中国ドラマ「成化十四年・都に咲く秘密」は明朝の成化帝時代を描いたドラマ。
「大明皇妃」で幼い皇子だった朱深見が皇帝(成化帝)になり人生の後半に差し掛かっているころです。「大明皇妃」の後日談とみても面白いかもしれません。
だから「土木の変」「オイラト」など「大明皇妃」で登場したキーワードも出てきます。
ドラマのタイトルにもなってる「成化十四年」は明朝の元号。旧暦なので若干ずれますが。西暦1478年。
台湾の若手俳優、グアンホン(官鴻)、フー・モンボー(傅孟柏)が主演。ブロマンスドラマ。
ジャッキー・チェンがプロデュース。彼が率いるスタントマンチーム「成家班」が撮影に協力。アクションシーンにも目が話せません。
注目の「成化十四年」の登場人物を紹介します。
主なあらすじ
成化帝が世を治める。明朝の成化十四年(1478年)。
順天府で推官として働く唐泛(とうはん)は頭脳明晰。名探偵としても知られます。唐泛は妓楼で起きた死亡事件を調べていました。
また秘密警察・錦衣衛の隋州(ずいしゅう)は皇太子の学友が失踪した事件を調べていました。
唐泛と隋州は2つの事件が深く関わっていると考えて協力することに。
ところが二人の前に宦官の汪植(おう・しょく)が現れます。二人に手を貸す汪植でしたが裏では暗躍していました。
さらに事件は宮廷内の権力争いと関係があるとわかるのですが。汪植によって捜査は中断され。思わぬ展開に・・・
時代背景
成化14年(1478年)。
明朝の第9代皇帝 成化帝の時代。オイラトとの戦争も終わり。明も平和をとりもどしていたころ。即位してしばらくは無難に政治をこなしていた成化帝でしたが。即位して14年をむかえ、政治を側近任せにして道教にハマり。宮殿に籠もるように。
秘密警察の西廠を新しく作り疑わしい者は容赦なく処罰。
後宮では 成化帝の側室で信頼を集める万貴妃が大きな影響力をもっていました。万貴妃は成化帝より17歳歳上ですが成化帝の寵愛を集めています。万貴妃を快く思わない周太后との対立も起こります。
成化14年とは成化帝が堕落し政治の腐敗が進んで明が衰退に向かい始めた時期。
そんな時代に陰謀に立ち向かう男たちの熱い友情を描いたのが「成化十四年」
時代的には内乱やオイラトとの戦争があったころの「大明皇妃」と
モンゴルや海賊に悩まされていたころの「花様衛士」の間の時代を描いているのが「成化十四年」。明がつかの間の平和を迎えていたころです。
キーワード
順天府(じゅんてんふ)
明・清時代の首都・北京を管轄する行政単位。「府」は「省」の下、「郡」の上。
地名が「北京」、行政単位が「順天府」。「順天府」は北京を管理する役人の集団。
推官(すいかん)
民事・刑事訴訟を取り扱う役人。法律の知識が必要。
位は順天府(北京)と應天府(南京)に所属する者は「従六位」。それ以外は「正七位」
主人公・唐泛(とうはん)の最初の役職。
ドラマでは唐泛は事件の捜査にも首を突っ込んでますが、現実には裁判の担当なので捜査はしません。
錦衣衛(きんいえい)
明朝時代に存在した秘密警察。反体制派の捜査と取締を担当。東廠や西廠の命令で動いています。普通の警察組織よりも権限が強いです。KGBみたいなもの。
東廠(とうしょう)
警察、諜報組織、軍隊をあわせた組織。臣下や反体制派の監視と取締、市内の事故や物の値段の調査まで任務は幅広いです。永楽帝が設置。明朝が終わるまで存在しました。組織の長官は宦官がなります。これは永楽帝が建文帝に対してクーデターを起こしたときに宦官の力を借りたため。宦官が権力を持つ原因のひとつにもなり。様々な弾圧事件を起こしました。
西廠(せいしょう)
東廠の働きに不満を持った成化帝が設置。成化、正徳時代だけ存在しました。
役目は東廠と同じ。成化帝が信頼したので東廠より権威は上。こちらも長官は宦官。
オイラト
モンゴル高原で暮らす遊牧民族。
