中国ドラマ「女医明妃伝・雪の日の誓い」は明王朝が舞台。
ヒロインの杭允賢は女医でありながら妃になるという設定。
杭允賢は、中国四大医女・談允賢がモデルになっています。
この記事では女医明妃伝の、主な登場人物を簡単に紹介します。
人物紹介では最後に最終回のネタバレも含まれますのでご注意ください。
明の人たち
杭(譚) 允賢 こう(たん)いんけん
ドラマのヒロイン
演: 劉詩詩(リウ・シーシー)
ドラマの杭允賢は、明時代に実在した談允賢と杭皇后をもとに造られたオリジナルの人物です。
ドラマ上の設定
本来の名前は譚允賢。
代々医者の家系。祖父は皇帝の侍医をしていました。ところが祖父が朝廷の争いに巻き込まれて無実の罪を着せられ自害。それ以来一族は姓を変え、医術にかかわることを禁止され軍の仕事についていました。しかし頭の良い允賢は密かに祖母から医術を教わっていました。
允賢は父の代理で宴に訪れていました。その場で大怪我をした祁鈺を手当します。父からは医術を学ぶことを禁止されますが諦めきれずに女医の道を目指します。
やがて宮廷の医女として働くようになり朱祁鈺と愛し合うようになります。
オイラトとの戦争が始まると軍医として祁鎮の遠征に同行。しかし明軍が敗北してオイラトに捕まります。捕虜になった允賢はエセンから求婚されますが祁鎮とともに脱走。明に戻りました。
皇帝になっていた祁鈺に求婚され貴妃になります。宮中では汪皇后から命を狙われますが、間違って毒薬を飲んだ祁鈺が死亡。
祁鈺の死後、宮廷を離れた允賢は医師として活動します。
歴史上の談允賢
中国四大医女。明時代に活躍した婦人科の女医です。明は儒教の影響で女性の地位が低かった時代です。明では女医もほとんどいませんでした。そんな時代に女医のさきがけとして活躍した人物。王族の女性も治療したことがあります。女性治療のための医術書「女醫雜言」を書きました。
歴史上の杭皇后
明の皇族・朱祁鈺の側室。朱祁鈺が皇帝になると貴妃になりました。朱祁鈺とのあいだに息子の朱見済が生まれます。喜んだ朱祁鈺が朱見済を皇太子にしようとすると、汪皇后が反対。
汪皇后は廃され。杭貴妃が皇后になりました。息子の朱見済は皇太子になりましたが若くして死亡。杭皇后もあとを追うように病死しました。
死後、再び即位した朱祁鎮によって墓が破壊され、弟が解任されます。自分の息子が皇太子を廃されたのを恨んでいたからです。
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・女医明妃伝ヒロイン允賢のモデルは談允賢と杭皇后
朱 祁鎮しゅ きちん
ドラマの朱祁鎮
演:霍建華 (ウォレス・フォ)
身分を隠し鄭斉と名乗り寺におとずれていたところを 允賢と出会います。允賢に惹かれていきます。ところが、允賢が祁鈺の恋人だったことを知り落胆しつつも2人の仲を認めます。
オイラトとの戦争が始まり、軍を率いて出撃しますが。エセンに敗北して捕虜になってしまいます。允賢とともに明に戻りますが、弟の祁鈺が皇帝になっていました。
宮廷に戻った 祁鎮は幽閉されてしまいます。
祁鈺の死後、皇帝に復位。
允賢を探しラストで再会します。
歴史上の朱祁鎮
明の第6代皇帝・正統帝(廟号:英宗)
廟号とは霊廟に祀るときに付ける名前。死後に贈られる称号=諡(おくりな)とは別。儒教圏の習慣。
軍を率いてオイラトと戦いましたが、敗北して捕虜になりました。捕虜になっている間に明では異母弟の景泰帝が即位。
明に戻ったあとは離宮でひっそりくらします。景泰帝が病になると反乱が起きて再び皇帝になりました。
再び即位した後。自分の息子が皇太子を廃されたのを怨みに思い杭皇后の墓を破壊、杭一族を解雇しました。
歴史上はよい評価をされない皇帝です。
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・英宗・朱祁鎮(しゅ・きちん)オイラトの捕虜になった明の皇帝
朱祁鈺しゅ きぎょく
