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トンイのシム・ウンテクのモデル 金春澤 は型破りな政治家

5 李氏朝鮮の重臣

ドラマ「トンイ」に登場し、トンイの味方として活躍するシム・ウンテク。彼は実在の人物ではありません。しかし、モデルになった人物はいます。西人派の重臣・金春澤(キム・チュンテク)です。

「トンイ」に登場するシム・ウンテクとはかなり違った人物ですが。禧嬪張氏の兄チャン・ヒジェと対立し、仁顯王后を復位させることに貢献しました。

2002年の張禧嬪では朱蒙のソン・イルグクが金春澤を演じました。張禧嬪をあつかった古めのドラマでは重要な人物として登場します。

金春澤(キム・チュンテク)はどんな人物だったのか紹介します。

 

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金春澤(キム・チュンテク)の史実

いつの時代の人?

生年月日:1670年
没年月日:1717年

名前:金春澤(キム・チュンテク)
父:金鎭龜
母:李氏

彼が生きたのは朝鮮王朝(李氏朝鮮)の19代王・粛宗の時代です。

日本では江戸時代になります。

おいたち

 実家は粛宗の最初の王妃・仁敬王后金氏の親戚。

幼い頃から、大叔父の金萬重(キム・マンジュン)の弟子になって文章を習いました。金萬重は仁敬王后金氏の父の弟でした。

金春澤は頭がよく文章の才能があり評判になりました。やがて宮中に入り役人になります。

1689年。粛宗が西人派が禧嬪張氏の産んだ息子を世子にしようとしました。すると西人派が反対しました。それに怒った粛宗が西人派を追放します(己巳換局)。このとき、大叔父の金萬重ら西人派の者が追放になりました。しかし、金春澤は仁敬王后金氏の実家の甥だったことも幸いして追放されずにすみました。

1694年。仁顯王后の復位運動を始めます。

西人派は老論派と小論派に分かれていましたが、南人派から政権を奪い返すことでは一致していました。金春澤は老論派に所属していました。

謝氏南征記を広める

金春澤ら老論派は小説・謝氏南征記(サシナムジョンギ)を漢文にして広めました。

謝氏南征記は金萬重が作ったハングル文字の小説でした。仁顯王后に対する庶民の同情を高めるため、庶民が読めるようにハングル文字で書かれていました。でも宮中ではハングルは使われず漢文が使われていました。

そこで金春澤は宮中の人にも読ませようと考え漢文に訳したのです。その結果、粛宗も謝氏南征記の内容を知ることになったと言われます。

張希載(チャン・ヒジェ)の妻と不倫

1695年。禧嬪張氏の兄・張希載(チャン・ヒジェ)の妻を誘惑して不倫しました。そして南人派の情報を聞き出しました。金春澤ら西人派の活動により、仁顯王后の復位と南人派重臣の追放に成功しました。

しかし金春澤の活動が南人派にばれてしまい金春澤は監禁されてしまいます。

粛宗も南人派の力が強くなりすぎるのは問題に思っていました。南人派を追放する決心をします。西人派が政権を奪取し、金春澤は釈放されました。

とはいえ、さすがに金春澤の行いは西人派(とくに小論派)からも非難をあびます。

1697年。小論派と南人派は、金春澤が張希載の妻と不倫したことを追求しました。金春澤は金泉に流刑になりました。

1701年。仁顯王后が死亡。禧嬪張氏が仁顯王后を呪っていたいたと問題になりました。この捜査の途中で金春澤が張希載の妻と不倫したことが問題にされ、再び小論派から追求されます。

1706年。小論派から、金春澤が張希載の妻と不倫したことを追求されました。しかも不倫の目的は張希載を殺害しようとしただけでなく、世子に危害を加えようとしたという理由が付け加えられたのです。老論派の弁護もありましたが、結局は済州島に流刑になりました。

金春澤がやったこととはいえ、過去のことを何度も蒸し返して責任を追求するのは朝鮮の伝統のようですね。

1710年。ミンジンフが刑を軽くすることを願い出て、流刑先が島から半島内に変更になりました。

1712年。放免されました。
1717年。亡くなりました。

淑嬪崔氏と不倫した?

淑嬪崔氏の息子(後の英祖)は粛宗の息子ではなく、ムスリだった淑嬪崔氏が金春澤と密通して産まれた子供だという噂が流れたことがありました。少論派による陰謀でした。

この噂は英祖の時代まで続きます。英祖は噂を禁止しました。それでも噂を流すものは厳罰にするという事態になりました。

つまり「トンイ」の世界で例えると、クムはトンイとシムウンテクが不倫してできた息子というわけですね。さすがにあり得ない話です。でも金春澤は不倫の前例があるだけに噂を流しやすかったのでしょうね。

「ヘチ」ではミルプン君がヨニン君を陥れるためにこの噂話を流したことになっています。

まとめ

金春澤の私生活はかなり奔放だったらしく、政治活動も過激でした。敵対勢力だけでなく、味方の老論派からも非難されることがありました。当時として型破りな政治家だったようです。

しかし文才に優れ詩の才能もあり、高い名声を得ていました。現代だと人妻と不倫したり私生活はめちゃくちゃだけど、すごい作品を作るアーチストのようなものでしょうか。

このような人物が「トンイ」に出てきたら、トンイの活躍が霞んでしまいそうです。穏やかなシム・ウンテクに変えられてしまったのは仕方ないかもしれませんね。

 

金春澤の登場するテレビドラマ

仁顯王后  MBC、1988年 演:チェ・サンフン
妖妃張禧嬪 SBS、1995年 演:ラジェウン
張禧嬪 KBS、2002年 演:ソン・イルグク

シム・ウンテクとして登場
トンイ MBC 2010年 演:キム・ドンユ

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