孝聖憲皇后(こうせいけんこうごう)鈕祜祿(ニオフル)氏は清王朝の第5代皇帝・雍正帝の側室。
孝聖憲皇后の若い時代を描いたTVドラマが「宮廷の諍(いさかい)い女」。劇中ではヒロインの甄嬛(しんけい)という名前で登場します。
設定では続編の「如懿傳」。
ほぼ同じ時代を描きながら別の視点で物語が進む「瓔珞」でも登場します。
甄嬛はドラマオジリナルの名前。本名は分かりません。
清王朝の皇太后で最も尊敬を集めた女性といわれます。
史実の孝聖憲皇后はどんな人物だったのか紹介します。
孝聖憲皇后の史実
いつの時代の人?
生年月日:1692年
没年月日:1777年
姓:鈕祜禄(ニオフル)氏
称号:孝聖憲皇后(こうせいけんこうごう)
地位:格格→熹妃→熹貴妃→崇慶皇太后→孝聖憲皇后
父:凌柱
母:
夫:雍正帝
子供:乾隆帝
彼は清王朝の第5代皇帝・雍正帝の側室です。息子は第6代皇帝・乾隆帝です。
日本では江戸時代の人物になります。
おいたち
満洲族鑲黄旗の鈕祜禄(ニオフル)氏出身。
1692年に生まれました。
鈕祜禄(ニオフル)氏は満州族の名門でしたが、父の凌柱(りょうちゅう)は四品典儀官。中堅クラスの役人です。あまり身分が高くありませんでした。
1705年(康煕44年)。胤禛(いんしん:後の雍正帝)の格格(ゲゲ:一番地位の低い側室)になりました。
胤禛(いんしん)は雍親王の地位を与えられ、自分の邸宅で暮していました。
正室の烏喇那拉(ウラナラ)氏はもちろん、側室の年氏、李氏よりも地位が下でした。
あるとき、胤禛(いんしん)が重い病気になりました。鈕祜禄(ニオフル)氏は胤禛を献身的に看病しました。これがきっかけで胤禛(いんしん)は鈕祜禄(ニオフル)氏を寵愛するようになったといいます。
1711年(康煕50年)。鈕祜禄(ニオフル)氏は胤禛の四男・弘暦(後の乾隆帝)を産みました。
胤禛は息子の弘暦をつれて円明園に行きました。このとき親子そろって康煕帝に会いました。すると康煕帝は優秀な弘暦を大変気に入って宮殿で育てることにしたといわれます。
1722年(康煕61年)。康煕帝が死去。胤禛が皇帝になりました。
雍正帝ようせいていの時代
夫が皇帝になったので鈕祜禄(ニオフル)氏の地位も上がりました。鈕祜禄(ニオフル)氏は皇帝の側室・熹妃(きひ)になりました。
このとき後宮での地位は孝敬憲皇后が最も高いです。
年貴妃、齊妃がその次。熹妃は4番めでした。
下には裕嬪、懋嬪などの側室がいます。
1725年(雍正3年)。敦粛皇貴妃 年氏が病死。雍正帝が最も寵愛していた側室が死亡したので、熹貴妃は側室の中では最も寵愛を集めました。
1730年(雍正8年)。熹妃は熹貴妃になりました。
1731年(雍正9年)。孝敬憲皇后が病のため死亡。熹貴妃が宮中のことをとり仕切りました。
1735年(雍正13年)。雍正帝が病死。過労死ともいわれます。息子の弘暦が皇帝に即位しました。
乾隆帝の時代
息子が皇帝(乾隆帝)になったので、熹貴妃は皇太后になりました。
乾隆帝から、崇慶皇太后の称号を贈られました。
崇慶皇太后は慈寧宮で暮しました。
1751年(乾隆16年)には六十寿、1761年(乾隆26年)には七十寿、1771年(乾隆36年)には八十寿。崇慶皇太后が人生の節目を迎えるたびに、乾隆帝が国家の行事として盛大に祝いました。
乾隆帝は倹約家だった父の雍正帝と違い、派手なこと賑やかなことが好きでした。そのため式典も盛大に行いました。
1777年(乾隆42年)。慈寧宮で死去。享年86。
死後。孝聖慈宣康惠敦和誠徽仁穆敬天光聖憲皇后の諡号が贈られました。
あまりにも長いので普通は 孝聖憲皇后(こうせいけんこうごう)と呼ばれます。
王子の側室とはいえ身分は高くはありませんでした。皇帝の側室になっても彼女以上に寵愛を集めた女性がいたので、特別高い地位にいたわけではありません。
しかし息子が皇帝になり国中で最も尊敬を集める女性になりました。
子供から大切にされ、最高の人生を歩んだ女性と言われました。後の皇太后にとっても崇慶皇太后は憧れの女性でした。西太后も崇慶皇太后に憧れたといいます。
TVドラマ
宮廷の諍い女 2011年、中国 役名:鈕祜祿·甄嬛 演:孫儷(スン・リー)
「宮廷の諍い女」は若い頃の孝聖憲皇后が主人公。劇中では鈕祜祿·甄嬛という名前で登場。中国版の原題は「甄嬛傳」
如懿傳 2018、中国 、役名:皇太后 鈕祜祿氏 演:鄔君梅
「宮廷の諍い女」の続編。このドラマでは主人公は烏拉那拉・如懿に変わっています。皇太后として登場。設定では乾隆帝の養母。
瓔珞 2018、中国、役名:太后 鈕祜祿氏 演:宋春麗
乾隆帝の養母・太后鈕祜祿氏として登場。
ドラマではナゼか乾隆帝の生母ではなく養母になってることが多いです。
・中国ドラマで鈕祜祿氏が乾隆帝の養母になってしまう理由はこちら。
コメント