かつてはモンゴルに服従してモンゴル帝国の一員になっていました。元朝が北京を放棄してモンゴル高原に帰ると、モンゴルから独立して独自の勢力を作るようになり。マフムート、エセンの時代にはモンゴルを圧倒する力を持ちました。ところがエセンの死後、急激に弱体化。成化時代になると復活したモンゴルに押され気味。
オイラトの残党が立ち上げた帝国が清朝時代に登場するジュンガル。
土木の変
「土木堡」という場所で起きた戦いだったからこう呼ばれます。土木工事とは関係ありません。
1449年。正統帝時代に起きた明とオイラトの戦争。明はこの戦いで20万の兵力(50万は嘘・ハッタリ)の約半分を失う大敗北。明の正統帝が捕虜になりオイラトのエセンは皇帝と引き換えに身代金を要求しました。中国皇帝史上最大級の失態を演じた大事件。于謙たち重臣たちの活躍でなんとか解決したものの。明の弱体化、その後100年近く遊牧民の驚異にさらされ続ける原因になります。「女医明妃伝」「大明皇妃」でも描かれました。
主要人物
唐泛(とう・はん)
演:官鴻(グァン・ホン)
潤青(じゅんせい)
都の役所・順天府で働くの役人。見た目は便りなさそうですが、観察力と推理力は抜群。美味しいものが好き。特に隋州の作る料理には目がありません。
隋州(ずい・しゅう)
演:傅孟柏(フー・モンボー)
広州(こうしゅう)
錦衣衛・北鎮撫司
周太后の血縁者。万貴妃派の上司からは嫌われています。冷静で武術の達人。口数は少ないですが、心は熱い。仲間からは信頼されています。かつてオイラトとの戦争(土木の変)に出ていたことがあり、オイラト人が嫌い。こうみえて料理が得意。
汪植(おう・しょく)
演:劉耀元(リウ・ヤオユエン)
楊福という名前で活動しています。
特務機関・西廠(せいしょう)の長官。万貴妃派の宦官。成化帝からも信頼が厚い。若くして宦官として出世。万貴妃には恩があります。
唐泛と隋州にとっては敵なのか味方なのかよくわからない人物。親しいようにもみえて裏では彼らの行動を監視する油断のできない相手。
明朝皇室
朱見深(しゅ・けんしん)/成化帝
演:蔡珩
万貞児を寵愛しています。
万貞児(ばん・ていじ)/万貴妃
演:賈静雯
成化帝より17歳歳上。侍女から成化帝の側室になりました。朱見深を非常に愛しています。万通の姉、万安の親戚。皇太后とは中が悪い。長男を出産しましたが幼くして死亡。皇太子を可愛がり、皇太子の生母・紀氏を自害に追い込みました。
周太后
演:方暁莉
天順帝(英宗)の側室。成化帝の生母。
朱祐樘(しゅ・ゆうとう)
演:劉世傑
皇太子。成化帝の三男ですが兄たちはすでに他界しているので事実上の長男。紀淑妃の子。
紀淑妃
演:楊凱如
皇太子・朱祐樘の母。
固安公主
演:趙曉璐
朱見深の妹
明朝廷の重臣・役人
万安(ばん・あん)
演:高蘭村
朝廷で力を持つ重臣。万貴妃の親戚。
万通(ばん・つう)
演:陳威旭
錦衣衛の指揮官。万貴妃の弟。隋州の上司。
尚明(しょう・めい)
演:柳彬
東廠の長官。
汪植を敵視しています。
明の人々
裴淮(はい・かい)
演:毛毅(マオ・イー)
医者。毒に詳しく抜群の腕をもっています。女性に対してはロマンチストな面も。
密かに唐瑜に恋しています。
李子竜(り・しりゅう)
演:王茂蕾
謎の商人。
何やら企んでいる様子ですが。唐泛のせいで失敗してさらに執着するように。
唐瑜(とう・ゆ)
演:潘時七
唐泛の姉。
夫に虐げられています。
オイラト
ウユンプラガ
演:張藝瀧(チャン・イーロン)
いかつい外見ですが気のいい男。弓矢の名人。
ドゥルラ
演:鶴男(ホーナン)
唐泛の友人。長年アラスを探しています。
丁満/アラス
演:書亞信
宦官になって宮殿に潜入。
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