韓国ドラマ「ヘチ 王座への道」第16・17・18話のあらすじとネタバレ解説です。
ミルプン君事件の決着から景宗の病状悪化と毒疑惑、そして「王を死なせたのではないか」という非難を浴びながら世弟が英祖として即位するまでが描かれます。
この記事では第16〜18話の流れを通して、摂政と代理聴政、景宗の死因、即位のタイミングをめぐる歴史上の出来事との違いを整理しつつ、ドラマがどのように史実を脚色しているのかを分かりやすくまとめました。
この記事で分かること
- 第16〜18話のあらすじとネタバレ
- ミルプン君事件の決着から景宗崩御、英祖即位までの一連の流れ
- 景宗の体調悪化と“毒”の関係、そこから生まれた英祖毒殺説
- 景宗崩御から数日後の即位が、早すぎる即位と受け取られた理由
この記事はネタバレになる要素を含んでいます。ストーリーを知りたくない方はご注意ください。
ヘチ 第16話
捉えられるミルプン君
ミルプン君はタルムンやト・ジグァンとも連絡がとれなくなり不安になります。朝廷に様子を見に行くと、自分が追われる身になっていることを知ります。ミルプン君は王宮の暗がりに隠れますが不安になり刀を抜き見張りに切りかかります。ミルプン君は返り血を浴び異様な姿になります。王宮内にミルプン君がいるという知らせは景宗や世弟に伝わりました。世弟が王宮に駆けつけると寝殿の前で刀を持ったミルプン君の姿が見えました。世弟はミルプン君を呼び止めます。
世弟が刀を向けるとミルプン君は笑って「一人では死なない世弟を道連れにすると言い」すんなり捕まりました。
そのころユニョンはタルムンに匿われある廃屋にいました。ミルプン君が捕まればユニョンもおしまいです、それでもタルムンはユニョンを匿いたいと思っていました。
処分が発表される
世弟はこの捏造事件の全貌を明らかにするように景宗から命じられました。司憲府ではパク・ムンスがウィ・ビョンジュの取り調べを行っていました。
義禁衛ではミルプン君が自分こそが王位に付くべきだと悔しがっていました。その場にいたイ・グァンジャはミルプン君自身が招いたことだと言いました。
取り調べのあと景宗が処分を発表しました。キム・ソニョン、キム・チャンジュン、イ・イギョムは流刑、ウィ・ビョンジュは流刑後、賜死が命じられ、ミルプン君も離島に流刑のあと極刑に決まります。
病状が悪化する王
そのころ、王宮では騒ぎがおきていました。柱に得体のしれない血痕がついていたのです。血痕は拭き取られましたが医官や医女たちは気味悪がりました。
景宗の病状は悪化していきます。そこで景宗はある決断をしました。世弟に摂政を任せるというのです。
世弟は便殿の王座の前に座り摂政としての役目を務めました。世弟は新しい人事を発表します。新しく大司憲に命じられたのはイ・グァンジャでした。
ミルプン君は流刑地にいました。しかしまだ諦めていません。ミルプン君にはまだ企みがあったのです。
注目点:世弟の代理聴政はあったのか?