ドラマの朱祁鈺
演:黃軒 (ホアン・シュアン)
皇帝の異母弟。大怪我をしたところを允賢に手当され、允賢に思いをよせるようになります。やがて允賢と恋人同志になり兄・祁鎮からも結婚を認められます。周囲の反対でなかなか実現できないでいる間にオイラトとの戦争が始まり。
オイラトに捕まった祁鎮の代わりに皇帝になります。オイラトから戻った允賢が祁鎮と親しくなっていることにショックを受け祁鎮を幽閉。
允賢を貴妃として迎え入れます。
しかし允賢を毒殺するために汪皇后が用意した薬を誤って飲んで死亡。
歴史上の朱祁鈺
明の第7代皇帝・景泰帝
廟号:代宗
オイラトとの戦いで正統帝が捕虜になったので、臣下たちによって皇帝に選ばれます。釈放され明に戻った正統帝を軟禁。正統帝(朱祁鎮)の息子を次の皇帝にするという約束もやぶり自分の息子を皇太子にします。病になったところを重臣たちに反乱を起こされ死亡。
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・代宗・朱祁鈺(しゅ・きぎょく)捕虜になった兄の代わりに皇帝になる
汪美麟おう びりん
演:金晨
安和郡主。父は朝廷の重臣・汪瑛。孫皇太后の姪。朱祁鈺に想いをよせ結婚したいと考えています。ドラマの中盤で朱祁鈺と結婚。朱祁鈺が皇帝になると皇后に。允賢が祁鈺の側室になったのが気に入らず毒殺しようとしますが、祁鈺が間違って飲んでしまい重体に。
歴史上の汪皇后
7代皇帝・景泰帝の皇后。景泰帝が正統帝との約束を破り皇太子の朱見深を廃して、杭氏の間に生まれた朱見済を皇太子にしたところ。景泰帝の怒りをかって廃位に。代わりに抗氏が皇后になりました。
孫太后
演:何晴
5代皇帝・宣宗の二番目の皇后。
過去に流産したことがあり、杭允賢の祖父のせいだと信じています。そのため杭允賢を目の敵にして亡きものにしようと狙っています。
歴史上の孫太后
5代皇帝・宣宗の二番目の皇后。孝恭章皇后ともいいます。
宣宗が即位する前からの側室でした。宣宗に愛され皇后になります。
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・孝恭章皇后孫氏(孫皇后)オイラトの捕虜になった朱祁鎮(英宗)の母
孝荘銭こうそうせん皇后
演:李呈媛(リー・チョンユアン)
6代皇帝・英宗の妻。允賢とは義姉妹の仲になります。
静慈師太
演:顧艷
5代皇帝・宣宗の最初の皇后。
現在は廃されて出家。永慶庵の住職をしています。静慈師太の寺に甥の鄭斉が訪ねてきています。
歴史上の静慈仙師
5代皇帝・宣宗の最初の皇后。恭讓胡氏。本名は胡善祥
男子ができなかったこと、病弱だった理由で皇后を配されます。歴史上は仏教ではなく道教の道士になりました。法名は「静慈仙師」。
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・静慈仙師(胡善祥)は出家させられた皇后
オイラト
也先えせん
ドラマのエセン
演: 袁文康(ユエン・ウェンカン)
モンゴル系遊牧民オイラト部族の部族長。
地位はハーンの次に偉いタイシ(太師:最も位の高い重臣)。明を討ち、モンゴル帝国再建を目論んでいます。
捕虜にした允賢に一目惚れして求婚を迫りますが逃げられてしまいます。
後にハーン(モンゴル系遊牧民の王)になります。
歴史上のエセン
モンゴル系遊牧民オイラト族の部族長エセン・タイシ(後にハーン)。ハーンを傀儡にしてモンゴル系遊牧民の事実上のリーダーになります。モンゴル系遊牧民を率いて明と戦い後にハーンになりますが、部族長たちの支持を失って反乱を起こされ殺害されます。
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・エセン・ハーン|オイラトの最盛期を作った遊牧民の首長
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