ヘチ 王座への道 第19・20・21話のあらすじとネタバレを紹介。
英祖の即位直後、清州から漢陽へと広がる疫病とそれを利用して蜂起の準備を進めるイ・インジャ一たち。彼らはミルプン君を「真の王」として掲げ反乱を起こしました。
この記事では第19〜21話の物語の流れを整理しつつ、英祖が民心を取り戻す過程やパク・ムンスの活躍、イ・インジャの乱の史実との違いまでわかりやすくまとめました。
この記事で分かること
- 第19〜21話のあらすじとネタバレ
- 疫病発生からイ・インジャの蜂起までの物語の流れ
- イ・インジャがミルプン君がどのようにして、反乱の名分と勢力を作り上げていったか
- 英祖が王としての信頼を取り戻していく様子と、朝廷内の対立
ヘチ 第19話
街で疫病が発生する
英祖の即位後、街で疫病が発生しました。民衆が次々に倒れ、命を落としていきます。清州で始まった疫病は3日後には漢陽まで広がっていました。
英祖が調査すると見込んでタルムンはできる限りの情報を手に入れるように部下に命じました。
英祖は朝廷で重臣たちと対策を話し合っていました。疫病はすでに清州、漢陽以外の土地にも広がっていました。早く対策しないと王としての責任が問われます。
貧しい人の病を治療する活人署には次々と病人が運ばれていました。活人署は隔離され漢陽への人の出入りも厳しく管理されました。
ミルプン君脱走の知らせが英祖に届く
そのころ。流刑地にいたミルプン君とウィ・ビョンジュが脱走したという知らせが英祖に届きます。疫病の流行とともに脱走したのなら、疫病が流行るのを知っていたかもしれない。英祖はひと月前に軍営で兵士たちがかかった病と街で流行している病が似ていることに気づきました。そのときは広がりませんでしたが、誰かが意図的に広めたものかもしれない。そしてその犯人はミルプン君では?と英祖は考えます。
イ・インジャは反乱を準備する
ミルプン君の脱走を助けたのは南人派のイ・インジャでした。疫病はイ・インジャがひろめたものでした。新しい国王が即位して国が不安定な時期を見計らって、世の中を混乱させるためにやったのです。南人派が朝廷に返り咲くためにもイ・インジャはミルプン君を利用して反乱を起こす計画をたてていました。
イ・インジャはミルプン君とウィビョンジュを助け出し、砦につれていきました。そこには数え切れないほどの南人派の兵士がいました。彼らはイ・インジャを将軍と呼び反乱に備えて準備をしていました。
イ・インジャにとってミルプン君は反乱をおこすための名目にしようとしたのです。ミルプン君も自分が王になるためにイ・インジャに従いました。
王宮ではイヌォン大妃が病になりました。その看病をしたのはヨジでした。英祖は王宮でヨジに会い言葉を失います。
疫病のせいで民心が広まる
疫病が広まったため民衆の心は英祖から離れていました。この噂は先の王を殺した天罰だという噂まで広まります。英祖が都を捨てて逃げるという噂まで出ていました。イ・インジャが意図的に広めた噂です。
英祖は民を励まし信頼を取り戻す
英祖はタルムンから井戸水に異常があると聞きました。誰かが危害を加えようとしている。英祖は民に危害を加えるものは許さないと誓います。英祖は活人署に行き「私は民を見捨てない、これは天罰ではないから必ず良くなる」と言い、病人たちに触れて励ました。そんな王に民たちは感動します。民たちの王への信頼は戻りつつありました。
注目点:イ・インジャの反乱準備はどこまで史実に近い?
