中国ドラマ「孤城閉(こじょうへい)~仁宗、その愛と大義~」61・62・63・64・65話のあらすじとネタバレ感想紹介記事です。
福康公主・趙徽柔と李瑋は結婚しました。ところが李瑋が大嫌いな趙徽柔は初夜でいきなり李瑋を寝台から追い出しました。その事は周りの人々の間にも知れ渡りました。趙徽柔の乳母・韓氏は侍女たちが話しているのを聞き叱りつけます。
しかし李瑋の母・楊が李瑋と徽柔が共寝していないことを知り、李瑋を叱ると「早く床に入るように」との想いを込めて韓氏に白綾を渡しました。それを知った徽柔は楊氏のもとに行って楊義姉上と呼びました。宮中の決まりに酔って義母と呼ばなくてもいいのです。そんな趙徽柔に対しても李瑋は公主を怒らせないように従っていました。怒った楊氏は皇帝に訴えようと宮殿に行くのですが、葬儀の行列に阻まれてしまいます。
一方、趙徽柔の新婚生活を知る梁全一は梁懐吉に趙徽柔を説得するように言います。しかし趙徽柔は梁懐吉を頼りにしていると言われてしまいます。
番組情報
原題:清平楽
英語:Serenade of Peaceful Joy
2020年、中国
全69話
原作:孤城閉
英語:Held in the Lonely
作者:米蘭Lady
主要人物
趙禎(ちょう・てい)/仁宗
演:王凱(ワン・カイ)
曹丹姝(そう・たんしゅ)/曹皇后
演:江疏影(ジャン・シューイン)
苗心禾(びょう・しんか)
演:許齢月
趙徽柔(ちょう・びじゅう)/兗国公主・福康公主
演:何思甜
第61話 偏執が生んだ悲しみ
梁懐吉は買い物にでかけました。梁元生は懐吉を見て、弟の梁元亨を探しているとと周囲にいいます。梁懐吉は梁元生のに気づきましたが、自分が梁元亨だとは認めようとはしませんでした。
公主の趙徽柔は梁懐吉の帰りを待っていました。でも梁懐吉がなかなか戻ってこず食事をする気にはなれません。李瑋も横でただ待つしかありませんでした。嘉慶子たちは徽柔に食事を取るように勧めましたが徽柔は拒否しました。李瑋が話しかけると徽柔は李瑋が怪我をしているので診てもらうように言い、一緒に食事しようとはしませんでした。
梁元生は梁懐吉を車に乗せると梁家に連れて行きます。梁元生は途中で梁懐吉が書いた家族への手紙をすべて暗唱して聞かせました。梁元生は梁懐吉を梁家に連れていきました。そこには亡き両親の位牌がありました。
嘉慶子は李瑋を部屋に送り、医者が来るのを待つ間に机を片付けるのを手伝いました。偶然にも嘉慶子は李瑋の描いた絵を見つけます。それを見た嘉慶子は李瑋がどれほど徽柔を愛しているかを知ります。
宮中では妃の懐妊を祝う宴が催されました。楊氏は宴に出席、皇后や妃がいる前で李瑋と趙徽柔が一緒には寝ていないことを暴露します。すると趙徽柔は李瑋に会うのも触れるのも嫌。皇后や母には自分の気持はわからない、子が欲しい李瑋が側室をもてばいいとまでいいます。
感想
趙徽柔にしてみれば親たちは自分の想いが満たされているのに自分は道具扱いって納得できませんよね。趙徽柔がヤケになるのも当然かも知れません。でも儒教の価値観が何よりも大事だと思っている仁宗たちにはそれが理解出来ないんですね。
第62話 悪辣なたくらみ
