中国ドラマ「孤城閉(こじょうへい)~仁宗、その愛と大義~」の紹介記事です。
主人公は北宋第4代皇帝・仁宗 趙禎と彼を支えた曹皇后。
時代的には「大宋宮詞」と一部かぶります。俳優さんや制作スタッフは違いますが、時代の流れでは「大宋宮詞」の続きのようなドラマです。
「大宋宮詞」ではヒロインだった劉娥(りゅう・が)が姑として登場。
「孤城閉」は劉娥の息子・仁宗とその妻の立場で描かれるドラマなので「大宋宮詞」とは違った視点から楽しめます。
「孤城閉(こじょうへい)」登場する人物とキャストを紹介します。
番組情報
原題:清平楽
英語:Serenade of Peaceful Joy
2020年、中国
全69話
原作:孤城閉
英語:Held in the Lonely
作者:米蘭Lady(本名:聶蔚、女)
中国版現代の「清平楽」の意味は、平和で清らかな調べ。
「Serenade of Peaceful Joy」の意味は 平和なセレナーデ(恋人のために奏でる音楽)。
原作タイトル、日本版タイトルの「孤城閉」は 閉ざされた城で孤立している という内容。
英題の「Held in the Lonely」は 孤独の中にいた(過去形) という意味。
中国版原題と原作・日本語版タイトルの意味は正反対といってもいいくらい違います。ドラマの途中までを表現するか、最後を表現するかで違うようです。
もともと原作小説の「孤城閉」は趙徽柔と梁懐吉の悲恋の物語。だから孤城に閉じるのは本来は趙徽柔や梁懐吉のことだったのです。
でもテレビドラマ「清平楽」は趙禎を主人公に、曹丹姝をヒロインにした物語に作り替えました。そのため趙徽柔と梁懐吉は後半のエピソードの一つになってしまいました。
時代背景
ドラマの舞台になるのは北宋 4代皇帝仁宗の時代。
1022年に3代皇帝 真宗が崩御。仁宗が即位するところから始まり。1063年の仁宗の死までが描かれます。仁宗の在位した40年近い年月を描く長い物語です。
宋の仁宗の時代は知識人が活躍して文化が栄えて平和で豊な時代と言われます。
その一方で。文官を優遇しすぎたので軍隊が弱体化。チベット系の西夏との戦争では苦戦して歳弊(貢物)を支払うことで和睦しました。役人や兵士が増えすぎて財政を圧迫。経費を補うために増税して反乱が起き始める時代。国内外で問題が出始めたころ。
それでも後の時代に比べればまだ国内が安定して豊かだった時代です。
主要人物
趙禎(ちょう・てい)/仁宗
演:王凱(ワン・カイ)
「瑯琊榜」靖王・蕭景琰など。
北宋 第4代皇帝。幼くして即位して皇太后の劉娥に朝廷を牛耳られています。やがて母親と思っていた劉娥が、生みの母ではなく李蘭恵が母だと知り苦悩します。皇后の曹丹姝とはすれ違いが続くのですが。
史実の仁宗とは
宋史上、最も在位期間の長い皇帝(在位期間:1022年~1063年、40年)。歴史上最初に「仁宗」の廟号が与えられた君主。穏やかな人物だったと言われます。
曹丹姝(そう・たんしゅ)/曹皇后
演:江疏影(ジャン・シューイン)
「九州縹緲錄」宮羽衣 など
ドラマのヒロイン。仁宗 趙禎の二人目の皇后。名門 曹家の娘。趙禎にあこがれて入宮するものの、妻としてではなく「国母」としての役割を期待されていることに気がついて苦悩します。
仁祖の後宮・家族
郭清悟/郭皇后
演:蒋沁芸
皇后→浄妃→玉京沖妙仙師→皇后(死後復位)
仁宗の最初の皇后。劉娥が選んだ正室。劉娥には可愛がられましたが。仁宗から寵愛を受けることはありませんでした。出家して長寧宮で暮らしました。「清悟」は法名。
張妼晗(ちょう・ひつかん)/貴妃
演:王楚然(ワン・チューラン)
才人→美人→貴妃→温成皇后(死後追尊)
もと宮中の舞姫。仁宗 趙禎の寵愛を受けているのをいいことに横暴な態度をとる側室。愛情に飢えていて仁宗だけが頼り。皇后の曹丹姝に敵対心を持っています。
苗心禾(びょう・しんか)/貴妃
演:許齢月(シュー・リンユエ)