ドラマでは清州で始まった疫病が漢陽まで一気に広がりました。実はイ・インジャが井戸に手を加えて意図的に流行させたもの、という設定になっています。さらに流刑地から脱走したミルプン君を旗印として担ぎ上げ、南人勢力の兵を砦に集めて反乱を準備する展開です。
史実でも英祖即位の数年後に「イ・インジャの乱(戊申乱)」が起こり、反乱軍は清州城を押さえてから漢陽を目指しました。彼らは「景宗は毒殺された」「英祖は正統な王ではない」といった噂を流し、ミルプン君(ミルプン君・李坦)を新王に立てる名分として利用しました。
しかし、疫病を故意に広めたり井戸に毒を入れたという記録は史料には見えません。疫病自体は18世紀の朝鮮で頻発していましたが、ドラマのような「生物兵器」としての描写は創作と考えてよさそうです。
ヘチ 第20話
パク・ムンスが反乱軍の砦を見つける
都で疫病が流行っていたころ。パク・ムンスは清州にいました。ムンスは流刑地にいるはずのウィ・ビョンジュをみかけます。パク・ムンスがウィ・ビョンジュと話していた役人を尾行しました。するとその男は武器庫を管理する清州の軍官でした。男は再びウィ・ビョンジュと会い、武器庫の鍵を渡しました。
パク・ムンスはウィ・ビョンジュの後をつけ彼らの砦を見つけます。山奥の巨大な砦に圧倒されました。ウィ・ビョンジュは武器庫の鍵をイ・インジャに渡します。彼らは各地に拠点を作っていました。イ・インジャは没落した両班や搾取に苦しむ民衆も仲間になるはずだ。朝廷にも同志がいると自信満々でした。
民衆を思いやる英祖に重臣たちは感服
漢陽では疫病に苦しむ民衆のために井戸を閉鎖。きれいな水を民に提供し、清州の病を治したときと同じ薬を飲ませました。民衆の健康回復を最優先に考える英祖の姿をみて少論派の長であるチョ・テグは感心していました。老論派のミン・ジノンも英祖を王の器と認めていました。
朝廷には老論派と対立していた少論派の重臣たちがいました。少論派の捕盗大将、兵曹の武官などがイ・インジャに賛同して間者になっていました。彼らは英祖が王になって再び老論派に力を与えたことが許せませんでした。少論派内部でも英祖を支持するものと反発する派閥に別れました。
疫病は収まりましたが。ウィ・ビョンジュやミルプン君は捕まっていません。更には彼らを逃したものがいるはず。英祖の悩みのタネはつきません。
英祖暗殺未遂
イ・グァンジャとチョ・ヒョンミョンが朝廷に戻ってきました。パク・ムンスも戻ってきました。英祖はパク・ムンスからイ・インジャという男が反乱軍を組織していること。朝廷内に間者がいることを聞きます。司憲府はユン・ヒョクを筆頭に反乱に備え戦う準備をしました。
それをみた間者も動き出します。兵曹の宣伝官が自ら大展の護衛をすると言ってきました。すきがあれば王を討つためです。王を討とうとした宣伝官をヨジが止めました。英祖も助けに入り宣伝官を捕らえます。イ・インジャの間者たちも捕らえられました。
しかしこのあと、清州でのろしがあがりました。イ・インジャたちの反乱が始まったのです。
注目点:パク・ムンスが山奥の砦を突き止めたのは史実?
ドラマではパク・ムンスが流刑中のはずのウィ・ビョンジュを清州で目撃し、尾行の末に反乱軍の巨大な砦を発見します。武器庫の鍵の受け渡しも目の当たりにし、「これはただ事ではない」という緊張感が一気に高まりますね。視聴者にとっては、反乱がもう準備万端であることを見せる装置になっています。
実際の戊申乱ではイ・インジャ率いる反乱軍が「清州城(上党山城)」を制圧したことが蜂起の大きな節目です。 ただしパク・ムンスが一人で山中の砦を突き止めた、というエピソードは史料には出てきません。史実の朴文秀は乱が起こってから英祖により討伐軍の一員として任命され、三南地方の鎮圧に関わった人物です。 つまり「反乱準備の現場を先に嗅ぎつける敏腕監察」というのは、後世の名声をもとにした創作的なヒーロー描写です。
ヘチ 第21話
勝ち進む反乱軍
清州で反乱が起こりました。