趙徽柔と梁懐吉は一緒に外出。礬楼に入って食事をしました。そこには司馬光がいて女相撲について話しているのに出くわしました。司馬光は女相撲を批判していました。趙徽柔は司馬光の言葉に気に入らず怒って彼に文句を言います。帰ろうとする司馬光に趙徽柔はくってかかりますが。梁懐吉が止めます。そのとき梁懐吉は店内に曹評が妻と一緒にいるのを見ました。それを見た趙徽柔は一層落ち着かなくなりました。
夜遅く趙徽柔と梁懐吉が帰ってきました。それを知った楊氏は怒ります。徽柔と楊氏は激しい口論になりますが。趙徽柔は理屈で言い返します。すると公主が生まれたので、趙徽柔も宮中に来るように呼び出しがかかりました。
徽柔の侍女・嘉慶子は趙徽柔が好きなのは梁懐吉で。梁懐吉があいまいな態度を続けるから李瑋と一緒になれないのだと説得。梁懐吉は趙徽柔と距離を取ろうとするのですが。
一方。何としても李瑋と趙徽柔を床入させたい楊氏は強引な方法を実行。趙徽柔を媚薬入りの酒で酔わせて李瑋に寝所に運ばせます。そこに梁懐吉が戻ってきて趙徽柔を救出するのでした。
感想
中国ドラマあるあるの媚薬で寝所入り作戦。実際に公主にこんなことしたら楊氏はタダではすみません。その場で楊氏と李瑋は公主の手下にリンチにあいます。そのくらい実際の兗国公主(福康公主)は強かったのですが。それでは趙徽柔の可哀想さがうすれるのでドラマとしては面白くありません。なんとしても楊氏に悪役を演じてもらわないと。まあ実際の楊氏もいかにも庶民らしく品のない人下世話なおばちゃんみたいだったようです。宮廷育ちの兗国公主はそれも嫌いだったらしいです。
第63話 水面に守られる蓮の花
楊氏が兗国公主 趙徽柔に媚薬を盛ったことが明らかになりましたが。楊氏は悪いことだとは思っていません。さらに梁懐吉がいる限りは息子の夫婦生活はうまくいかないと敵意を現れにします。そして楊氏の怒りは息子の李瑋にも向けられ、李瑋を罵るのでした。
そんなある日の夜。趙徽柔は梁懐吉を誘って酒を飲みました。徽柔は自分の想いを梁懐吉に話し、蓮の花になりたいといいます。梁懐吉はそれなら水面になりたいといいます。
楊氏は手下とともに部屋の様子を盗み聞きしていました。そして梁懐吉を密通の罪で捕らえて趙禎に差し出そうとします。李瑋は趙徽柔を怒らせたくないので立ち尽くしていましたが。楊氏が趙徽柔を捉えようとすると、趙徽柔は物を投げ楊氏を叩きました。李瑋が止めようとすると趙徽柔は李瑋を叩いたので、李瑋は思わず趙徽柔に手をあげてしまいます。
趙徽柔と梁懐吉は屋敷を抜け出し、深夜宮殿に向かいました。
感想
歴史書「宋書」にも載ってる有名な場面。
史実では、兗国公主(趙徽柔)と梁懐吉が夜飲んでいる所を楊氏がのぞき見。のぞき見されているのを発見した兗国公主が手下に命じて楊氏にリンチを加え、それでも怒りが収まらない福康公主は宮殿に向かい門を開けさせます。
それでは兗国公主が悪者みたいなので、ドラマでは楊氏側が悪い。趙徽柔は被害者の演出ですね。まあ楊氏も下世話な性格ですけど。兗国公主は気性の激しい性格だったみたいですからね。衝突するのは時間の問題でしたけど。
第64話 閉ざされた今後
兗国公主 趙徽柔は宮殿に戻り仁宗 趙禎と皇后 曹丹姝に会いました。趙徽柔は李瑋に叩かれたことを訴え李瑋とは暮らしたくないと趙禎に言います。趙禎はショックでした。曹丹姝はまだ何かあると考えます。趙禎としてもおおごとにはしたくありません。翌日、李瑋の話を聞いて決めようといういうことになりました。
翌日。李瑋が宮中にやってきました。李瑋は趙禎の前にひざまずき、公主を叩いたことを詫てひらすら許しを乞うしかありませんでした。趙禎は夫婦の問題だとしてそれ以上は追求はしませんでした。
