韓国ドラマ『ヘチ 王座への道』は、朝鮮王朝19代王・粛宗の時代から21代王・英祖の即位までを描いた時代劇です。
『トンイ』でおなじみ、粛宗と淑嬪崔氏の息子・延礽君(ヨニングン/のちの英祖)が主人公。
母の身分の低さから卑しい王子と言われながらも仲間たちと共に腐敗した政治に立ち向かい、やがて名君と呼ばれる英祖へ成長していく姿が描かれます。
このページでわかること
- 第1話〜最終回までのストーリーの流れ
- 3話ごとに区切った全24話のあらすじ
- 各ブロックから飛べる詳しい各話あらすじ記事
作品の基本情報や登場人物・史実の詳しい解説は、別ページの「ヘチ 王座への道 まとめ」にまとめています。
韓国ドラマ『ヘチ 王座への道』とは?
朝鮮王朝第19代王・粛宗の末期、宮中では跡継ぎ問題が深刻化していました。
長男である世子イ・ユンには子ができず、次男の延礽君(ヨニングン)は母の出自が低いことから重臣たちに軽んじられています。
そんな中、老論派の重臣たちが目をつけたのが昭顕世子の子孫・密豊君(ミルプングン)でした。「血筋の正当さ」を盾に王位を狙う彼は素行が悪く、権力欲のかたまりのような王族として登場します。
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正統な血筋を掲げるが素行不良のミルプングン
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差別されながらも正義を貫こうとするヨニングン
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そして老論・少論の激しい対立
この三つ巴の中で、ヨニングンは仲間たちと共に「正義のための政治」を目指して動き始めます。
やがて粛宗の死後、病弱な景宗の時代を経て、ヨニングンが英祖として即位。
しかしそこで終わりではなく、ミルプングンと李麟佐(イ・インジャ)による大反乱が待ち構えていたのです。
『ヘチ 王座への道』あらすじ全話一覧(3話ごと)
ここでは全体の流れがわかるように3話ずつまとめました。
第1~3話あらすじ:跡継ぎ問題と「卑しい王子」ヨニングン
世子イ・ユンに子どもができないことが発覚し、宮中は跡継ぎ問題で騒然となります。
老論派・少論派の対立が激しくなる中、老論派は昭顕世子の子孫である密豊君(ミルプングン)を次の王に担ぎ上げようと動き出します。
一方、延礽君(ヨニングン)は「母の身分が低い」と蔑まれながらも、不正だらけの世の中を変えたいと願い、仲間たちと行動を開始。
悪事を重ねるミルプングンの素行を暴き、ついにはミルプングンを逮捕することに成功します。
第4~6話あらすじ:粛宗の死と景宗即位、再び現れるミルプングン
やがてヨルリョングンと粛宗が相次いで亡くなり、景宗の時代が始まります。
清に行っていたミルプングンも再び朝鮮に戻り、今度は王妃と手を組んで「世弟」の座を狙い始めました。
ヨニングンは、ミルプングンが世弟に就けば国が乱れると考え、老論と手を組むことを決断。
しかし、それは新たな政治的対立を生むことにもつながっていきます。
第7~9話あらすじ:科挙の不正と人身売買
ヨニングンは科挙で不正が行われていることに気づき、パク・ムンスやヨジと共に調査を開始します。
世弟の地位を得たものの、依然として重臣たちの多くはヨニングンを認めようとしません。
その最中、都で人身売買が行われているという噂が持ち上がり、ヨニングンは真相を追うことに。
権力者たちの闇に踏み込むことで、彼はさらに危険な立場へと追い込まれていきます。
第10~12話あらすじ:濡れ衣と、ヨニングンを認め始める重臣たち
ヨニングンはある事件で殺人犯と間違われ、逮捕されてしまいます。
取り調べでは、自分を守るよりも、子どもをかばうことを選ぶヨニングン。その姿は周囲の心を揺さぶります。
これまで彼を冷たく見ていた重臣の中からも、「この王子こそ正義を貫こうとしているのではないか」と、少しずつヨニングンを認める声が上がり始めます。
第13~15話あらすじ:景宗の不安とミルプングンの陰謀
ヨニングンを信頼しつつも、その存在感の大きさに不安を覚える景宗。
一方のミルプングンは、ヨニングンを陥れるための罠を張り巡らせていました。
ヨニングンは景宗暗殺の疑いをかけられ、宮廷内は大混乱。
しかし綿密な調査の末、ミルプングンの陰謀は暴かれ、真実が明らかになっていきます。
第16~18話あらすじ:景宗の死と英祖即位
陰謀が暴かれたことでミルプングンは捕らえられ、流罪となります。
しかし安心する間もなく、景宗の病状は悪化の一途をたどり、ついには治療の甲斐なくこの世を去ってしまいます。
重臣たちは「景宗の死は世弟のせいだ」と騒ぎ立て、ヨニングンは深く落ち込みますが、やがて覚悟を決めて国王・英祖として即位。
