。もちろん女性の隊員は存在していませんでした。

 

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