昨夜の件は臣下にも知れ渡り。夜中に公主が勝手に宮殿の門を開けたことが問題になり。弾劾が起きていました。趙禎は罰を受けるのは門番だと趙徽柔を安心させようとします。
曹丹姝は楊氏と会って謝罪の意志を伝えますが、その一方で李瑋が公主を叩いたことを取り上げこの件は公にしないことを誓わせます。
李瑋が迎えに来たと知ると、趙徽柔は取り乱し自害すると脅します。その様子を見かねた生母の苗心禾は、任守忠に相談。李瑋を都から追放して別居状態に追い込むことを提案。趙禎も認めて李瑋は都を離れることになりました。そして趙禎は梁懐吉を趙徽柔から引き離すことにします。
感想
ここで夜中に公主が宮殿の門を開けさせたことが問題になっています。「夜中に宮殿の門を開けてはいけない」というのは建国者の太祖・趙匡胤が決めた掟。弟の趙光義(太宗)ですら門を開けてもらえなかった。という厳しい規則なのです。それを公主が開けさせたというので問題になりました。現代人からみると大した問題ではなさそうに思えますが、祖先の遺言や前例を大事にする宋の人々にとってはおおごとなのです。
梁懐吉や李瑋の処分はいきさつはアレンジされていますが、結果はほぼ史実通り。ドラマでは李瑋が趙徽柔に暴力をふるったり楊家側に落ち度があるように描いているのでまだ話としてはうまくまとまりましたね。
それにしてもこの結果を招いたのは儒教に染まった趙禎の個人的な感情ですからね。趙徽柔たちは気の毒です。
第65話 あなたを守れるのなら
梁懐吉の上官・梁全一はこの騒動の責任をとって辞職。梁全一は梁懐吉にこれからのことをアドバイスしました。また張茂則は梁懐吉に対して、本当に公主のことを思っているなら距離を置くようにと言われます。皇后 曹丹姝は苗心禾を唆したとして任守忠に罰を与えました。
一方、役人たちが李瑋を擁護したため李瑋は都を追い出されずにすみましたが。梁懐吉への批判は高まり、趙徽柔は梁懐吉を心配します。
仁宗 趙禎も梁懐吉が趙徽柔を守ろうとしたことはわかっています。でも司馬光たちは梁懐吉が主を惑わせる悪魔だと激しく非難していました。それを知った趙徽柔は何がなんでも梁懐吉を守りたいと思うのでした。皇后 曹丹姝はどうすべきか趙徽柔に諭すと。趙徽柔は父の元に向かい梁懐吉に危害を加えないことを条件に李親子のもとに戻ると言います。
趙禎は役人たちを鎮めるため梁懐吉に何らかの罰を与えなければいけません。そこで西京の掃除係に異動させました。
趙徽柔は公主府に戻り、李瑋との同居生活が始まります。
一方。西京に向かった梁懐吉は尚美人とその養女に会います。尚美人はかつて郭皇后と争った人物でした。
感想:
なにふりかまわない司馬光たちの批判で梁懐吉が追い詰められていくのがもどかしいですね。司馬光たち重臣も李瑋と親しいわけではなく、むしろ皇帝の母の親戚というだけで官位をもらった奴と見下しているのですが。こういうときだけは政争に利用するんですね。
西京で会った尚美人はかつて楊美人と一緒に郭皇后と対立、郭皇后を廃位に追い込んだ人物。歴史上は尚美人は趙貴妃と同じくらい後宮で好き放題していた人物。それがあれば面白かったと思うのですが省略されてしまいましたね。
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