イ・インジャは長年の計画通り、まず清州城を陥落させます。イ・インジャは、英祖は使用人の息子で王の資格がないと主張。真の王をたてることを目的にしていました。真の王とは昭顕世子の子孫・ミルプン君のことです。反乱軍は清州をはじめ4つの地域で決起しました。
ミルプン君は反乱軍の王としてまつりあげられました。反乱軍は進軍する先々で民衆に金と米を配りかいじゅうしていきました。自分が王になれば税もとらない。裕福な暮らしができると出任せを言うミルプン君に対して搾取に苦しんでいた民衆は熱狂的に指示しました。民衆にかしずかれるミルプン君は得意げでした。
反乱軍は官軍の予想を超える速さで漢陽に向かってきました。その反乱はすぐに国内に広がるだろうと英祖は不安になります。
官軍が結成、戦地へ向かう
漢陽の住民にも反乱軍が近づいていることが知らされます。人々は急いで避難しようと混乱しました。
反乱軍に立ち向かうため官軍が結成されました。パク・ムンスやタルムンも参加します。それぞれが軍服を着て王宮に集まりました。官軍の前に英祖が姿を現し出征の命令が下ります。ヨジは王を守るために王宮に留まりました。
英祖は彼らを送り出した後、南人派の両班たちを再び官職に就かせたいと考えます。その知らせがイ・インジャたちに届けば反乱を鎮めるのに役立つかもしれないと考えます。しかし英祖の考えはそれだけではありません。派閥を超えて平等に人材を採用することで朝廷のバランスをとろうとしたのです。反乱を食い止めるだけでなく、二度と怒らないようにするのも王の役目と考えていました。
ヨジは自分も戦場に出るべきかと悩んでいました。英祖はヨジを引き止め、そばにいてほしいと頼みます。
官軍と反乱軍のかけひき
官軍は、反乱軍の進軍を止めるため漢陽の手前にある稷山で防衛戦を張りました。漢陽に近づく反乱軍を待ち伏せて討つ作戦です。しかし稷山の他にも反乱軍が来る可能性のある場所はあります。イ・グァンジャやパク・ムンスは不安になります。
イ・インジャは官軍にも間者を潜入させていました。稷山で官軍が待ち構えていることを知った反乱軍は安城を通り漢陽に入る道を選びます。
反乱軍は安城まで来ました。イ・インジャたちは官軍はいないと考え「王の首をとる」と意気揚々と進軍していました。
注目点:「真の王」ミルプン君の扱いは?
第21話ではイ・インジャが「英祖は使用人の息子で王の資格がない」と主張し、昭顕世子の子孫であるミルプン君を正統な王として担ぎ出します。ミルプン君本人は、民衆に甘い言葉を並べ立て、熱狂を楽しむ野心家として描かれています。
史実のミルプン君・李坦は確かに昭顕世子の曾孫で血統だけ見れば英祖よりも強い「嫡統」のカードでした。そのためイ・インジャらは「英祖は正統ではない、真の王はミルプン君だ」と掲げて反乱の大義名分に使います。
ただしミルプン君本人がどこまで積極的に謀議に関わったかは史料上はっきりせず、「名前だけ利用された傀儡」に近い評価もあります。
『ヘチ』ではミルプン君を前面に出したわかりやすい悪役王子として脚色しています。
関連記事
あわせて次のページもチェックしておくと『ヘチ 王座への道』の世界がより分かりやすくなります。
- ヘチ 王座への道 22・23話 安城決戦と蕩平開始
次回のあらすじとネタバレ解説はこちら。 -
ヘチ 王座への道16・17・18話 ミルプングンの逮捕と景宗の最後
前回までのあらすじネタバレと解説はこちら。 -
『ヘチ 王座への道』全話あらすじ一覧
第1話から最終回までのあらすじと、主要人物の相関関係をまとめたハブページです。気になる話数やキャラクターをすぐに確認したいときにどうぞ。 - 韓国時代劇 ヘチ・王座への道 キャスト・登場人物紹介
英祖(ヨニン君)、粛宗、ミルプン君など、ドラマに登場する人物の関係や、モデルになった実在の人物について整理した記事です。 - 英祖(ヨンジョ)の史実と家系図。派閥争いを抑え全盛期を迎えた厳しい国王
英祖の生涯を史実をもとに解説しています。ドラマとの違いを知りたい方におすすめです。 - ヘチの解説をまとめた総合ページ
英祖が主人公のドラマ「ヘチ王座への道」あらすじ一覧/登場人物/史実解説をまとめています。

コメント