昭儀→賢妃→貴妃(死後追封)
仁宗 趙禎の幼なじみ。成長して仁宗の側室になりました。趙徽柔の母。
趙徽柔(ちょうきじゅう)/福康公主
演:任敏(レン・ミン)
趙禎と苗心の間に生まれた娘。父の寵愛をうけて育ちますが、望まない相手との結婚を求められ拒否するものの、国を揺るがす大騒動に発展してしまい・・・
趙宗実(ちょう・そうじつ)/英宗
演:王昱超
嫡男のいない仁宗の養子になりました。後の5代皇帝 英宗。
実の父は濮安懿王 趙允讓。
宋の皇族
劉娥(りゅう・が)/皇太后
演:劉濤
「大明皇妃」張妍 など
仁宗の嫡母。摂政皇太后。
真宗の正室、章獻明肅皇后。子がなかったので侍女の李蘭恵が生んだ趙禎を我が子にしました。真宗の病死後。仁宗が幼かったので摂政皇太后になって垂廉聴政を行います。
李蘭恵(り・らんけい)/宸妃
演:車暁
仁宗 趙禎の生母。
劉娥に子供を奪われ。母親と名乗ることは許されませんでした。
李蘭恵の死の直前「宸妃」の称号が贈られ。
劉太后の死後。仁宗によって「章懿皇后」の称号が贈られました。
楊太妃
真宗の側室(淑妃)。
歴史上は趙禎の養育を担当したのは楊太妃。
ドラマでの登場はごく僅か。
趙元儼(ちょう・げんげん)
演:趙達
八大王。太宗の第八皇子。真宗の弟。仁宗 趙禎にとっては叔父。
仁宗に劉皇太后の横暴を話します。
魏国大長公主
演:康群智
太宗の九女。真宗の妹。仁宗 趙禎にとっては叔母。
穏やかな性格。仁宗が尊敬しています。
趙恒(ちょう・こう)/真宗
演:許毛毛
北宋 第3代皇帝。仁宗 趙禎の父。
1話で崩御。
内廷宦官・女官たち
梁懐吉(りょう・かいきつ)
演:邊程(ビエン・チェン)
元の名は梁元亨。
張茂則に助けられ、曹皇后から「懐吉」の名を与えられました。穏やかな人物。
幼いころから趙徽柔に仕え、彼女に恋するのですが。
張茂則(ちょう・ぼうそく)
演:葉祖新
目立たない宦官でしたが仁宗のもとで出世。
梁懐吉を助けました。曹皇后を敬愛しています。
任守忠
演:褚峰
内侍省都都知。内官のトップ。
規律に厳しくて妥協をしない人物。
董秋和(とう・しゅうわ)
演:陸妍淇
尚服局の女官。仁宗に気に入られましたが曹皇后の希望で尚服局に残りました。
後に崔白と結婚。
モデルは「董淑妃 」。仁宗の侍女から側室になりました。
朝廷の重臣
韓琦(かん・き)
演:楊玏
「九州縹緲錄」呂鷹揚 など。
理想に燃えて科挙を受験。
合格後は勤勉な役人になります。功績を残して後に宰相になりました。
詩人としても有名。
晏殊(あん・しゅ)
演:喻恩泰
宰相。神童と呼ばれた天才。真宗によって太子(後の仁宗)の家庭教師に任命されました。有能ですが、従者に暴力をふるうなど浮き沈みの激しい人物。
范仲淹(はん・ちゅうえん)
演:劉鈞
副宰相。晏殊の推薦で秘閣校理になりました。郭皇后の廃后に反対して仁宗や呂夷簡と対立。改革案を出しますが既得権を守ろうとする官僚達と対立して左遷されることも。
呂夷簡(りょ・いかん)
演:譚希和
宰相。仁宗が郭皇后を廃そうとしたときに賛成。范仲淹たち若手官僚と対立。
一度は宰相を辞任しましたが。仁宗の信頼が熱く呼び戻され中書省や枢密院を務めました。
欧陽脩(おうよう・しゅう)
演:張本煜
仁宗を支えた政治家の一人。劉太后に嫌われますが、改革に取り組もうとします。作家・歴史家としても有名。「新唐書」「五代史記」を書きました。輸入された日本刀を手にれてて賛美、漢詩を書いたことがあります。
蘇舜欽
演:鄭皓原
字(あざな=通称)は「子美」。
范仲淹派の臣下。
范仲淹の反対派によって横領の罪で弾劾を起こされ左遷。
蘇軾
演:丁禹兮
字(あざな=通称)は「東坡」
唐宋古文八大家
司馬光(しば・こう)
演:初俊辰
歴史書「資治通鑑」の編者として知られます。
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