史実では景宗がまったく政務不能だったわけではなく、その状態を利用して老論が延礽君の代理聴政を強く主張したことが、むしろ騒動の出発点でした。これに対して少論が「老論と世弟が権力を握ろうとしている」と反撃。その結果て老論の粛清と延礽君に対する“謀反の疑い”が持ち上がります。
『ヘチ』では先にミルプン君事件や毒殺疑惑を通じて「世弟への不信」が高まり、その後に摂政や即位をめぐる動きが描かれます。史実では「代理聴政要求が原因」なのに対し、ドラマでは「疑惑の高まりの中で摂政・即位が進む」という具合に、原因と結果の順番が入れ替えられているのが大きな違いです。
ヘチ 第17話
病状が悪化する景宗
景宗の体調はどんどん悪くなっていました。その日も侍医が出した薬を飲んでいましたが、口をつけた瞬間いつもよりひどい激痛が走りました。
世弟は内医院に行って侍医の話を聞きますが、侍医にも理由がわかりません。世弟は数日前に内医院の柱にあった血痕のことを知ります。もしそれがミルプン君の仕業だったら、内医院の薬に毒が混ぜられた可能性もあります。
世弟は慌てて景宗の寝殿に行き、景宗が飲もうとしていた薬を投げ捨てました。そばにいたチョ・テグは王様が苦しんでいるのになぜ薬を飲ませないのかと怒ります。
世弟はパク・ムンスを呼んでミルプン君、ウィ・ビョンジュ、ト・ジグァンを調べるように指示します。
景宗の治療方針を決めた世弟に疑いの目が
便殿会議は景宗の体調がもどるまで世弟が仕切ることになりました。内医院の薬に毒が混ぜられている可能性があります。世弟は重臣たちに内医院の薬はつかなわいこと、民間の医師にも治療を依頼する方針を伝えました。
しかし、もし内医院の薬に毒が入ってなかったら、民間の医師の治療が失敗したら世弟が責任を問われることになります。それでも世弟は景宗を助けたいと思っていました。
ソニ王妃や重臣の中には、世弟が景宗から治療の機会を奪って王位を狙っていると考えるものもいました。
そんななか、内医院の調査のために医官や医女が集められました。医女長の顔色がよくありません。この女がミルプン君から毒を受け取り、王の薬に混ぜていたのです。報酬はユニョンから受け取ることになっていました。
ミルプングンの思惑通りに進む
タルムンに匿われたユニョンは密かに抜け出して医女長と会いました。ところがユニョンは報酬を渡すふりをして医女長を殺してしまいます。タルムンが気づいたときにはユニョンはどこかに姿を隠していました。
毒薬について調べていたパク・ムンスは、流刑地にいるミルプン君に会いに行きました。ミルプン君は世弟が景宗から内医院を遠ざけたことを聞いて喜びました。それはミルプン君の思惑通りでした。ミルプン君を疑う世弟が景宗に内医院の薬を飲ませず、景宗が死んだら、世弟が殺したことになるからです。
景宗の病状はどんどん悪化します。ミルプン君が清からとりよせた毒薬は解毒剤がありません。世弟は解毒できる可能性があることを知ります。それはトリカブトを使うことでした。トリカブトの根を高麗人参とあわせて摂取すれば体の毒が弱くなるというのです。世弟はその方法にかけることにしました。
景宗崩御
景宗は世弟が処方した薬を飲み、意識を取り戻しました。そして世弟の手を握りました。
しかし景宗は世弟に言葉をかけたあと崩御しました。
国王崩御の知らせが王宮に伝わりました。誰もが膝まづいて涙を流します。その中には世弟を心配するヨジもいました。
注目点:景宗の最後と世弟の関わりは?
景宗の「体調悪化」の原因は“毒”だったの?
ドラマではミルプン君の毒が景宗に飲ませられたかのように描かれ、世弟が薬を止めたことが「王を死なせたのでは」という疑念へとつながります。史実では景宗は蟹の醤油漬け(ケジャン)と柿を同時に食べたことで激しい下痢を起こし、体調が急激に悪化したと伝わります。御医が薬を出したものの改善せず、病状が悪化しただけで毒の記録はありません。
ただし、実際に体調が急変したことから「老論が薬に毒を盛ったのでは?」という噂が朝廷内に広がったのは事実で、これが後に英祖本人に向けられる「毒殺説」の根っこになっていきます。ドラマはこの歴史的な“噂”を物語上の毒殺劇に再編していると言えるでしょう。
世弟が勧めた“附子(トリカブト)”は史実にも登場する?