ここから、英祖の本当の戦いが始まります。
第19~21話あらすじ:疫病と、イ・インジャの反乱
町では疫病が発生し、民心は不安定になります。
そんな中、英祖のもとに「流罪になっていたミルプングンが脱走した」という知らせが届きます。
李麟佐(イ・インジャ)はミルプングンと手を組み、ついに反乱を決行。
反乱軍は予想をはるかに超える速さで勝ち進み、英祖の政権を根底から揺るがしていきます。
第22~24話あらすじ:反乱鎮圧
英祖が自ら指揮を執り、官軍は反乱軍の鎮圧に乗り出します。
追い詰められたイ・インジャはミルプングンを裏切って逃亡するのでした。
第24話(最終回):英祖の選ぶ道
ミルプングンもついに捕らえられました。反乱の後、王としてどのような国を目指すのか。英祖は自分がなぜ王座に就いたのか、どんな「ヘチ(善悪を裁く存在)」でありたいのかを見つめ直し、新たな一歩を踏み出していきます。
ドラマの背景と時代設定
物語の舞台は李氏朝鮮の19代王・粛宗の晩年から、20代王・景宗を経て、21代王・英祖の即位直後までです。禧嬪張氏や淑嬪崔氏はすでに亡くなり、粛宗の跡継ぎ問題が宮廷最大の火種になっている頃からドラマが始まります。
粛宗には、長男の世子イ・ユン(のちの景宗)、次男の延礽君イ・グム(ヨニングン/のちの英祖)、三男の延齢君イ・フォン(ヨンリョングン)という三人の王子がいました。世子は病弱で子ができず、ヨニングンは母の出自を理由に軽んじられ、重臣たちは自分たちに都合のよい跡継ぎを担ぎ上げようと動きます。
そのなかで、昭顕世子の子孫である密豊君(ミルプングン)が「血筋の正当さ」を掲げる王位候補として浮上し、老論・少論の対立や李麟佐の乱へとつながっていきます。
粛宗から英祖へ続く系図や跡継ぎ問題の詳しい経緯は、別記事「朝鮮王朝 英祖の史実」「ヘチ 王座への道の実話」で整理しています。ドラマを見てから読むと、どの場面が史実に近いのかが分かりやすくなります。
ヘチ 主なキャスト・登場人物
『ヘチ 王座への道』には、王族・重臣・市井の人々まで多くの人物が登場します。ここでは物語の軸になる主要メンバーだけ簡単にまとめます。
- ヨニングン/英祖
粛宗と淑嬪崔氏の息子。母の身分の低さから差別され、「卑しい王子」と呼ばれています。腐敗した政治を変えたいという思いを胸に、仲間たちと行動し、やがて英祖として即位します。 - パク・ムンス
情に厚く正義感の強い青年。ヨニングンと出会い、司憲府の役人として民のために働く道を選びます。派閥よりも民の暮らしを大事にする姿が印象的です。 - チョン・ヨジ
事件捜査にあたる司憲府の茶母。武芸も頭の回転も優れており、ヨニングンやムンスと共に権力の闇に挑みます。 - ダルムン
漢陽の裏社会で情報網を握る男。噂や裏情報を集める力を武器に、ヨニングンたちを陰から支えます。 - ミルプングン(密豊君 イ・タン)
昭顕世子の子孫で、自分こそ正統な王位継承者だと信じる王族。老論派に担がれて王座を狙い、のちに李麟佐と反乱を起こします。 - ミン・ジノン
老論派の重臣。 - 李麟佐(イ・インジャ)
英祖初期に反乱を起こす思想家。民の不満を利用して勢力を伸ばし、英祖と対立します。
俳優名や吹き替え、その他の登場人物の詳細な紹介は、キャスト専用の記事にまとめています。
詳しい登場人物の紹介はこちらを御覧ください。
韓国時代劇 ヘチ・王座への道 キャスト・登場人物紹介
『ヘチ』と他の朝鮮王朝ドラマのつながり
『ヘチ 王座への道』の時代は他の人気時代劇とも強く結びついています。
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『トンイ』 … ヨニングンの母・淑嬪崔氏の物語
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『ヘチ 王座への道』 … ヨニングン(英祖)の若き日
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『テバク ~運命の瞬間~』 … 英祖の時代と重なる物語
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『秘密の扉』 … 英祖と息子・思悼世子の悲劇
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『イ・サン』 … 英祖の孫・正祖の物語
この順番で見ると、粛宗~英祖~正祖へと続く朝鮮王朝の流れがとてもわかりやすくなります。
『ヘチ』は、その中でも「英祖がどのように王になり、どんな覚悟で政治に向き合ったのか」を描く重要なドラマです。
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