劇中では世弟が「トリカブトによる解毒」を試み、景宗が一時回復する展開が描かれます。実は史実でも世弟が附子(=トリカブトの根を加工した生薬)と朝鮮人参茶を景宗に勧めたという逸話があります。附子は加工すれば薬として使える一方、毒性も強い“劇薬”で、伝統医学でも熟練者だけが慎重に使うものでした。
景宗が最終的に亡くなったため、「附子を飲ませたせいでは?」「世弟の治療が逆に悪化させたのでは?」という疑念が生まれ、ここから後世の“英祖毒殺説”へとつながっていきます。
ドラマはこの史実を大胆に脚色し、「毒」「解毒」「治療失敗」という物語性の強い展開に置き換えています。
ヘチ 第18話
王になる資格があるのか悩む世弟
景宗が死亡しました。少論派の重臣たちは、景宗が死亡したのは世弟のせい。だから世弟には王位を継ぐ資格なないと騒ぎます。世弟はその言葉を聞いていました。世弟に王になる資格はないと散々言われてきましたが、今回ばかりは本当に資格はないのかもしれないと落ち込みました。
しかし気弱になる世弟をイ・グァンジャが一喝します。諦めて逃げた瞬間に王の資格はなくなるというのです。苦しみから逃げるのか、それとも屈辱と戦うのか。決断を迫られました。
英祖の即位
少論派の意見は2つに割れていました。そんなとき、誰が王になるにしろ老論派が主導権をとるのが重要と考えていました。
少論派の強硬派チョ・テグは世弟が王になるのに反対しました。必要なら軍を動かせるように五衛都総府の兵を動かす権限を確保します。五衛都総府とは李氏朝鮮時代に造られた都を守る五つの軍隊の指揮をする組織です。
世弟を支持するイ・グァンジャは司憲府の兵を確保しました。老論派のミン・ジノンは兵曹、漢城府、捕盗庁を確保しました。
世弟は悩んだ末に王になる決断をしました。そして世弟はイヌォン大妃に会い、即位式を早めてほしいと頼みます。謀反が起こる可能性があるので早く即位しなければいけないと思ったのです。
しかし世弟が即位すれば、世の中の人々は先王を死に追いやって急いで王になった卑劣な王だと言われることも覚悟しなければいけません。それでも世弟は王になると決めました。
即位式が行われました。李氏朝鮮の第21代国王・英祖の誕生です。
そのころ漢陽の街で「今の王は先王を毒殺してたった3日で即位した」という噂が広まっていました。それは南人派のイ・インジャが広めた噂でした。
イ・グァンジャたちが辞職する
英祖が王になって最初の日。官職を退いたものがいました。イ・グァンジャ、チョ・ヒョンミン、パク・ムンスです。彼らの辞職は、イ・グァンジャがミン・ジノンに出した条件でした。自分たちが辞職する代わりに老論派が世弟を指示してほしいと頼んだのです。イ・グァンジャたちは朝廷で力をもつ老論に頼るしかありませんでした。
パク・ムンスは荷物をまとめて漢陽を去ります。パク・ムンスは宮女になったヨジに再会して驚きます。なぜそんなに窮屈な道を選ぶのかと。しかしヨジはそれが世弟を守る方法だと思っていました。
パク・ムンスはタルムンに書状を預けました。英祖はその書状を受け取ります。パク・ムンスの思いを知った英祖は密かに涙しました。
注目点:英祖の即位は早すぎたのか?
史実では景宗は8月25日に崩御し、英祖は8月30日に即位式を迎えています。日付だけ見ると「たった5日で即位!?」となり、ドラマのように「急いで王になった卑劣な王」という噂が生まれやすい条件に見えますよね。
でも世弟はすでに次の王として決まっており。朝鮮王朝の原則は王は亡くなった瞬間に次の王に“自動的に”継承されるというものです。即位式はその事実を形式として確認する儀礼に過ぎません。喪服着用や諸手続きのタイミングから見ても数日後の即位式は平均的な速さで「特別に異様なスピード」とは言いにくいです。
儀礼上は標準、感情的には「早すぎる」に見える矛盾とは?
一方、民衆や反対派の目線に立つと話は変わります。景宗は食あたりをきっかけに急激に体調を崩し、そこへ御医の薬や世弟の勧めた附子・朝鮮人参茶が重なり、あっという間に崩御しました。
そこに派閥対立(老論・少論)や世弟への疑念が積み重なっていたため、「急に死んだのに、すぐ弟が王になった」という印象が強烈に残ります。
結果として儀礼的には妥当な日程でも感情レベルでは「早すぎる即位」に見え、それが「毒殺して急いで王座に座った」という陰謀論の温床になっていきました。
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